表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

死神(2)

友紀の異変に


気がついたのは


シーちゃんが


亡くなってから


半年が経った頃だった。


最近元気ないじゃん友紀は


俺はそう友紀に


問いかけると


友紀の表情は笑顔になり


そんな事ないよ


疲れているだけだよ


健太は元気になって


良かったね


そう言い残し


友紀は自分の家に


帰ろうとした


無理に笑顔を作っている!!


そんな友紀を俺は見逃さなかった


何か隠してるだろう!!


友紀の顔から笑顔が消えた


何でも良いから話せよ


友紀のお陰で俺も


立ち直れたし


何か困っている事があるなら


俺、力になるから・・・


俺の言葉に嘘はなかった


本当に力になりたかったんだ


血は繋がってなくても


自分の妹みたいに


ずっと思ってきた友紀が


困っているなら


俺は何でもする。


友紀の口が動いた


何か言いたそうだが


声にならない声で


友紀がつぶやく


なに?聞こえないよ?


俺が聞きなおすと


友紀はその場で


泣き崩れてしまった。


その夜、友達から


友紀の家に関する


噂を聞いた俺は


友紀の涙の訳を理解した。


友紀の家庭は、俺の家庭と同じく


商売をしており


酒屋を営んでいたのだが


友紀の親父さんが


ギャンブル好きらしく


かなりの借金があったらしい


借金は、借金でも


銀行とかではなく


地元のヤクザ企業からの


借金だった。


その借金の返済が出来ず


自分の家を担保にした事もあり


営業時間にも関わらず


取立てに来る事があると


友達が言っていた。


俺はその事を知らなかったが


今思い出してみれば


柄の悪そうな人達が


数人友紀の家の前で


見た事があった


もちろんその時は


ただの客ぐらいにしか


思っていなかったので


それ程気にも止めていなかった


友紀はきっとこの事で


悩んでいたんだろう。


何でもっと早く気がついて


やれなかったんだ俺は!!


友紀に電話しよう!


でも・・・


何て言ってあげれば良いんだ


言葉が見つからない・・・


その時、家の電話が鳴り


電話に出てみると


友紀からだった


健太・・・助けて・・・


私・・・もうダメ


分かった友紀、何も言うな


今すぐそっちに行くから


俺は、電話を切ると


無我夢中でバイクを飛ばしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ