さいしゅうわ.ハズレスキルさん③
「だって わたしの スキルは 【ゆうしゃ】だもの。 せかいを すくう ゆうしゃに なって まおうを たおす スキルよ」
ゴブリンちゃんが ききました。
「まおうって なあに?」
「おおむかしに せかいを しはい していた わるい まものの おうさまの ことよ。 でも まおうは もう どこにも いないから 【ゆうしゃ】スキルは やくに たたない ハズレスキルなの」
ゴブリンちゃんは ハズレスキルさんの いっていることが よくわかりませんでした。
ゆうしゃも まおうも はじめて きく ことば でした。
チートスキルくんが いいました。
「ねえ ハズレスキルさん。 【ゆうしゃ】スキルは まおうを たおすことしか できないのかな」
「だって ゆうしゃは まおうを たおす ひとの ことでしょ?」
「それだけじゃ ないよ。 ゆうしゃの 『ゆう』は ゆうきの 『ゆう』さ。 ゆうきを だして だれかを たすけることが できる とても かっこいい ひとの ことでも あるんだよ」
「それじゃあ 【ゆうしゃ】は チートスキルなの?」
「ハズレスキルさんは どうおもう? じぶんの スキルが ハズレスキルなのか チートスキルなのか きめることが できるのは じぶんだけだよ」
チートスキルくんの ことばを きいて ハズレスキルさんは 【ゆうしゃ】スキルに ついて かんがえました。
そして じぶんの こたえを だすことが できました。
「【ゆうしゃ】は チートスキル! わたしは チートスキル!」
「それなら これから きみは チートスキルさんだね」
「ありがとう! チートスキルくん!」
こうして ハズレスキルさんは チートスキルさんに なりました。
チートスキルさんは まもののもりで いつまでも たのしく すごしました。
おしまい。