仮題 復讐③
『それでケンヂというヤツのフラットは見つかったんですね。』
『ああ、それは簡単だった。スタッフ名簿はだれでも閲覧可能だから。あいつが旅行から帰ってきて、3日後に襲撃する。』
時刻は昼間だがカーテンを閉め切って薄暗くしている。部屋の中を煙が漂っている。意外だがタクミとミノルはシラフだった。”真面目な話”が終えるまではキメるのは止めておこうと、意外にもミノルからの提案だった。悪いことをするのにとても真面目なんですとミノルは言った。僕はとても優等生なんだと。
『でもどうして3日後なんすか?』
『理由は簡単だ。まずは仕事がなくなった絶望を味あわせる。しばらくは給料を保証されるが、たぶん2週間が限度だろう。この年末年始でアイツが仕事を簡単に早く見つけられるとは思わない。苦痛と不安で精神がおかしくなったアイツを襲う。襲撃は夜を狙う。こっちはマスクを用意して、後ろから襲えば問題ないはずだ。声さえ聞かれなければバレることはないと思う。』
タクミは右手で顎を摩っていて、考え事をしている。
『問題はどうやって夜の時間にアイツを外出させられるかだ。』
よく見るとタクミの左手は誰かの頭の上にあった。
ショウタだった。彼は大麻をキメ、タクミを喜ばすための作業をしている最中だった。ミノルが羨ましそうに見ている。
『タクミさんがショウタくんに手を出すなんて考えもしなかった。』
『ああ、俺も最初は信じられなかったよ、酒と大麻をキメてトリップしてる最中に俺はショウタを抱いたみたいだ。何度もだ。ショウタは俺が気に入ったらしい。シラフの時でも求めてくる。悪いな、ミノル。お前が先に手を出したんだよな』
『できればシェアしてください。』
ミノルが両手を合わせてお願いしますとお辞儀をした。ショウタを諦めきれないらしい。そんなミノルを喜ばすために何も着ていないサトミが一生懸命に奉仕していた。サトミは酒と大麻の両方をキメている。
『サトミもシェアでいいんだな?』
タクミが笑いながら同意を求めた。
返事を待たずにミノルがショウタに覆い被さった。待てないらしい。ミノルが火を着け、煙を大きく吸い込む。ショウタは喜んでミノルを受け入れる。
タクミの下でショウタの喜んでいる顔が踊っている。タクミは冷静な目でショウタを眺めていた。
ミノルとショウタが忙しくなったので、タクミはサトミの相手をした。タクミの頭の中は冷静だった。どうしたらケンヂを夜の時間に誘い出せるだろう?。サトミを喜ばせている最中でもケンヂのことを考えていた。




