作者、近代魔術を語る9
なんだか、おかしな文章を載せてしまったが、まあ、いいや。
平成最後の日の困惑が、文章から溢れているし。
しかし、ナチスとオカルトについて調べていると、まとまらない事はわかった。
とにかく、突っ込みどころが多い。
よくよく考えると、書いている人達の思惑で解釈が自在に変わってしまうからだと思い付いた。
ルドルフ・ヘスのイギリス単独飛行にしてみても、
ヒストリーチャンネルでは、ホロスコープを猛進してイギリスに独断で向かったような印象をうける。
これは、番組がナチスの中二病気質を暴く番組の流れなので、まじないなんて信じなかったゲッペルスが、敗戦間近に自分で作ったホロスコープを、ヘスの一件でオカルト嫌いになったヒトラーに渡す。
そんな、精神的に追いつめられて、おかしくなってゆく様子を表現しているように見えた。
しかし、敗戦国で、しかも、民族の優性をうたわれた記憶のある日本では、ヘスの単独飛行について、何がしかの使命があった風に描く方が売れたんだと思う。
そして、日本の戦争経験者からしてみたら、いくら洗脳されていたからといって、ゲッペルスが、一国の要人が、敗戦間近でこんな、すっとぼけた異常行動をとった様に描かれるのが、なんとなく、抵抗があるんだと思う。
先勝国のアメリカにしてみたら、自分達の行いを正当化してヒーロー風味のお話を無意識に作ろうとするだろうから、
敵で負けた日本やドイツの要人は、おかしな悪役風味をつけられている気がする。
敗戦国の日本からしてみれば、負けたとはいえ、上層部の人間が、国民を忘れてドリフのギャグ風味の政治を繰り広げたような書かれ方は、違和感を感じるのだと思う。
だから、ヘスのイギリス単独飛行についても、何かの意味がある方が好まれたのだと思う。
で、時代の中間でオカルト関係を中心に知識を重ねた私は、無意識にどちらにもとれるような、歪んだ内容を書いてしまった。
と、言うことなんだと思う。
私の作品に珍しくついた感想の答えになったろうか?
とりあえず、これで、感想を書いてくれた人物を解放しよう。
が、しかし、
ナチスとオカルト問題は、まだまだ続く(´ヘ`;)
蘭子の物語があるのだから。
ナチスは本当に上手く情報を隠したんだと思う。
だから、少し想像力を働かせると、幾通りの話も作れてしまう。
例えば、ヘスのイギリス単独飛行についても、
空から落ちてきたホロスコープに騙される話で、興味深く盛ることも、不可能ではない。
彼は子供の頃にエジプトに住んでいて、
当時は考古学ブームで、学者や投資家がこぞってピラミッドのまわりを漁っていた。
21世紀にノストラダムスと共に語られた、クレオパトラの天球図の話を、撒かれるホロスコープに忍ばせてみる。
普通のドイツ人…いや、日本人でも、ホロスコープと言われたら、ギリシア由来の天体図を思い出すだけだろう。
が、忘れられてしまったが、日本にも特有の星座があったように、ギリシア文明が栄える何千年も前から、エジプトでは正確な天体観測が行われていて、
私の怪しげな記憶によると、24時間を定めたのは古代エジプト人、らしい。
イギリスがまいたホロスコープに、一見、それと気がつかないように、天空を司るエジプトの神々を忍ばせていたとしたら?
それを見たヘスは、どんな物語を紡いでくれるのだろう?
クレオパトラは、その正確な天球図でシーザーの心を奪ったのだそうだ。
クロウリーの持つ天球図なら、ヘスは陥落してくれるだろうか?
大英博物館の片隅の天井を今でも飾る、神秘的なエジプトの女神たちを見上げながら、
エジプトを発祥とする魔術を近代のモダンな雰囲気で呼び行けた、あの有名な魔術師クロウリーは、得意気にチャーチルに説明をはじめる。
「学生時代、彼は『エジプト人』と、からかわれ、コンプレックスがあったようですからね。それを利用したらどうでしょう?馬鹿にされた事柄が、ただ一人、真実を気づく為のものだと認識すると、人間は盲信してしまうものですからね。」
ほら、なんとなく、興味が出てくるでしょ?
こんな話が、昨日は雨後の竹の子のように、ワラワラと頭をまわって大変だった…。
結局、真実なんてわからないし、私は、なろう作家なんだから、ドンと楽しむことにしよう。