魔法の呪文東欧考察 12
それは暖かな春の日。
私達は庭の散歩に出かけました。
オーストリアの爛漫の春は、まだ少し先…五月になりますが、それでも、スノードロップから始まる花の妖精の装いが、街を人を華やかな時めく気持ちにさせるのです。
私達は、シェーブルン宮殿の庭を春風を連れて散歩しました。
ここは1619年皇帝マティアスが泉を見つけて、美泉と呼ばれるようになったとか。
難しい事は抜きにしても、皇帝の夏の離宮シェーンブルンは、現在でもその美しさと魅力で、市民と観光客を魅了してやまないのです。
マティアス皇帝のような、見事な発見は出来なくとも、広い庭を散歩していれは、小さな宝石のようなパンジーやチューリップを見つけることが出来るでしょう。
「あ…( ̄▽ ̄;)嫌だよね…。どうしよう。
閲覧してくれる人か…『魔法の呪文』いたよ…
そろそろ、書かないといけないけど…
面倒くさい(-"-;)」
作者はブツブツと鈍いの言葉を吐きながら、この咲き誇る宝石を見つける事も出来ないのです。
「面倒くさいって。」
「だって…、じゃあ、アンタは平気なの?
恋だよ?青春だよ?思春期のモヤモヤだよ(T-T)
ふぁぁぁっ(ノД`)」
作者は私に当たり散らして早歩きで先を進みます。
全く…。
「仕方ないでしょう?子供向けなのですから、子供の恋愛物語になるのは。」
私も早足で作者に追い付きながら言いました。
もう…この人は。
『魔法の呪文』は、童話の投稿したものに、続きを書いて少女小説に投稿し直した作品です。
その為に、恋愛要素があるのですが、
童話向けの簡単な表現ではじめの設定は進めたのです。
しかし、幼馴染みのフランクの扱い考えた為に、フランクの深い愛情に翻弄されているのです。
「それだけじゃ無いじゃん(T-T)
なんなのよ…普仏戦争って…
もう…やだぁ。
少し前に混乱してたのに、1870年にまた、戦争とか。」
作者は泣き言を言いますが、登場人物は皆、その中で懸命に生きているのです。
「貴女が悲鳴をあげてどうします?
フランクなんて、お腹の中か、生まれたばかりで、お父さんが戦いに行くのを知らずにいるのですからね。」
「うわぁ…。嫌だなぁ。もう。
(´ヘ`;)このせいで、ショパンとリストを知るために書いた短編がぁ…悲惨な雰囲気に…なるんだもん(T-T)」
作者は大空をにらんで、何かの痛みを耐えていました。
「確かに、ただ、ヴィーナオーパンバルの舞踏会の話をしたかっただけなのですよね。」
私は、暖かい陽気になんだか笑いが込み上げてきました。
「もう。笑っている場合じゃないのに。」
作者は深いため息をつきました。
「まあまあ、ここシェーンブルンは、あのショパンがマリーアントワネットに求婚した場所なんですよ。
そう考えれば、小さな恋のお話も微笑ましいではありませんか。」
私は、色とりどりの美しい三色すみれを見つめて言いました。