作者、近代魔術を語る 42 占星術
2008年に公開されたイギリス特殊作戦執行部の資料に、ルイド・ウォールと言う占星術師を第二次世界大戦のイギリス軍が使える人物として記されてあるとか聞いた(-_-)
新たに登場する占い師ルイド・ウォール。
この人物が、今まで積み上げてきた私の話をなし崩す(T^T)
そう、チャーチルと共にオカルト作戦を実行したのは、クローリーではなく、
このルイド・ウォールさんらしい(T-T)
盛り上がってきた私の頭のモロモロが、ガラガラと崩れて行く…………。
なんでこの人を知らなかったのか?
それは、文章の公開が21世紀になってからだったから。
混乱するが、一部謎も解けた。
この話は、終戦直前にヒトラーにゲッペルスがホロスコープを見せたと言う、ヒストリーチャンネルの一場面の違和感から始まるのだが、
ヒトラーは、ヘスがホロスコープを信じてイギリスに単独飛行をして捕まったとされる事件以来、占いが嫌いになったらしい。
そんなヒトラーに、ゲッペルスがなんでホロスコープを見せようと考えたのか?
そして、星の運行は変わらないのに、飛行機を使ってどんなインチキ占いをばら蒔きあったのか?
後者の謎をルイド・ウォールが少しだけ解いてくれた。
やはり、星占いは知られてはいけないらしい。
占星術師カールに、ドイツが攻撃の計画をたてさせていた事を知った英国軍は、
ウォールに命じて逆引きでドイツの計画を事前に知ることになる。
つまり、惑星の運行は、変わらないのだから、ドイツ軍の良い星回りに進撃してくる。
だから、その時を予想して、進軍してこないときを見計らって反撃するのだ。
これはうまくいったらしい。
「だよね〜。」
と、私も思った。
星占いで軍の計画なんてたてちゃーダメだと思う。
と、ここまでは納得だが、味をしめたイギリス軍がインチキホロスコープをばらまく辺りから、なんだか違和感を感じてくる。
どうも、政治的な思惑で作らればら蒔かれたホロスコープは、星の動きとは関係が無いようだからだ。
まあ、チャーチルにしてみれば、占星術なんて元から信じてなかったと思う。
だから、平気で嘘を混ぜて、その上、ノストラダムスの予言を捏造までできたんだと思う。
これは、占いを純粋に好きな人間からすると違和感がある。
バビロニアでは、占いが間違ったら処刑されたと聞いていたから。
神様からのメッセージなのだから、そこに嘘を混ぜるなんて、やってはいけない事だと思うからだ。
その点では、私は、インチキに荷担したウォールより、間抜けをさらしたカールの方にどちらかと言うと、好感をもつ。
カールは口から出任せを言っていたわけでも無かったのだと、ウォールにやられた事で分かったからだ。
に、しても…、戦争に使う占いって、こんなやつなんかなぁ(-""-;)
ちょっと、頭が混乱してきた。
日本人の私からすると、星占いで戦術をたてるとなると、三国志の孔明のような人物が、複合的に考えるイメージがある。
星占いと言っても、オカルト・チートな感じではなく、それに伴うデーターが収納されているイメージなのだ。
例えば、流れ星ひとつとっても、民族によって言い伝えがあり、暦の機能もあった時代には、実際に農作業など、人の行動に影響を与えていた。
だから、私の見てきた歴史物の占い師は、城の上から星を見て、例えば大きな流れ星が特定の星座に向かって流れた場合、
「昨夜、流れ星が西からある星座に向かって流れました。
これは、北の獰猛な蛮族某の言い伝えでは南に進撃すると言う意味。
殿、迎え撃つ準備をなされませ。」
と、いった風に説明していた。
星が単体で運命を司るイメージは無かったので、カールの素直な占い結果には少し驚いた。
この辺りで、本当にヨーロッパでは、星を使った戦略なんて途絶えていたんだと思い知った。
ので、こんな所で奇問遁甲を語るのは無駄なんだと理解した。
ついでに、私が奇問遁甲を語るのも、結構難しいのが分かった。
どうも、私は、易経などのアジアの占いとの相性はよくないようだ。
が、そうだとしたら…
なぜ、ゲッペルスは、ホロスコープ等に最後にしがみついたのだろう?
星の動きは変わらないから、逆読みされたら使えなくなるのに?
暗号?
ふと、そんな言葉が頭をよぎった。
古来、人は星に色々な記憶を紐付けして来た。
紙の高価な時代、空をめぐる星の正確な動きと位置は、農作業の計画をたてさせ、
亡くなった愛しい人の命日を教えてくれたはずだ。
戦況が悪くなる中、負けたときの何かをホロスコープと言う形で残したとしたら?
実際、ゲッペルスの作ったホロスコープの話を聞いても、そこに大きな意味があるとは誰も考えたりはしない。
が、しかし、私にもそんな面倒な暗号は考えられないから、永遠の謎のままだ。
しっかし…
このテーマ、なかなか奥が深い(´ヘ`;)