突然の訪問者はなんと婚約者候補?
ブックマークありがとうございます。
今回は短めアップ連載予定です。
あんぐりと文を読み終えて呆然としていた僕を今度は副執事長が呼びに来る。
この別荘には常勤の執事は一人あとは召使だけで管理している。
なので本宅の副執事長が何故か目の前に現れてびっくりしているのにその副執事長は間髪入れずとんでもない一言を言い始めた。
「大公子殿下
皇帝陛下の客人こちらにすでに到着されて門前にいらっしゃいます!」
はあ~~????
もう~~勘弁してこんな時に非常識な!!
「はあ~ とにかく馬車を入れて」
溜息をつくとさらに追い打ちをかけるようにとんでもない事を言い始めた。
「それがいましがた一人で馬に乗っていらっしゃいました。
どうしましょ??」
「まじか? とにかく門を開けてすぐに居間にご案内して。
それと馬は馬小屋へ。」
嘘でしょう?
なんでこんな時に。こんな状況で。勘弁してください。
とりあえず客人を副執事長に居間へ案内させて待ってもらう事にします。
僕は私室に戻り汗を布で拭いて、ぺパーミントの香水をふる事にしました。
用意させた軽食と飲み物をつまみながら召使たちに正装の身だしなみを整えさせすみやかに居間の扉を開けました。
皇帝陛下の客人で誰でしょ。
文にもなかったよな…と思いつつ居間のソファーにかけているその人を見つけました。
女性?え!!
そこに座っていたのは女性です。
綺麗な漆黒の艶やかな髪は右側で軽く束ねられ造花の花が所所飾られています。
うりざね顔の形のいい輪郭の少し焼けた肌が健康的な印象でした。
右側が黒い瞳で左側は少しライトブラウンのドットアイのようでした。
芯の強い輝くような瞳です。
すっと通った鼻筋は高くその先の唇は小さくぷっくりしています。
全体的に知的でエキセントリックな印象の貴族女性おそらく。
その人は僕を見るたびに驚いたような表情をしたかと思ったら、同じくらいの速さで大きなため息をつきました。
はい?
溜息ってなんでため息つかれないといけないんでしょうか?
困惑している僕にむかって次に言い放ったのは信じられない一言でした。
「大公子殿下 ちょっと邪魔しないで!」
その一言に聞き覚えがありました。そうそう
あの僕を追い越して「ちょっと邪魔しないで」発言したあの女性だ!
目がまん丸になり、何も話せない。
いや脳に信号が流れていない。なのでぜんぜん思いつかない一言が。
頭がまっ白というが、まさにこの状態でした。そういう事でどういう事か!
無理誰か助けて!固まる僕を見かねた副執事が耳元で助け船を出してくれました。
「皇帝陛下はアファルキア公国の公子殿下の公女様を接待するように仰せです」
「はア??公女?アファルキアの?公女………」
大きく叫んだ後もう遅かった。無意識に口に出していました。これ貴族社会では反則です。
だって………。
その彼女は目線を外して明らかに明らかに呆れたように腕組しながら言った。
「はあア~~大公子殿下……私からは断れません。
殿下からフェレイデンの皇帝陛下に断りのお話を」
と言い出した。さらに僕は目が点だ。何を何を何を断れと??
「誰か助けて。意味がわからない!!」
見かねた副執事長は咳払いをして僕に耳打ちした。
「皇帝陛下が皇命をお出しになりました。
アフェルキア公国の公家と縁組とお考えのようでございます。とりあえず二人の顔合わせの為にこのような状況のようでございまして。
しかしお相手の訪問日が早すぎますが。本来は三日後の予定でございました」
嘘でしょ!
そんな時だ。
外が突然あわただしくなりました。
「ヒヒッ~~~~~~ヒヒッ~~~~~」
「ブルブル……ブルッ」
「ライゼリン?」
「カイザー?」
二人は同時に扉の外へ出て。その馬の声の元へ駆けつけた。
さあどうするこの婚約?