第31話〜霧の中の遠吠え〜
今回の、お話は第31話〜霧の中の遠吠え〜です
前回同様 アキラ視点で、物語が進行します。
それではお楽しみください。
アキラ視点
「やっぱりアクアロスできたか」「そっちこそ、前と変わらずラースのまんまじゃない」アクアロスは、姉ちゃんの相棒尖玩で、獅子型の水族性の、尖玩だ。
「アクアロスウォータースピンよ」「ラース…フラッシュスピン」{{ウア゙ァァァァァ}}
ブルルルルル…ピヒューン
俺たちにとっては、まいどお決まり回転攻撃能力同士のぶつかり合い。
「今度はこっちから仕掛けるぞ。ラース…サンダークロー」{ウガァァァァァ!!}
バリバリバリバリ
「アクアロス、クローカッターで迎撃よ」{ウア゙ァァァァァ!!}
ジキシッ…ジキシッ
ラースのサンダークローとアクアロスのクローカッターが、俺たちの眼前でぶつかり合う。
ジリジリ
という、何かをこするような音が耳を打つ。
虎と獅子は昔から姿形が似ているからか、何かと張り合うことが多く、昔から仲が悪い。
「なかなかやるね。姉ちゃん」「アキラも1年前よりかなり腕を上げたじゃない」と、俺たちも軽口を叩き合う。その時だった。
[ウォーーン]と、狼の遠吠えのような声がどこからともなく聞こえてきた。「姉ちゃん…今、何か聞こえなかった?」「え…何も聞こえなかったわよ?」という返事が、帰って来る。
気のせいだと思っていると、また、[ウォーーン]と、遠吠えが、聞こえて、今度は聞き間違いじゃないと、確信できた。
俺は、遠吠えが聞こえた方向へ全速力で、走り出す。
{待テ、アキラ!何処に行くつモりダ!!}と、後ろで、ラースが、騒いでいるが、そんな事俺の、知ったことではない。
「とにかくアキラを、追うわよ。アクアロス!」{アァ…心得た}と、姉ちゃんは、アクアロスに乗って、ラースと共に俺を、追いかけた。
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遠吠えが聞こえた方向に、山道を、走っていると不意に、広大な草原に、でてきた。
「ここはどこだろう?ラースや、姉ちゃん達ともはぐれちゃったし…」と呟きながら、辺りを見回しつつ歩いていると、[ウォーーン]と、また、さっきの遠吠えが、聞こえた。
振り返ると、霧の中から、1匹の狼が、現れ、[ウォーーン]と、遠吠えをすると、辺りに、立ち込めていた霧が、徐々に消えていき、周りが見えてきていた。
ふと足元を見ると、尖玩ディスクが、落ちていた。
「おーいアキラー!」姉ちゃんの声が聞こえる。
そっちを見ると、姉ちゃんを乗せたアクアロスとラースが、こっちに向かって、走って来ている。
「姉ちゃん、急に走り出してごめん」「本当よ。全くどれだけこっちを、心配させたら気が済むのよ」姉ちゃんは、アクアロスから、降りると俺を抱きしめて泣いていた。
姉ちゃんの初めて見るその表情に俺は、「ごめん」と短く返すしかなかった。
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次回は第32話〜ルピシアン〜を、投稿予定です。
それでは、次回もお楽しみに!




