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意外な顛末……二人の運命は? 弓遊び編

結婚回避に向けて二人は巧妙な計画を立て計画を実行していきます。

接待という名のお見合い的な状況になってしまったシャルルとヴィクトリアーヌは相談の上ある策を講じて乗り切る事にします。



僕とヴィクトリアーヌの話し合いでこれから一カ月間廻りの期待通り交流を重ね合った後に、頃合いを見計らいヴィクトリアーヌが体調不良で倒れるという筋書きで話をつけた。


だから二人で共通の趣味をとおして過ごす時間を取る必要があった。

いうのも副執事長は毎日宮殿へ二人の報告義務を負っているからだ。


本当に御祖母様はやる事に抜かりがない。


「僕の趣味は乗馬・弓・ゲーム・リュートの演奏・吟遊詩人の鑑賞」


「私の趣味は乗馬・狩猟・弓・ゲーム・読書です」


どうやら男子が好む趣味を一通り好きなようだ。

同一趣味の弓場へ二人で遊ぶ事にした。


そもそも弓は男性の趣味というより実益だ。戦争になれば弓の攻撃は必須だから必ず必要な武術だ。

これには自信がある。


縦長の広い芝生の弓場は裏庭に併設させている。

遠くに的が置いてこれを左右に二つ用意させて弓を射っていく。


二人は動きやすい服装で弓場に並んだ。

ヴィクトリアーヌの瞳はキラキラとし本当に好きそうです。

まずは僕が弓を持ち、矢を掛けて弓を引く。

この緊張感の一瞬が好き無心で的の一点をのみを見て射的する気分がいいスカッとする。


的に向かい空に弧を描く弓なりの軌道を目で追いながら順調なその動きがゾクゾクして気持ちが高揚する。


案の定当然の如くドンピチャで中心近くに当たる。

弓場の責任者がその的を確認してこちらに〇と合図をくれる。


「よし」


とりあえず面目は保たれた。


「次は私ね」


瞳がまじです。

獲物を狙うそう雌豹のような……。でも見ていて嫌なかんじはありません。

そもそもこういうタイプの女性には会った事がありませんが。


何せ皇女・王女とわず令嬢と言えば僕をハートの瞳で見つめているか。

胸元をほぼほぼ出たドレスで僕を誘惑しようと満々で来る人ばかり。

突然泣き出したり、失神したり僕の興味を誘おうとしたりあの手この手でアピールするのでそのたびに面倒な態度を取らないといけません。

本当にめんどくさいデス。

無視するとついたあだ名が「氷の公子」好きにいったらいいです。



そういえば今日の彼女は男子の軽装で活動しやすい服装です。

白いシャツにダークブラウンのパンツに黒のブーツ、皮の胸当てが本気度を現しています。

綺麗な髪も一つ結びに下ろしています。

切れ長で一見冷たそうですが、僕を寝ずの看病をしてくれたそうなのできっと本当は優しい人なんでしょう。


なかなか弓を引く姿は様になっています。

戦に出ても御母様並みに活躍しそうです。

右腕を大きく後ろに引く作法は美そのものでしょう。

弓の名手で狩りの女神アルテアを総譜とさせます。


ビュンという音がなったかと思うと矢は吸い込まれるように的へと向かいます。


カンッという音が鳴った後、やはり弓場責任者が見に行った後大きく〇を二回合図しました。


これはド真ん中に的中の合図です。


本当ですか?すごい腕です。


彼女はすっと背筋を伸ばして満足そうに微笑んだ時、温かい風が吹いて綺麗な長い黒髪が揺れています。


ちょっとなんだか今まで感じた事のない何気ない女性の所作とその光景に胸がチクリと痛んでいます。

なんというか針でプチッと突かれた様な変な気持ちです。


次は出会いの乗馬に。カイザーとカイゼリンの愛馬は大丈夫なんでしょうか?

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