8 一人旅がしたくなる
夏休みが取れないでございます。
今の職場は盆暮れ正月関係無しに平常作業なので、盆休みが無いのです。
無理やり取ろうとしても、週の真ん中にぽつんと一日とかで、休んだ気にならんのです。
お得意先の中には、三週間ガッツリ休む所もあるけど、そういう所は普段が激務なので何とも言えませぬ……。
そういえば、前の職場でのお得意先でも外資系とかあって、夏休みを一ヶ月取るとかで、流石は外資系とか思ったなぁ。
それはそうと、九月に数日間暇になる週があるので、そこで夏休みを取ろうかと思いまして。
もっとも、九月じゃ夏休み気分にもなりません。
幸いな事にサービスする様な家族もいないので、好き勝手に休むだけなんですけどね。
そんでもって、このご時世である。
以前よりは、外出控えも騒がれなくなってきたけど、遠出するには気を使ってしまいますな。
一昨年の全国的なコロナ自粛が始まる直前ぐらいだったか、観光地に人がいないとの報道で思い立って二泊三日で京都旅行をしてしまった事がありまして。
そりゃもう、往復グリーン席取っての贅沢な一人旅ですよ。
……宿は普通のビジネスホテルですけどね。
駅に着いた途端に感動しました。
空いてるんですよ。駅構内のコインロッカーも選り取り見取り!
邪魔な荷物を突っ込んで、いざ出発。
ほとんど計画も立てないで来てしまったので、取り敢えずは清水寺って事でバスに飛び乗る。
いくら空いてると言っても、バスの座席はそこそこ埋まってました。
数年前に友人と訪れた時は、丁度拝観時間が終わってしまっていて拝観出来なかったのが心残りだったのです。
まあ、歩きやすい事この上ない。前回に来た時は外国人だらけだったのに、海外の観光客がほぼいない。
修学旅行生は、まだチラホラいた感じであったが。
清水の舞台も見放題!
音羽の滝も並ばなくてOK!
金閣寺撮り放題!
龍安寺の石庭もゆっくり見られる!
仁和寺ほとんど誰もいない!
琵琶湖疏水記念館のドラム工場は、時間過ぎてたので見られなかった!
まぁ、そんな感じで一人旅を満喫していたのだが、食事はちょっと悩むところ。
気にしない人は気にしないのだろうけど、観光地って一人では入りにくい店とかって割とあると思うのですよ。
結局、夕飯とかは面倒なので、チェーン店とかで済ましちゃいましたけど。
でもって、宿に戻る途中で隠れ家みたいな凄い良さそうな店を発見して悔しい思いをしたり。
ちなみに先斗町は、普通に混んでました。それでもコロナ前よりは空いてたのだろうかは、分かりませぬ。
嵐山も駅前からかなり混雑で、渡月橋を見物して退散。
空いている場所と普通に混雑している場所がまちまちな印象でした。
まあ、今では観光客もかなり戻ってきているだろうから、あんな快適な京都旅行はもう出来ないでしょうね。
それはさておき。
コロナ前の話ですが、九月の平日に夏休みを取った時があったので、その時は東北へ二泊三日のドライブ旅行をしました。
パワーの無い車でひたすら山道を上ったり、マイナーな寺社仏閣を参拝してみたり。
その時もやっぱり、食事は適当になっちゃうんですよねぇ。
長時間運転してると、緊張感なのか意外とお腹が空かなかったり。
その時は、一日目は奮発してテレビにも紹介される老舗温泉旅館に泊まってみました。
ちなみに、一人客だと宿泊料金が割り増しになるのが痛いところ……。
それでも建物に赴きがあって大興奮したり、中庭が綺麗、食事が大変美味だったり、個人風呂入り放題と色々至れり尽くせりで大満足なのでありました。
二日目もひたすらスカイラインを走り抜け、火山ガス地帯を通ったりして山を越えた別の温泉旅館に宿泊でございます。
こちらは、逆に安い宿を予約。
予算的な都合ではなく、単に温泉の泉質が素晴らしい宿なのです。
源泉かけ流しで、湯の花が物凄い(掃除をしてないとも言う)。
同じ温泉街でも、他の宿とお風呂が一味も二味も違うのです。
宿に入っては、別の意味でも感動。
天井には雨漏りの染みがあるし、全体的に掃除も行き届いてないし、部屋のコンセントが少なくて凄い不便。
トイレは共同、食事は冷めてる、窓からの景色は残念で、夜中に幽霊出そう。
周囲からは、泊まる順番が逆じゃないかとも言われたけど、こういうのも一人旅ならではの醍醐味だと思うのですよ。
誰かと一緒だと申し訳ないけど、安い方の宿はとてもおススメ出来ない。
一人だと高かろうが安かろうが自由に泊まれるのです。
まあ、旅の思い出を誰かと共有出来ないのは、一人旅のデメリットでもあるのだけど。
もっとも、本当に一人旅が好きな人は、そんな事を気にしないと思う。
余談だが、先述の安宿はとうとう廃業してしまいました。
あの昭和に取り残された感が好きだったけど、やっぱりこのご時世では難しいのでしょうね。
綺麗でお洒落な宿には無い魅力もまた良いのです。
そんなこんなで、一人旅がしたくなったというお話。