作者、近代魔術を語る 21
マクレガー・メイガース。
彼を真の魔法使いとは思えなくなったが、書いていて、これは、これなりに良いキャラだと思えるようになってきた。
児童小説を書くなら、保護者が喜ぶ教訓が必要だが、
メイガースとクローリー、「なろう」風味の怪しい人物になった分、
インターネットの反面教師になる事に気がついた。
最近、ネットの動画による迷惑行為が問題になっているけれど、
それについて、小さな子供と話合えるような、そんな物語が無いな。なんて、考えていたからだ。
今、頭の中にいるメイガースは、そんな話をするのにピッタリな気がした。
隠秘術にしろ、
忍術にしろ、人前に力や素顔をさらさないのが鉄則だ。
能ある鷹は爪を隠す。
真の魔法使いは、「いいね」の為に、己の力を見せつけたりはしないのだ。
が、クローリーは、その民衆の力を使って、術を完成させようとしていた。この辺りを上手く使えれば、いい感じの物語になるかもしれない。
クローリー、秘密結社の秘技を暴露したり、
メイガースのまとめだした悪魔召喚術を勝手にパクって本にしたり、
メイガースがモデルだと丸バレするような物語を書いて、悪い評判をあげようとしたり…、ネットでやってはいけない事をして、最後は没落するのだ。
クローリーは、確かに、有名にはなったけれど…
「ムーン・チャイルド」を発表した翌年、
スペイン風邪で、呆気なくメイガースが死んだとき、
彼は、メイガースの死を悲しんだ様に私は思う。
ちょっとは、反省してたらいいな、なんて考えてしまう。晩年、かれは後悔したに違いない。
どんなに、有名になろうと、力を持とうと、
メイガースの世界観をパクって作り上げた世界を使う以上、彼からの呪縛から離れられないのだから。
1917年…ポルトガルのファティマに聖母が現れ、
戦場でヒトラーは人ならざるモノの声をきき
メイガースは、クローリーにファンタジー世界の悪役にされてしまう。
この時、大魔術師クローリーには、翌年に亡くなるメイガースが見えていたのだろうか?
私には、そうは思えない。
第二次世界大戦を前に、イギリスに帰国したクローリー。
かつての輝かしい栄光はなく、
金も、健康も亡くし、ひっそりと生きて…
そんな彼の元に、イギリス政府から、ある作戦への秘密の召集命令が来る。
ドイツ第三帝国を混乱に陥れる作戦。
オカルト☆大作戦!
で、ある。
この召集をうけたクローリーは、嫌な気持ちになったに違いない。
偽のホロスコープを作れ、なんて、
英国政府、俺の魔術を信じてねーじゃん!!
なんて、でも、この時のクローリーの気持ちは、私には、よく分からない。
魔術で、ホロスコープを、星の運命を変えられると豪語したのか…
インチキだと思われた事に、プライドが傷ついたのか…
はたまた、私なぞでは考え付かないような、もっと別の事を考えたのか…。
魔術と言うものの本質が、ファンタジーなものであれ、そうで無いものであれ、
どちらにしても、クローリーの人心を惹き付けるスキルは本物だ。
色々調べて行くなかで、クローリーの人物像とか、色々変わるのだけれど、
調べて行くと、チャーチルは、オカルトだからと適当にクローリーを選んだのでは無い気がしてきた。
1922年、アレイスター・クローリーは、OTOと言う団体の代表に躍り出る。
自称…らしいが、まあ、ともかく、ここで、ドイツの秘密結社で影響力を持ったのは間違いない。
彼らは、ナチスによって解散させられるが…、
その構成員は、ひっそりとドイツ第三帝国に息ずいていたに違いないのだから。
さあ、思い出して欲しい。
1922年と言う年を!!
この年は、メソポタミアとエジプトで歴史的な発見がされるのだ。
シュメールとツタンカーメンの王墓の発掘である。
まだまだ、夢溢れるファンタジーになるぞと、史実か励ましている…のか、
騙されているのか…(-_-)
アクセス数があるうちは、もう少し調べてみようと思う。