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茶色いノート  作者: ふりまじん
100年戦争
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魔法の呪文東欧考察 11

「こっちは、こっちで泣きたくなるわ…」

作者は、そう言ってため息をついた。


私たちは、『魔法の呪文』と言う童話を連載し、現在、それを止めている。


それは、19世紀の中欧の状況が、とんでもなく複雑だったからだ。


「泣いてる時間は無いですよ。」

私はため息をついた。

作者はわかっていると眉を寄せてため息をつく。


「まあね、でも、悪いことばかりでもないわ。

プラハの話から、バイオリンの起源の話になって、トランシルバニアにバイオリンの起源の伝説を見つけたんですもの。

トランシルバニアが登場した事で、ドラゴン騎士団が登場(  ̄▽ ̄)

トラウゴッドを登場させられるかもしれないの。」

作者は嬉しそうに笑った。

トラウゴット・クグロフ…

名前と、大まかな設定が、人気作のキャラクターとかぶってビビった作者に名前を変えられたキャラクターだ。


しかし、設定が本当に大雑把な類似で、しかも、向こうの作品を読んでないので、設定を組み直し、再び登場させる努力をしていたのだ。


寡黙な騎士で設定が被ったので、

ここから、イメージが被らないキャラクター設定を何度か考え、

竜騎士団にたどり着いたのだ。


トラウゴットは、竜騎士団の団員の子孫設定にした。

少し時代が後になるが、吸血鬼ドラキュラが出版され世界的なヒット作になる。

が、ドラキュラとは、ドラゴン騎士団の息子だったトランシルバニアの殿様が、竜騎士団をゆかりに名乗った名前であり、

吸血行為とはいっさい関係ないので、現在でもトランシルバニアの地域の人が吸血鬼とドラキュラを関連付けられるのを好まないのだそうだ。


そこで、私のトラウゴットをフランスで『ドラキュラ』とからかわれる存在に設定した。


吸血鬼とは、西欧の人間が、東欧の人間を悪く言うときに使っていたらしく、

フランス人にこう言われて嬉しい東欧の人間はまず居ないと思う。


が、しかし、


トラウゴットは、異教徒から国境を守る竜騎士団だった先祖を誇りに思い、

ドラキュラとからかう友人達に堂々とこう言うのだ。

「いかにも。私の祖先はトランシルバニアで異教徒から国境を守った勇敢な騎士。

竜騎士団(ドラゴン)の血筋であるから、ドラキュラである。」




ここまで来ると、本当に馬鹿馬鹿しくもなるが、

それでも、やはり、一度は登場させたキャラクター。

無実の罪で削除は辛いのだ。


が、この設定は、動かすのが大変なのだ。


こうなると、トランシルバニア地方の人達にも応援されるような、騎士としてのキャラクターにしなければいけない。


それは、長年、モンスターとしてのドラキュラのイメージを払拭出来なかったトランシルバニアの人に寄り添って、このイメージと闘う事でもある。


まあ、流れは間違ってはいないのだ。


なぜなら、騎士とは元々モンスターを退治し、良民を守る人物の事だからだ。

と、言うことで、トラウゴット・クグロフは、妖怪やら魔物と闘う、なんとも面倒くさいキャラになる(T-T)


まあ、19世紀と言う時代背景があるので、探偵のような、キャラを考えてはいたのだが………。


そんなキャラの出番は無いと思っていた。


が、トランシルバニアとバイオリンの関係から、トラウゴットにも出番が回りそうな雰囲気がしてくるのだ。


「まあ…、ゆるゆるとドラゴン騎士団の話でもしよう。

何度でもこれを話して悪いことは無いわ(T-T)

沢山、説明を重ねながら、その知識を自由に扱えるようになるのだし、

トラウゴットの他に、ジャン一世にも関係あるんだからさぁ…」

作者は真一文字に口を引いて、何かの痛みに耐えている。


「その前に…お茶にしませんか?」

私は温かい紅茶の入ったカップを作者の前に差し出した。


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