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ハズレスキル『ガチャ』で追放された俺は、わがまま幼馴染を絶縁し覚醒する ~万能チートスキルをゲットして、目指せ楽々最強スローライフ!~  作者: 木嶋隆太
第三章

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第10話


 ヴァンニャの言葉を確認するようにちらとオルフェ、リビア、スフィーを見る。

 三人ともに表情は険しい。


 ――南の地が襲われる。

 もちろん、奥地の魔物たちの本命は俺たちではなく上界だろう。

 だが、その途中で襲われないとも限らない。


「北の魔物が南に下ってくるというのは、本当なのか?」

「確定とまでは言えないが、上界を奪い返したいものは多いはずじゃ。特に奥地には、亜人だから上界を追い出されたという者たちも住んでいたはずじゃ。中には、強力な力を持つものもな。今はまだ奥地もあちこちでいざこざが起きているが、それらが統一されたとき……どうなるかはわからんの」

「強力な力、か」 

「確か、魔名を与えられるほどの力を持った存在がいたはずじゃ」

「なんだと?」


 ヴェールドももしかして……そうなのだろうか?

 確認する必要があるな。


「魔名といえば、ヴェールドも魔名を持っていた。それをつけたのはおまえじゃないんだな?」


 俺が威圧するように言うと、ヴァンパイアは涙目になりながら首を横に振った。


「……なに!? 名前を!? し、知らぬぞ! わしにそんな力はないんじゃ!」


 つまり、ヴァンパイア以外で名前をつけた存在が近くに潜んでいるというのは確定なようだな。

 席に座り直し、俺はじっとヴァンニャを見る。

 今後のことも考えれば、彼女らと仲間になっておくのは悪いことではないだろう。


 先ほどの話をすべて信じるのならば、こちらとしても出来る限りの備えをしておく必要がある。

 ヴァンパイアたちを仲間にするのは、確かにこちらにとって有益なことが多い。

 オーガ種と戦わなければならない、という問題はあるけど。


「わかった。出来る限りの協力はしよう」

「ほ、本当か!?」

「ああ。ただし、色々と今のうちからそちらにも協力してもらう。魔道具の製作に関してな」


 ぶるり、とヴァンニャの体が震え上がった。


「どうした?」

「い、いやその……な。お、オーガたちにそれはもう奴隷のように朝から晩まで働かされていたから、の」

「ヴァンニャも捕まっていたのか?」

「あ、ああそうじゃ。上手く仲間たちに逃がしてもらって……今はこうして救出するために奔走していたんじゃ」


 これまで、かなり酷い環境でこき使われていたんだな。

 彼女の震えは止まる様子がなく、リビアがその背中を撫でている。まるで子どもをあやすかのようだった。


「別に無理な作業をさせるつもりはないから、そこは安心してくれ。別に、そこまでのことはさせない。ただし、サボりすぎないようにはしてくれ」

「わ、わわ分かったんじゃ」


 そもそも、無理やり働かせてもあまり効率は良くならない。

 仕事は適切な休みがあってこそ、より効率よくできる。

 休みなく仕事しまくっても動ける人は、それ以外に何か強いモチベーションがある人だ。


 俺の言葉を聞いて、ようやくヴァンニャの震えも治まる。

 少し引きつってはいたけど、笑みを浮かべている。


 俺はそれから、魔石を一つ取り出した。

 ヴァンニャの話が終わったので、俺は次に聞きたかった質問へと移ることにした。


「この魔石はヴァンニャが作ってヴェールドたちに渡したものと同じものだよな?」


 これはリオンから回収したものだ。

 正確に言うなら、ヴァンニャではなく妖狐とやらが作ったものである。


「な、なんじゃそのまがまがしい魔力を帯びた魔石は……」


 ヴァンニャは俺の手にある魔石を見て、すっかりビビっているようだ。

 滅茶苦茶体が震えている。まあ、俺も魔石から感じられる嫌な感覚は確かにあるのだが、そこまでか?


「ヴァンパイアが造っている魔石と同じもののはずなんだが」

「こ、こんなものは作っていないんじゃよ! わしらはあくまでわずかに強化する程度じゃ! こんな魔石食べたら肉体が滅びるんじゃよ!」


 確かに、リオンは魔物化してしまった。

 そして、本来では考えられないほどの力を手にしていた。


 リオンはお世辞にもそこまで強い人じゃなかった。

 もちろん、地上にいた時はスキルを持っていない俺はよくいじめられていたが。単純な剣の腕前だけなら俺のほうが上だった。


 なのに、彼はそれまでとは比べ物にならない力を手にしていた。あれを、ただ魔石を口にするだけで手に入れられるのだから、その代償は大きい、ということか。


「でも、おまえが作った魔石を食べたワーウルフも何体か魔物のようになっていたが……」

「それは適性がなかったはずじゃ。わしは事前にヴェールドに伝えているんじゃよ。適性のない奴に魔石は絶対に使わせるな、と」


 ヴェールドは部下を駒のように考えていたのかもしれない。一時的に使えれば、仮に死んでしまってもいいと。

 体をむしばむような強化だとしても、相手を傷つけられればそれでいい。

 だからこそ、ヴェールドは魔石のデメリットを特に伝えることはせずに、ワーウルフたちに渡していたのかもしれない。


 何も知らないワーウルフがそれを利用し、そして魔物化した、と。


「……適性、か。その適性は調べられるのか?」

「わしが見れば分かるんじゃよ」

「そうか……けど、こんな物騒なもの、使いたくはないな」

「まあ、その魔石は使わない方がいいじゃろうけど……でも薬と一緒なんじゃよ。正しく使えば正しい効果が得られるんじゃ。それが、魔道具なんじゃからな」


 ヴァンニャの言うことも、確かに正しい。

 力は使い方次第で、正義にも悪にもなる。

 この魔石の力。うまく活用出来るのならば、使えるようにはしたいというのは本音ではある。

 次の相手がオーガとなればなおさらだ。 


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― 新着の感想 ―
[一言] パパとかじっちゃんとかじゃない? 最初の方だいぶ忘れてるけど、力を分ける儀式とかそーゆーことだろうから。 逃して貰った姫なのか、継いだばかりの女王なのか、普通に大人でもこんなもんなのか………
[気になる点] 魔名を付けられる存在は知ってても具体的には知らないのね。 でも、ヴァンニャに「ヴァンニャ」と名付けたのは誰なんだろう?
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