時影、近代魔術を語る 42 西條八十2
明けましておめでとうございます。
私、最近は出番の少なくなった、この作品のストーリーテラー
時影
と、申します。
最近は、面倒くさいのか、作者が語るスタイルが増えたのですが、突然、連載を一つ放り出して新作を投稿したり、今回は話しづらいみたいなので私が語ります。
本当に…
「自分で謝ってくださいよ…。」
私は、隅っこで隠れる作者に声をかけた。
作者は縮こまって手を降りながら、こっちへ来るな。とジェスチャーしていますが、知ったことではありません。
何しろ、この私すら、閉め出しを食らったのですから。
「な、なんでぇ…私も登場なきゃいけないのよ(;_;) 」
作者は私の後ろで小声で文句を言ってますが、
これはweb小説ですから声の強弱など、関係ありません。
「当たり前です。10万文字の初めての連載を放って、まあ、それは良いとして、
私は、貴女ではありませんからね、
読者の皆さんの前で、ジョーと力石?の熱い話なんて、ワンマンで語るなんて、お断り!です。」
私は、少し強めに作者に言った。
この騒ぎの原因は、『オーデション』と言う作品のブックマークが一つ減ったことから始まります。
まあ、通常なら、それほど気にしもしないのですが、
この作品のブックマーク5は、作者の最高数で、それ以降、このブックマークを越す話を作れてはいないのです。
「確かに、でもっ、その7万文字の作品ですら、ブックマーク5はとれないのよ。
私の、この、ブックマークに対する思いは、ここで作品を投稿したり、作者を応援したことのある人たちなら分かって貰えると思うわ…。
ブックマーク3桁いかなきゃ、底辺と噂のあるこのサイトで、最高数が5!
しかも、一年以上、それを破れないんだもん(;_;)
この作品は、私にとって、凄い作品であり、
越えていきたいライバルだったのだから。
それが突然、私の惨敗で消えたのよ?
力石と闘ったジョーのような気持ちになって、騒ぎたくなる気持ちになったって、し、仕方ないじゃない。
ぶ、ぶっちゃけ、ブックマークがつかなきゃ、もう、こんな騒ぎも起こせないんだし(T-T)
妖怪ブクマはがしが、うちに来てくれることなんて、もう、あるかどうかわからないもの。
ホント、今の私にはツチノコくらい、遭遇したことが驚きだよ…。
異世界・ファンタジーのカテゴリーに行ったら…
本当に、私でもブックマークが二桁とかつくのかしら(-"-;)信じられないわ。
本当に、ブックマークを貰うのって、大変なのよ。」
作者は早口で言い訳をする。
「でも、こんなに色々な場所でブックマーク5の連呼をするなら、あんな急いで「パラサイト」なんて作らなくてもよかったんじゃ〜」
私は1個消えたら、ブックマークがみんな消えちゃう症候群にかかった作者を思い出した。
(///∇///)……。
「い、良いじゃない!もうっ。
確かに、パラサイトも終わらないし、色々だけどさ、でもね、ちゃんと、お土産は持ってきたわ…
(-"-;)なんか、そんなん要らんから、終わりたかった気もするが…。
西條八十の話だけでも、結構、興味深い話だわよ(-_-;)」
作者は、そう言って苦虫を噛み締めた。
「これでも…、気にはしてるのよ。投稿した作品については。
しかし、みんな、どんな風に物語を作るのかしらね…
私は、一つ始めると、他の作品がよってきて、頭の中がゴチャゴチャするんだけど。」
作者はため息をついた。
「だから、こうして、ゆっくりと私と打ち合わせて作ればよかったのですよ。」
私は呆れて作者を見た。
作者は、右の口角をひきつらせながら悔しそうに私を見た。
「だって…短編を作る予定だったし…
それに、一応、他の奴も調べたりしていたわ。
パガニーニの映画を見たり、イギリスの妖精の話を調べたり、ね。
確かに、複数の話を一気に手掛けるのは面倒だけど、意外な発想をもたらしたりするわ。」
作者は、なんだかどや顔で私を見る。
「意外な発想は、いつもでしょう?
それにしても、イギリスの妖精とは!
確か、童話エリアの短編は、ロシアの魔女と信州の山姥で考えていましたよね?」
私は作者を見た。
確かに、この人は癖があるが、一応、色々な作品について考えてはいた。
冬の童話も楽しみにしていて、去年のキャラの短編投稿を考えてはいた。
「そうだけど、クローリーとメイガースのネタも探したいから、正月前に図書館で借りたのよ。
アイルランドの話がついたやつ。
ああ、やっと、ここから本題に入れるわ…。」
作者は疲れたように苦笑した。
「お茶…のみませんか?」
私は、自分に呆れながら作者に聞いた。
結局、私はこの人に甘いのだ。
「うん…。嬉しいわ。」
作者は疲れてはいたが、とても優しい笑顔でそう答えた。
「今回は、色んな拾いものをしたけれど、
『トミノの地獄』のトンデも解釈が出来たのは、なかなかよかったわよ。」
作者はいたずらっ子のように笑う。
「アイルランドと八十…ですか。」
私は、そう言って笑ってお茶の準備をしにゆく。
今日は…体を暖める紅茶にしましょうか。
レモンの代わりに柚子で風味をつけて、
こぶりのどら焼をスイーツに。
私の作者の土産話を伺いましょう。