作者、近代魔術を語る 15
クローリーの話は、山師の話で盛り込むことにした。
が、メイガースの話は、昭和の冒険小説のパターンで書きたいと考えていた。
メイガースは、フランスで魔術についてインスパイヤーするのだ。
フランスはベルエポック。
名画や名作が生まれ、新しい発見や発明があふれる時代である。
メイガースは、アスモデウスと合わせて、魔術をテーマに話を盛ろうと思った。
万博にわくパリで、日本人の踊り子の少女と、パリに住む少年の淡い初恋の冒険小説。
昭和の冒険小説のパターンでやってしまおう。
今年こそ、夏休み子供スペシャルっぽい話を、
私が読みたいっ。
と、まあ、こんな感じで考える。
パリ万博やら、少年、少女と来たら、「不思議の海のナディア」のパクリとか言われそうだが、
悲しいかな、私は年配で……。
せめて、ルパンの夏スペシャルか、
少年探偵団と言われたいと考えながら、物語をつくる。
昭和の基本のパターンの骨組みは、
真面目で勉強好きの主人公(天才風味)
海外から来た美少女。
怪人(いい者)
怪人(悪者)
で、事件を起こし、事件を解決。
若い二人に恋が芽生える。
と、単純だ。
この辺りは、別段パクリとは言われないだろう。
と、言うか、この筋を壊さないところで保護者の安心を買うのが児童小説だ。
悪者は倒され、
少年は成長し、大人になるわけで。
エロなし、
過剰な暴力なしで流すのがお約束なのだ。
で、ここからがオリジナルを入れ込んで行く。
私はアスモデウスの考察をしているので、この流れを追う。
遺跡の発掘ブームのヨーロッパに、エジプトで封印されていたアスモデウスを甦らせる。
ああ、この辺り、よくある冒険小説のプロローグを思うとワクワクしてしまう。
現地の悪い盗掘者が墓あらしをするのか?
傲慢な学者が、封印を壊すのか…
それとも、アスモデウスが自ら相手を操るのか……。
何度もみたようなパターンでも、懐かしさとワクワクは色褪せない。
しかも、新作!!
私が世界で一番に読むことが許された新作なのだ。
ヒーローはメイガース。
多分、天才魔術師の予定。
ヒロインは日本の少女。
ナディアに似た展開だが、私のアスモデウスと沙羅の物語の展開と被るのだから仕方ない。
パリ万博には、日本人も出展していたし、
日本の踊りや文化は、当時のパリでも人気があったのは確かだから、
この辺りを史実に合わせれば、そんな指摘は来ないだろう。
私は別作品で、人間、見たいものがあれば、多少気に入らない展開でも読者は読む。と、言うことを学んだ。
私は、怪人見たさに、ドラマのエロシーンでお父さんに頭をグリグリ回されて、からかわれても我慢したし、
私の母は、エーゲ海の何やら美しい光景みたさに、娘と気恥ずかしい思いをしながらエロシーンをみていた。
最後まで引っ張る見たいもの。これが物語のテーマでなんだと気がついた。
題とあらすじは、遠近法の絵画のようなもので、
エンディングまで付き合った読者のみが到達できる美しい山が題。
手前に見える心引かれる光景があらすじではないかと思い立った。
この場合のテーマは
メイガース。
だから、題名もそれに関連したものにしたい。
「メタトロニオス」
とりあえず、こんな名前にしてみることに。
なんて、考えているうちが楽しかった……。
楽しかったんだけど、ね(´ヘ`;)