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そうだ、恋をしよう!  作者: イチゴメロンパン
3/13

校内案内

確か1時間目は第一体育館でオリエンテーションだったはず。

一人で行くのもなんかアレなので、同じ中学だった芹菜を誘うことにした。


彼女とは中学の時は違うクラスだったが、数学の時の移動教室では同じ講座だったから結構仲が良かったし、このクラスで同じ中学だった人は彼女以外は男子だったからだ。


芹菜(せりな)


困った顔でウロウロしていた芹菜に声をかけるとすぐにこっちへ来た。


「よかった、祷が同じクラスで。あたし人見知りだからなんか怖くて・・・」


「あはは、私もだよ。それに同じ中学だった人男子ばっかだもんね、このクラス。ところで、誰かと話したりした?」


「ううん、全然。あたしの前の席の人は北原だけど小学校の時からアイツ苦手でさ、左はチャラそうな人で、後ろの娘はずっと絵描いてたし、右の子はその隣の子と話してたから」


そんな話をしながら、第一体育館に向かう。

入学式とかもそこで行ったので迷うことはないが、7クラスあるこの学年全体が移動する中だ。

ものすごく混雑しているせいで、さっきから列がほとんど動いていない。


これ大丈夫なのか?時間やばいんじゃないの?


キーンコーンカーンコーン・・・


案の定チャイムが鳴る。

さらには、「おい、1年うるさいぞ。早く移動しなさい!」と、体育の先生が怒っている。


そんな理不尽な・・・


それから10分。

何とか全員が体育館居並ぶと、やっとオリエンテーションが始まったのだが、先生たちはお疲れの様子。


なんか私も眠くなってきた。というわけで、おやすみ。




////「祷、起ーきーてー」


「・・・ん」


目を開けると、皆体育館から退場し始めている。終わったようだ。


「おはよう。でもまだ40分しか経ってないんだよね。たしかこの学校は65分授業だから・・・この後何すると思う?」


「そうなの?あれじゃない、どうせ今日と明日は各教科のオリエンテーションやら校内案内でしょ。だから、校内図とかオリエンテーションで使うプリントとかを配られるんじゃないの??」


「ああ。なるぼど」


教室に戻ると案の定校内図とオリエンテーションで使うプリントが配られ

た。


担任の熱血先生がそれらのプリントを配りながら今後の予定を説明していく。


「―――という日程になっています。それからさっきの移動には時間が掛かり過ぎだったぞ。言われなくてもテキパキと行動すること!!諸君ならできるはずだ!!以上!」


必ずって言っていいくらい語尾に「!」が付いてる。


先生元気だね・・・私はお昼寝の後だから眠い。


んで、次は何するのかな?・・・ふ~ん、2年生が校内案内してくれるだ。


ん?はぁ。少人数のグループに別れるのか。しかも名簿じゃん。



(グループに分かれる)



我ながら自分に同情するよ。



運悪すぎ。


私のグループのメンツはひどいもんだ。

まず男女比がおかしい。

何で男子7人、女子3人なのさ。

私、男子は苦手なのに。


しかもその少ない女子もなんか男子にぶりっ子するタイプだし・・・


確かに2人とも顔はかわいいけどさ、男子らも満更じゃない顔だけど。

私そういう人達とは正反対のタイプだよ?ってか苦手だし。

まぁ、校内案内だし黙ってついて行っても問題ないと思うけど。


と、そんな感じで案内してくれる2年生が来るのを待って合流すると、早速歩き始めた。


まず最初に教室棟を見るらしい。


「こんちゃ、2年4組の〇〇で~す」


「4組の〇〇で~す」


「同じく4組の〇〇で~す」


私たちのグループの3人の2年生達が自己紹介しながら階段を上がる。


やっぱり運が悪い。

3人の先輩方も全員男子だし、チャラい。


1階は1年生の階だから回らず、2階から回り始めた。

西から順番に1組2組3組・・・と8組まで続いている。

どのクラスも数人分ずつ空席だったのは、今案内してくれている人達の席なのだろう。


同じように3階も回り、降りてくる。

次は第2棟を見るそうだ。


2棟には、化学室、生物室、物理室、地学室、調理室、被服室、音楽室。

それから、国語、数学など各教科の研究室があった。


2棟を回り終わると、簀子の敷かれた外廊下を通り、第一体育館、第二体育館、武道館、部室棟、グラウンド、テニスコートなどを見た。


最後に、正面玄関と、事務室、校長室などを回って教室に戻った。


「じゃあ、一通り見終わったし戻るか」


「おう。あ、なんか質問とかある?」


「「「ないでーす」」」


私以外の1年が元気よく答える。


「あれ、そこのショートへアの君は?」


「図書室は・・・?」


私は読書が好きだから結構気になってたんだけど。


「あ~ぁ。忘れてた」


「俺も」


「ってか、あそこは滅多に行かねぇかんな。俺ら」


「「確かに」」


「先輩、図書室の場所くらい分かりますよ」


「んじゃ、いっか」


えぇー行かないの?行こうよ。

ねぇ、行こうよぉ~。


というわけで結局図書室には行かず、教室に戻った。

私らの班は、あまりちゃんとした説明があったわけでもなく、適当に歩いてただけだったからか教室にはまだ誰も戻ってきていなかった。


・・・はぁ。


たしか校内案内の時間は2時間目いっぱいだったから、まだ30分以上余っている。

1人で図書室でも見てこようかな。


男子たちに好印象を与えようと、まだぶりっ子してる同じ班の女の子達には、トイレに行く、と言って教室を出た。

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