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赤碧玉

仮面屋

作者: 切咲絢徒

「いらっしゃい! いらっしゃい! 人気絶頂中の『美男美女になれる仮面』だよ! 早くしないと売り切れちゃうよ!」


 最近、美男美女になれる仮面というものが爆発的に売れている。そのせいか、街には確かに美男美女が跋扈しているが、その仮面を外せばそのままなのかはまた別の問題である。

 少し前にこの仮面が流行り始め、今では街ゆく人ほとんどがこの仮面をつけている。かくいう僕もつけている。だから、この仮面をつけることに何か言うのは俗に言うブーメラン発言と言うやつだし、そういう話をしたくてこんなことを考えているのではない。

 街ゆく人ほとんどが、と言ったけどつけてない人もいる。60代よりも年齢のありそうな人達がこの仮面をつけていることは見かけない。つけていても、美男美女に見えるかと訊かれると首を傾げる他ない。仮面に覆われていない目から彼の年齢がわかるから、不出来な顔には見えないが、「美」をつけるほどの顔ではないような気がする。

 さて、この仮面。今はとても手に入りにくい。需要が高まりすぎて供給が追いついていないのがその原因だ。だから、若くても仮面をつけてない人は意外といる。これは仕方ないことだ。

 政治家なんかもこの仮面をつけているが、あんまり効果はないような気もする。なんというか、仮面が小さすぎるような気がする。政府はどうやらよほど、国民を美男美女にしたいらしく、挙句の果てに全世帯にこの仮面を配るほどにまでなった。


 人間、目だけなら誰でも美男美女とはよく言ったものだ。

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