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ハズレスキル『ガチャ』で追放された俺は、わがまま幼馴染を絶縁し覚醒する ~万能チートスキルをゲットして、目指せ楽々最強スローライフ!~  作者: 木嶋隆太
第三章

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第16話


 スフィーとともに森を移動しながら、一つのことを考えていた。

 それは、スライムの変化についてだった。


「スフィー、さっきスライムがワーウルフの鎧みたいになっていたんだけど……」

「ええ、私たちスライムはそのくらいの変身なら問題なくできるわよ」

「そうなんだな。スフィーも可能なのか?」

「ええ、試しにやってみせましょうか?」

「そうだな」


 戦闘の幅が広がるかもしれない。

 俺がスフィーに頷くと、スフィーはそそそ、と俺の傍へと寄ってきた。

 それから、ぴとり、と彼女は腕に抱きついてきた。


 それはまるで恋人同士が腕を組むような感じだ。


「スフィー? これは必要な行為なのか?」

「ええ、もちろんよ」

「そうなのか?」


 肩に頭を載せてきたスフィーに疑問を感じた俺が近くのスライムに問いかけると、彼はふりふりと首を横に振った。


「必要ないですね」

「おい、スフィー」


 俺が引っぺがそうとした次の瞬間、彼女が俺の体へとまとわりつくように変化した。

 俺が身に着けていた服へと変化し、完全に一体化した。


「お、おお」


 俺は感動して声をあげる。

 自分の服へと手を触れてみる。試しに触れてみたが、ふにふにとした柔らかな感触だ。


「いやん、もうえっち」

「何がだ?」

「いま、私のおっぱい触ったのよ、もうー」

「……」


 スフィーがそんなふざけたことを抜かしていた。

 どこ触ってもスフィーの感触は変わらないな。

 スフィーの分の重みがそのまま服に加わるのかと思ったけど、別にそんなことはない。

 

 これまでと同じような感覚で動くことができる。


「スフィー、その状態で援護するように動くこともできるんだよな?」

「ええ、試しに戦ってみる?」

「そうだな」


 俺は感知術を発動し、近くに魔物がいないかを索敵する。

 しばらく歩いていると、ウルフを発見した。

 こんなところに珍しいな。


 ウルフは一体のみで、こちらに気づくと警戒した様子で唸り声をあげる。

 俺は剣を構え、それからスフィーに声をかけた。


「それじゃあ、スフィー。援護頼む」

「ええ、分かったわ」


 俺がウルフへと迫ると同時だった。俺の服から一部が離れると、ウルフの方へと水玉が放たれた。

 凄まじい速度だった。

 ウルフも驚いた様子で、横へと跳ぶ。


 俺がその背中を斬りつけるように剣を振るう。ウルフはギリギリでかわそうとしたのだが、俺の服から分離したスフィーがウルフの体を掴むように液体を放った。

 それがかかって動きが拘束されたウルフを、俺はあっさりと斬ることができた。


 なるほど。確かにこれは便利だ。


「どうかしら、クレスト」

「これは思っていたよりも、ずっと凄いな」


 ウルフは俺の攻撃に驚いていたが、それもそうだ。

 予備動作なく、あれほど攻撃を繰り出されれば、そりゃあ驚くというものだ。


「ふふん。ありがとう、もっと上位のスライムになると宿主の意思をくみ取って、スキルテレパシーのように会話しながら攻撃できるようになるらしいわ」

「そこまでなったら敵なしだな」

「そうね。とりあえず、もうしばらくこの状態で行ってみる?」

「いや、もう十分能力は把握したから大丈夫だ。スフィーは自由にしていいぞ?」

「え? そんなこと言わないでよ。もう少しこうしましょ?」

「……何か意味があるのか?」

「そりゃあもちろんよ。私、こうしてクレストにずっとくっついていられるんですもの! 今度は服の上からじゃなくて、肌の上から変化させてくれないかしら!? そうしたら、クレストの汗とかもいっぱい吸収し放題だし!」

「すぐ離れろ! この変態!」


 俺がスフィーの頭部分と思われる場所を掴んで必死に何度も引っ張ると、スフィーはやがて離れた。

 不満そうにこちらを見てから、それからむすっと頬を膨らませる。


「もう、いいじゃない別に」

「……良くないっての。ほら、さっさと目的地に行くぞ」


 俺はスフィーを警戒しながら彼女の隣に並んで歩き出す。

 スフィーも不満そうではあるが、ゆっくりと歩き出した。





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