勇者とエセ勇者
たまに覗いてくださってくれてるひとこんにちわ。
この作品放置してましたが、新作リメイクしてます。
ここまで書いた分も修正かけて組み込むつもりです。
おひまならバンバン参考意見ください。
「元々、この世界にも勇者召喚は存在はしていた。でも、お前らのが今、考えている
ような力を持った存在ではあるが、その存在意義は大きく違っている。
なんせ、魔法が存在して、魔物も存在しているが、この世界には魔族も魔王も
魔神も存在していない。ついでに言っとくと、エルフもドワーフもいない。
存在するのは人間だけだ。まあ、邪神は、どっかからやってくるかもしれない
けどな?」
工藤は、そこで一息ついてコーヒーを入れ始めた。その顔には、なんか説明会
みたいだなあ、といった戸惑いの色が見受けられる。
「コーヒー欲しいやついるか?この世界、地球と同じような果物やお茶はあるんだが、
コーヒーはないからこれが最後になるかもしれんぞ」
暗に送り届けたら、お別れだといっているようなのだが、気付いているものはいる
だろうか。
「本来の勇者召喚は、世界的な危機が発生した際に力あるものを呼び出すための非常
手段であって、お前らみたいに大量にほいほい呼び出せる存在じゃない。力ある
巨大国家が数十年とかけて魔力を蓄え、数十日に渡る儀式を数十人の神官がぶっ
続けで行うもんだ。お前らを召喚したような弱小国家にできるようなもんじゃない。
選ばれる勇者も勇者として高い潜在能力があるのは当然だが、何より召喚する前に、
召喚のお願いをちゃんとたてる。本人の意識をちゃんと確認する。そして、いつでも
地球に帰還できることも約束されている。お前らのように死を回避する代わりにと
いったような脅迫地味てもいない。そして、強い魔力的加護を受けて召喚される。
人間のままでだ。お前らは必要とされる膨大な魔力も、めんどくさい儀式もすっ
とばして召喚された。しかもクラス全員一度にだ。やつらが用意したのは、この世界
に引きずり込む魔力だけだ。地球での事故で死ぬ寸前で縁の切れかけていたお前ら
相手なら、人数が多くても少なくて済むからな。
ちなみに、やつらが用意したのは、魔力そのものではなく、大量の生け贄だ。
この国の貧民層の人たちだ。彼らが死の直前に発した強い恐怖をあの召喚陣が魔力
に変換したんだ。あとは、召喚時の再構成に細工が施されていて、魔力的加護では
なく、人体そのものを戦闘に適した体に改造するってわけだ。こうして作られた
エセ勇者を俺たちは強化戦闘体と読んでいる。
お前ら誰も気付いてなかったけどマスター登録された誰か、あのクソ王だけどな、
そいつの言うこと無条件で聞くようにおまけ付きだ。こんな目に遇わされたのに、
あの状況で迷いもなく勇者として闘うこと引き受けたのがいい証拠だ」