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茶色いノート  作者: ふりまじん
近代魔術を語る
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作者、近代魔術を語る 38 通り魔

とにかく、頭がぐちゃぐちゃになるけど書かなくては。


魔術なんて、子供の頃に夢見るだけで、つまらなくなったら頭のすみに置きっぱなしにしていた。


ここに来て、良くわからないうちに魔術を調べることになり、

自分も少しは大人になっていた事を知った。


レビィやクローリーの夢物語の舞台裏が、魔術関連の本から透けて見え、


「こんなものを信じるやつは馬鹿なんだよ。」

と、言っていた親世代に負けた気分になる。


別に、勝たなくてもいいんだが、大阪万博を、いや、アメリカ人が月に足跡を残して以来、世界は変わった気持ちになっていた。


宇宙や科学と言った別次元に触れて、自分達は親世代とはひと味違うといい気になっていたのかもしれない。


この瞬間、


飛行機で空を飛べる事を知った時代の若者や、


地球が丸いことを知った時代の若者と、同じことを繰り返しながら歩いているんだとしみじみ実感する。



私は、テレビと映画館でしか会うことの無い、金髪の青い目の西洋人がもたらす、新しい文化と世界に夢中になり、疑うことを知らなかった。


テレビや本は、偉い人が作っているんだから、間違いなんてない。


と、今考えると恐ろしいほどの信頼を彼らに寄せていた。


まあ、昭和のテレビマンは、今とは違い、物凄く真剣に製作をしていたのは間違いはない。


アナウンサーは、一字一句の間違いを許されず、

女優は、高いフイルムを無駄に出来ないから、必死で台詞を覚え、間違いなんて許されない。

アクションスターは、CG加工なんて出来ないのだから、一発勝負に体を張った。


毎日が、書道のような緊張感で作品を作るわけだから、その緊張感が見ている私に伝わると、この人たちは凄い人だと思えた。親より信じていたのだ。


だから、心霊番組やら、UFOの番組なんかでも、マルッと信じてしまったのかもしれない。


のちに、ある有名なアナウンサーが、見えてないのに


あっ、何かが空をΣ( ̄□ ̄)!


みたいな嘘をついたと、懐かしそうにテレビで語っていたときは、懐かしいより腹が立った。


大人げないが、


「お前なんか、死んだら閻魔様に舌を抜かれちゃえばいいんだ(;O;)」


と、子供じみた憤りを感じた。


多分、自分が思う以上に、小さな私は彼を尊敬していたのかもしれない。



ここに来て、生活に関係ない、子供時代だけに興味がある知識は、子供の心のまま記憶されるのだと知った。


ま、まずい(ーー;)


そう、この一年、なんで話が作れないのかと言えば、自分のオカルト知識のインチキ具合に混乱しているからだ。


奇術をするのと見るのは違うのだ。



書き手として、それらの知識を動員して物語を作るとなると、それなりに自分の知識を整理し、頭のなかに物語のダンジョンをつく出さないといけない。


その苦労こそが、

金を払う人ともらう人の差なんだと思う。


私は、積み上げたこの知識と世界観、エネルギーを小銭に変えて、今まで出来なかった夢を叶えたいのだ。


書き上げる文章(スペル)を金に変える。


この意味では、私もクローリーも同じ錬金術師である。


崇高さは、他の術師のように無いが、私は、クローリーの世界観が、インチキだとしても嫌いではない。


が、しかし…


彼のように、貧乏で苦しみながら、仲間に嫌われ、死んでから報われるのは嫌だ。


私は、仲間が足腰が丈夫で、名古屋のフリマに行けるうちに、二万円を稼ぎだし、商売したいのだ。



この気持ちに、19世紀、出版物が富を作り出す時代の魔術師と共感できる部分を感じる。


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