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この国で生きていく

エミリーとアシュリーと言う、イギリス人の双子の姉妹が緑を助けてくれる。

この二人から、ローク王国のことや言葉を教えてもらい、この国のことを少しずつ理解していく。

次のステップは女王に会うことだ。

~とある国の草原~

草の匂いがして私は飛び起きた。

「ここは…どこ?」

周りを見渡しても、見渡す限り岩と草原しかない。

しかし数キロ先を見ると聳え立つ城の一部が見えた。

「あそこに向かって歩くしかないよね…」

私は決意し、城に向かって歩き出した。

数時間後、のどもカラカラで、お腹もペコペコという状況で、城が見えた街の門の前までたどり着く。

「3uqfq@;?]

何処か聞きなれた言葉を聞きながら、私は意識を手放した。

その後目を覚ますと、木製の天井が目に映った。

「あぁ、起きたのね」

そんな英語を話したのは、金髪で短髪の美少女であった。

「あっ…ウっ」

何か答えたいが、のどが渇いてうまく言葉が出ない。

「エミリー、この子喉がかわいているよ。」

「あら、本当ね。アシュリー、私水を取ってくるからその子を見ていて」

エミリーと言われた人は、さっき私の傍にいてくれたアシュリーと言われる人とそっくりだった。

多分双子なのだろう。

「はい、お水。無理しないでね。」

エミリーと呼ばれた女性が私に水を持ってきてくれた。

その後飲み終わり、私は彼女たちに疑問をぶつけた。

「あの、ここはなんて国なんですか?それに全くわからない言語を話している人が…」

そう矢継ぎ早に聞くと、エミリーは驚いたようにこう言った。

「待って待って、少しだけ落ち着いて。」

とたしなめられた。

「すみません。困らせてしまって。」

「えっ、そんな顔しないでよ~。エミリーそんなきついこと言ったら彼女もっと混乱するよ。」

「あっ、そうね…貴女もこちらにさっき来た人間なのよね?ごめんなさい」

謝られるとそれはそれで少し複雑な気持ちになってしまう。

でもこの二人にこの世界のことを聞かなければ、この国で生きていけなくなる。

「すみません。何回も聞いてしまうんですが、ここは何処なんですか?」

「あ、そうよね。ここのことよくは知らないわよね」

「はい。ここが異世界ということぐらいです」

「あら、なら話が早いわ」

そう言って、エミリーさんは足早に何かを取りに行った。

「これは、この国の地図よ。ここは、ローク王国と言って、この国の言葉で岩の国って意味よ」

成程、だからこの国はどこも岩に覆われているのか。

勝手に納得していると、アシュリーさんが私に質問をしてきた。

「君、すごく流暢に英語話すけど何人?」

「日本人です。アメリカに留学しようとして乗った飛行機の事故でここに来たんです」

「なるほど~それは…本当に不幸な話だね。でも凄くうまいからビックリした!!」

そんな風に和やかな雰囲気で会話をしていると、エミリーさんがハッとした顔をした。

「私の自己紹介がまだね。エミリーよ、そこのアシュリーと湖で遊んでいたら、落ちて溺死したの」

「そのアシュリーが私~、あと私達はイギリス人だよ」

二人はよそよそしくしないで話して、と釘を刺してきた。

「私は、田中緑です。助けていただき、ありがとうございます。」

自己紹介が終わったあと、私はもう一つ質問をした。

「あの、この世界ってどんな言葉と文化なんですか?」

そう聞くと、エミリーはすらすら話し出してくれた。

「この国の言葉は、英語に似ているのよ。文化も多少似ているところもあるわね」

成程、英語に似ているから私も聞き覚えがあったんだ。

ロークとロック?ここが似ているのかな?

そんな風に私が考えていると、メアリーはニコッと笑った。

「良かった、なら私達が少しこの国の言葉を教えたら、すぐにある人に合わせたいの。」

そういって私の手を取った。

「は…はい!!あの、その合わせたい人とは誰ですか?」

会わせたいなんて、いったいどんな人だろうとぐるぐる考えていたらアシュリーさんがサラっと

「この国の女王。ローク・チェイスだよ。」

「そうよ、この国の女王に会うの!!私達もここに来た時に女王には会っているのよ。」

この二人はサラッとそんなことを言っているが、少し待ってほしい。

「そっ…そんな。私、日本のただの学生ですよ…シリアルキラーを勉強していた学生だったんですよ」

「へ~、シリアルキラーなんてすごくマニアックだね~。そういえばこの国にも警察みたいな組織はあるけど連続殺人者の検挙率は少ないよね、メアリー?」

「そうね、この国では銃なんてものは発明されていないからそこまで多いわけではないけど、ほかの国に比べれば群を抜いて多いわ。」

二人は、私が学んでいた事に興味を持ちだし、こんなお願いをしてきた。

「「シリアルキラーを捕まえる機関を作りたいの、お願い貴女(君)の力を貸してほしいの」」

「女王に会うだけでも手一杯なのに、そっ…組織の顧問みたいなのにもなるんですか!」

「そうよ!!いいことでしょ、緑もこの国での職を貰えるのよ」

「たっ…たしかに。そういえば、二人はどんな職業なんですか?」

「そんなよそよそしくしないでよ~、私達は女騎士団の団長と副団長」

「元は、魔王を倒すべく、勇者と旅をしていたんですよ」

そっ…そんな壮大な冒険をしていたなんて。凄すぎる。

「あと、私達は恩恵で頑健なんて物貰ったけど、緑は何かもらった?」

恩恵?なんだそれ?そんなのもらった記憶はない。

「貰って…ないです」

そういうとエミリーが口を開いた。

「語学スキルを持っていない時点で、なんとなくわかってはいたけど」

この二人には語学スキルがあったのか…そのスキルだけでもくれれば。

「まあ、この国のことを何も知らないのは駄目ね!!私達と買い物に行きましょ!!」

「それはいいね!!君に教えたい所がたくさんあるんだ~。」

そう言って彼女達は身支度を整え始めた。

「そういえば、この国の服を持っていないわよね?なら、この服を着て!!」

そう言ってエミリーは私に茶色のロングスカートを渡してきた。かわいいというよりは、少し大人びたもので着やすく心地いい。

「ありがとう。準備できた。」

「かわいいね~君落ち着いた色本当に似合うね!!」

この二人はめまぐるしく動き回り世話を焼くことが大好きなようだ。だがすごく優しく安心できる。姉がいたらこんなんなのかな。

そしてその後、二人と食事をしたりこの国の言葉を学んだりして三か月の時が過ぎた。

この国の言葉は驚くほど英語に似ており、習得するのに全く時間はかからなかった。

今では日常会話やジョークなども叩けるほどに成長した。

「緑、明日ついに女王に会う時が来たわ!!」そう言いながらメアリーはスープの皿を持ってきた。

「えっ、ついに会う時が来たの?なんだか緊張するな。」

「あ~女王は少しきつそうな人だけど、決して悪い人じゃないよ~」

「そうよ緑、女王は少し冷酷な面はあるけど、割と明るい人よ。」

二人は口々に女王のことを話し始めた。メアリーとアシュリーが語る女王は、少し冷酷だが優しい一面のある優秀な統治者であることだ。

「なんだか、会うのが楽しみになってきたな。」

こうして明日に向けて私はいつもより早く寝ることにした。



緑の適応能力は意外と早いです。

次回は女王との対面になりますが、もう少しお付き合いください。

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