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狩猟に出かける 御祖母様の企み

今回の皇后の愛と復讐と…それは 全てはこの日のために

祖母たちから結婚の意思があるかどうか聞かれた二人は正反対の回答を!


今回最終回です。


えっ!!なんで


僕とトリアが顔を見合わせて驚く。

どうやら僕はトリアがOKだと思い、トリアが僕がNOだと思っていたのだ。

僕の頭は真っ白だ。こんなの知らない!!


「えぇ~~~~~」

「えっ?!」


居間の流れるしばらく沈黙が痛い。

どうやら御祖母様もまさかの回答だったようだ。


「ヴィクトリアーヌ?

 私が副執事長から聞いた話では貴方達はとてもよい雰囲気だったと…」


トリアは御祖母様の目をしったりと見ながら強い眼差しを持ち言った。


「私には結婚前にきちんと向き合ういろんな事があると思うです。両親や社交界、きちんとシャルルにむきあえるようになりたいの。

だから今答えを出してなら」

 


御祖母様と僕には積極的拒否ではないと思え少し安心する。


その時トリアの祖母がトリアの傍に近づき諭す様に言った。


「トリア

 両親を見てきて結婚に臆病になっていたものね。

 何も出来なかった私は本当に申し訳なく思っているわ。

 でもね。でも生活しながら少しずつ育てていく愛もあるのよ。

 前に話したわね。

 知っている通り亡くなった御祖父様は私の旧友で不幸にも亡くなってしまった婚約者だった。

 確かに親友の願いで結婚を意識したけれど。

 元々御祖父様の事が好きだったの。

 親友の婚約者になったから諦めた。

 悩まなかったら嘘になるけど。あの人が亡くなる

 前に言ってくれたのよ。

 「君と結婚して幸せだった。

 ありがとう」ってね。

 トリアは自分と向き合って、それでも大公子殿下

 と一緒にいたいと思えたら結婚したいって事かし

 ら?」


トリアが祖母を見つめる様子は初めて聞く話なのだろう。驚きと関心となんとも言えない悲しみとない交ぜになったような

複雑そうな顔をしていた。


でもゆっくり考えて。

これって可能性ありって事だよね。

なんていいように考えるの勝手な僕の妄想?ご都合主義だろうか。


「トリア。君が納得するまで待つよ。

 僕の周りには君のような女性はいないからね。

 なんせ氷の大公子なんで」


トリアは首をふりながら凛として強い眼差しで僕の瞳を覗く、トリアの瞳に僕が映っている。

自分でいうのも変だけど半分笑って半分諦めたような客観的に見ても妙な顔つきになっている。



「大公子殿下は氷の大公子ではありません。

 少なくとも私にとっては。

 私達は少し似ています。

 私が私の事を好きになったら必ずまた来ます

 ここに」


僕の事そんな風に思ってくれたんだ。心臓の奥の方から熱いものが噴き出してくる。心が躍るような今まで感じた事のない感情だ。


あってもホッとした。あぁ良かった。

完全拒否じゃなかったんだ。

まずはよかった。とほっと胸を撫で下ろす。


御祖母様はまるで太陽の光のように微笑んでトリアを胸に抱きしめた。


「ヴィクトリアーヌ

 御祖母様から聞いていると思うけど。

 私はアファルキア大公家傍流のあなたの高祖父母

 の長女なのよ。私の身を案じた前フェレイデン帝

 国の皇后陛下に育てられた。

 私の血縁者には幸せになってほしいの。

 シャルルはまだまだだけどこう見えて頼りになるのよ。

 私の勝手な願いではあるけれど、縁の貴方にも幸せになってほしいの。

 シャルルと結婚しても、しなくてもね」


初めて聞く御祖母様の過去です。

なんだか幸せそうな三人を見ていると心が温かくなります。

御祖母様が僕をそんな風に思ってたなんて感激です。


「じゃあ明日は天気が良いようです。

 ここは狩りにはうってつけの場所。

 明日参りましょう。

 丁度オルファン帝国のエリザベートからオルファ

 ンの最高級の名馬が二頭譲られましたの。

 それは見事な馬ですよ」


トリアの瞳がキラキラ、いやギラギラしてます。

それはそうでしょう。

オルファン種の馬は大変人気があります。

オルファンは元々定住しない騎馬民族で、馬の生産は国を潤す金銀に匹敵する破格の財源だそうです。

良い馬は戦争に欠かせないのでおいそれと売ってくれませんでした。

挿絵(By みてみん)


そもそも敵対国だったので、フェレイデン連合国では入手困難でした。


伯母様がお嫁にいってからようやく上質の名馬が入手出来るようになってきましたが。

カイゼリンとカイザーはその貴重なオルファン種の名馬です。


「是非お供したいです。皇后陛下」


「参りましょう」


御祖母様は馬でトリアを釣るつもりです。

絶対に!



知らないふりしておきましょう。

だってそのほうがフェレイデンにトリアが来てもらえるし。

って、考える僕はやはり御祖母様の孫ですね。




御祖母様が言っていた通り狩猟当日は柔らかな風が吹く薄曇りだが、暖かい天候で丁度良い狩猟びよりだった。


流石にトリアの御祖母様はお年なので、馬車で移動されテントで見学されるだけだったが、連れられたオルファン馬に騎乗している良く知る人がいる。


「御母様?」

しかも侍女二人だけ連れてなかなか見れないおひとりさまの御母様だ。


「シャルル おはよう」

その声は晴れやかで家ではあまり見た事ないほどの楽しそう顔は満面の笑顔です。


「おはようございます。 御母様」

なかなか一人で外出もままならないですものね。


そう言うと隣のトリアの目線が気になり横目ちらりと見てみました。


あぁそうだった。

トリアも御母様の崇拝者でしたね。

目がとろ~んとしていて頬は紅潮しています。

「あぁ~お会いできるなんて……幸せ」


母を褒めてもらえるのは嬉しいですが、恥ずかしさのほうが勝ります。

けれど御母様ナイスです。


「初めましてシャルルの母のアレキサンドリア・ディア・フォルディスです。

 今日はよろしくね」」

にっこり微笑み姿は僕には愛の女神様に見えます。


「~~あっ宜しくお願いします。あ!お会いできて嬉しいです。

 私将軍のファンなんです。」

ウキウキ度が声に瞳はハートマークが出ています。


御母様は恥ずかしそうに照れています。

御母様の隣で御母様がしてやったりの得意顔を僕は見逃しません。

絶対御父様の反対をねじ伏せて同行させたのだと思います。

御祖母様ナイスです。

ダブルヘルプを受けて超ラッキーな狩猟になりそうです。


僕とトリアの愛馬今日は静かです。

いや静かというより。

二頭の様子がいつもよりなんか違います。


お互いいないような意識が別の所にいっているというか。


カイゼリンは御祖母様の馬の姿をひたすたじ~~~とみています。

御祖母様の馬は雌かなり美人馬

赤茶色の艶々した毛並み。鬣も長くて風に吹かれてなびいています。

瞳も綺麗でしなやかな足、胴体も筋肉が適度について美馬です。


え~~鼻息も荒いしこれは!!

完全にラブモードです。

近くによって離れません。困るんだよね。いいとこトリアに見せたいのに。


ちらりとトリアを見るとカイザーも御母様の馬に釘付けだった。

御母様の馬は濃茶色の艶やかな毛並み足はしっかりとして胴体も筋肉のしったりついた全体的にもバランスのいい品良い大人しい馬です。


カイザーもゆっくりさりげなくその馬の近くによっていきました。


あぁ~近くにいてほしいのに。

皆馬上に乗りいざ狩猟の森を目指します。


「天気よくてよかったね。

 獲物数で競争しない?」

僕はゲームの続きをトリアに誘う。


「えぇ。いいわよ。私得意だから負けないわよ」

太陽の様な笑顔を見せたトリア。まぶしすぎるよ。


「やった~~じゃあ勝ったら負けた方の言う事を一つ聞く事。」

実は僕勝手良からぬことを考えています。


「OK」

ヴィクトリアーヌのOK可愛いです。

僕を越して綺麗な黒髪のポニーテールがピョンピョン跳ねて可愛いです。

僕だいぶやされてますね。


挿絵(By みてみん)

しばらく平原を走ると小高い丘があらわれて少しすると森が姿を現す。

挿絵(By みてみん)

杉、檜、白樺そのほかにも落葉樹や木の実がなる植物が沢山あります。

木々の葉から太陽の木漏れ日がキラキラして綺麗な萌黄の色のする緑が目に優しい。


「さあ二人一組になりまいりましょうか?」

御母様が御祖母様、僕とトリア。

トリアの御祖母は泉の場所で休憩用のテントを立ててゆっくりされる事にされるそうです。


四人、馬の歩みをすすめる。僕達は左、御祖母様達は右に進みます。


カイザーとカイゼリンが不服そうですが、以前のようないがみ合いはないもようです今の所は。


しばらく行くと茂みがわずかに動きます。

二人止まり、その茂みを注意深く見る事にします。


トリアが銃を構え緊張が走ります。


銃口をその動いた場所にむけました。

照準はその場所にあわせる。


あれ茂みは低く兎か狐?何かの小動物か?

基本的に狩猟は森の生態系が狂うのを防ぐ為、その季節によってある程度の種類や数を調整して狩りを行います。

今年は鹿と狐が多く兎や狸などは少ないと報告を受けています。

近くで銃声がしました。御母様か御祖母様でしょう。

その音に驚いたその茂みの元もさっと動いてその姿を見せました。


狐だ。


トリアがとっさに判断して茂みから出た狐に向けて引き金を引いた。

パッン!パアッン!!

銃声がなると確実に狐に命中し絶命した。


「一匹目ね。」 

侍従が狐を荷台に運ぶ。


じゃあ奥に行こうか。


二人で小道を渡ると右側の奥に角らしきものが見えます。

僕が銃を構えて、その正体を見極めます。

その角は上下に動いています。照準を当てて。


「あっ」


鹿です。ゆっくり動きを確認してから引き金を引きます。


「パッン パン パン」


連れてきた猟犬が一斉にその方向を目指します。


「行こう!」

二人で犬のいる位置を目指し獲物の傍に行くと鹿が絶命しています。


「一頭目」


トリアが悔しそうにして獲物を見ています。


その時さらに右側の奥の方で獣の鳴き声がした!


トリアは馬の進路をその声の方に向けて走り出した。


「トリア!」

僕も続く、ものすごい速度。確か初めて会った時もすごい速度で走ってましたね。


僕も後ろを続きます。


トリアが獲物を見つけました。


「あ!あの時に大鹿」


見つけましたが、あちらもこちらに気付いたようで方向転換して反対側に走り出しました。


トリアもそれに続こうとしました。しましたが!


どうやら進路を僕が塞ぐかっこうになり。


「あっ!これ」

僕が言った後あの一言がトリアから発せられた。


「大公子様 邪魔しないで!!」


はぁ~~~~僕何も言えない~~~


勢いよく走るカイザーの後を追いかけます。

今回はカイゼリンがんばり横に並んで爆走します。

トリアは走りながら照準を大鹿に合わせています。


「パッン パン パン」


大鹿は大きな音と共にバサッと倒れてしまいました。


プロじゃんトリア

すごすぎるじゃん僕完全に相手にならないと思います。


脱帽です。どうやら僕がトリアの言う事を聞かないといけない事になりそうです。

次回は最終回です。是非お楽しみくださいませ。

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