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茶色いノート  作者: ふりまじん
近代魔術を語る
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作者、近代魔術を語る 35 通り魔

催眠のはじめてで登場したメスメルさん。

ここに来て、いきなりの存在感を発揮してきた。


「魔術の歴史」リチャード・キャベンデッシュ 河出書房新社


この本によると、メスメルさんのイメージが変わってくる。


wikipediaのイメージだとちょっと変わった医者のイメージだったけど、この本に登場してきて雲行きが怪しくなった(-_-;)


この本によると、彼は1778年パリ(!)で仕事を始める事になる。


メスメルは、動物磁気なる不思議な力が、生物に作用していると信じていた。

これだけ聞くと、有名な磁気治療パッチを知る日本人は、

「ほう…。」

と、感心したくなるけど、彼が磁気で治療したかったのは、肩凝りではなく、パラケススと関係のある、もう少し中二病な感じの万能治療の類いで、

地元のウィーンの真っ当な医者仲間に

「メスメルは魔術をしてるっ!!」

と、批難されてパリへと拠点を変えることになったのだそうだ。


この辺り、あの有名な磁気治療パッチが発売された辺りを知っている私は、メスメルを魔術師のようには思えなかった。


今では、メジャーになった、あのパッチや、磁気ネックレスを懐疑的に見つめ、社会に認知されて行く光景を見てきた私は、歴代のテレビショッピングのおじさん達と共に、メスメルを応援したくなる。


が、メスメル、肩凝りとか、地味な治療に磁気を使ったわけではない。


それどころか、体内の磁気を気合いでコントロール出来るとか、そっち方面に仕上げてきた用なので、私もテレビショッピングのおじさんも、この辺りから応援できなくなる。


がっ、しかし、


メスメルは、インチキ医師ではなかった。


パラケススを持ち出して、中二病的理論を繰り広げていても、彼の治療は、それなりの効果があった。


メスリズムと名付けられたそれは、後に催眠と言われ現在に至る。


が、中二病理論などと、21世紀に私に言われるこの、残念な考え方は、オカルト世界で華々しい功績として残ることになる( ; ゜Д゜)


彼の治療を見、回復する患者を間近にすると、メスリズムは、ヨーロッパに衝撃を与える。


その衝撃を与えられた人物に、エリファス・レビィがいた(~_~;)


レビィについて、私は良く分からないが、初めて催眠…メスリズムを見た彼は、きっと驚いたことだろう。


一人の男の一言で、大の男から、麗しの貴婦人までが、男の思うがままに動くのだ。


こ、これはっ、魔術、間違いなく魔術に違いないっ!!


と、驚いたに違いない。

そう、なろうマジックに慣れてしまうと、あまりにも地味で、つまらなく見えるかもしれないが、

魔術なんて、ほんの少しまでは、人を言いなりにする…程度の地味なもので、それで、みんな驚いてくれたものだ。


まあ…、地面に何かの悪魔の紋章を書いて呪文を唱えると、それをまたいだ女性は服を脱ぎ始める術。なんて魔術を見たことがあるが、この術式のエロオヤジの話なら、派手なアクションは無くても今でも、閲覧数を稼いでくれそうではあるが。



とにかく、メスリズムを見た魔術志達は、この人を操る技に、近代の魔術へのステップを見たに違いない。


レビィは、メスリズムを自分の魔術に取り入れて、メスメルが嬉しかったか、嫌だったかは知らないが、彼の功績は、近代魔術に記録されていったらしい。



ああっ(´ヘ`;)


適当に書いた「通り魔」、設定用のジルの話が、なんだか立派な話に仕上がって行く。


キャベンデッシュに聞いた、魔術の歴史から、精神科の医者ジルと、催眠、魔術が自然と関係を持ち始めた。


話は、ここから、もう100年昔、18世紀に突入し、

まだまだ終わらない、近代魔術の迷宮に、私は迷いこんでゆく。


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