9 企画倒れ
随分前の事、同人の真似事をチョロっとやっておりまして。
ゲームの二次創作とかで本を作ったり、他ジャンルの人達と仲良くなったりとか楽しかった記憶があります。
当時、同人音楽にハマっておりまして。
その頃はまだボカロとか無い頃で、同人音楽と言ったらゲーム音楽のアレンジとかセミプロっぽい歌い手さんがゲーム主題歌を歌ってたりと。
そこから実際プロになった人もチラホラいたみたいですが。
そんな中、知り合いになったサークルさんのCDジャケットを描かせてもらい、同人ショップの棚に自分の絵が並んでたのは良い思い出です。
まあ、今では上手い人が腐る程いるので、とてもじゃないけど自分なんかのレベルでは恥をかきますわ。
それはさておき。
同級生で声優の専門学校に行って、どこかの事務所に入ったんだか別の養成所に通い直したんだか知らないが色々やってた奴がいまして。
ある日、そいつから『イラストレーターを紹介して』とのメールが。
今で言えば、絵師ってやつでしょうかね。
詳しく聞いてみると、何やら同人ノベルゲームを作るとの事らしい。
あらすじを教えてもらったのだが、お世辞にも全く興味を引かれなかった……。
そこは声優の演技や音楽、絵でカバーしたりするのだろうと思い、当時知り合いだった同人描きの人を紹介したのだが、その後なんの音沙汰も無し。
紹介した手前、気になって絵描きの人に聞いてみたのだが、まったく進展が無いとの事。
結局そのままウヤムヤになってしまったみたいだが、後年になって紹介してくれと言ってきた奴に話を聞く事が出来た。
彼曰く、声優養成所の仲間内で話が盛り上がってゲームを作る事になったそうな。
いざスタッフを募集してみると、声優希望は速攻で集まるのだが、それ以前に根本の制作担当やらの人が全く集まらなかったとの事で、そのままお流れになったとか。
……まさかとは思うけど、無償で集めようとか思ってたりしてたんじゃないよなぁ。
そういえば、当時の別の知り合いにも同人ノベルゲームを作る、と息巻いて冒頭のみの試作版まで作っていた人がいたけど、それっきりだったなぁ……。
面白かったか?と聞かれれば『まったく話の意味が分からない』としか答えようがないストーリーであったが。
余談だけど、当時の同人関係の知り合いは就職やら転勤に結婚等で同人活動からみんな足を洗ってしまい、誰一人として付き合いは無くなってしまいましたとさ。
別の趣味でもサークルとかやってた事があるけど、そちらも今では付き合いがほぼ皆無であったりする。
なんだかんだで、社会人になってからの友達作りは難しいというお話。