3わ.チートスキルくん③
「このもりに ほかの ようせいは いるの?」
「いないよ。 ようせいは ぼくだけさ」
「さみしくない?」
「ちっとも さみしくないよ。 まものの みんなが いるからね」
ふたりは おしゃべりを しながら よるの もりを すすみました。
「さあ ついたよ」
そこに あったのは まるたで できた ちいさな こや でした。
「すてきな こやね。 もしかして チートスキルくんが たてたの?」
「ちょっと まえに ドワーフさんが たてたんだよ。 もう だれも つかっていないと おもうから ハズレスキルさんが じゆうに つかって いいよ」
ふたりは こやの なかに はいりました。
「あれ!? どうしよう!?」
こやの なかの ようすを みて チートスキルくんは びっくり しました。
ゆかに たくさんの つちと いしと はっぱが おちて いました。
すみに ボロボロで こわれた いすと つくえが おいて ありました。
かべが こわれて きが はがれている ところも すこし ありました。
「ほんとうに だれも すんでいないのね」
「ごめんね ハズレスキルさん。 こやが こんなことに なっているなんて しらなかったんだ」
「チートスキルくんの せいじゃ ないわ。 それに あしたから なんとかすれば いいだけよ」
ハズレスキルさんは ゆかの つちと いしと はっぱを よけて ねぶくろを ひろげました。
そとと ちがって つめたい かぜも ゴツゴツした じめんも ここには ありません。
「あしたに みんなで てつだいに くるからね」
「とても たすかるわ。 おやすみなさい チートスキルくん」
「おやすみなさい ハズレスキルさん」
こんやは ぐっすり ねむれそうだと ハズレスキルさんは おもいました。