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ハズレスキル『ガチャ』で追放された俺は、わがまま幼馴染を絶縁し覚醒する ~万能チートスキルをゲットして、目指せ楽々最強スローライフ!~  作者: 木嶋隆太
第三章

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第7話

 時間はあっという間に過ぎ、夜となった。

 外はすっかり静かになっていた。

 そんな静寂を破るように、ゴブリンやワーウルフたちの声が聞こえた。


 恐らくだが、ヴァンパイアが来たのだろう。

 部屋に一緒にいたリビアがこちらを見てくる。


「それでは、クレスト様は隠れてください」

「分かった。オルフェ。あとは頼んだぞ」


 俺がオルフェにそう言うと、彼はこくりと頷いた。

 その表情には分かりやすいほどの緊張が見られた。

 反対にスフィーはのんきそのものだ。


 オルフェの隣にいた彼女はあくびまでもかいているほどだ。彼女にはもう少し緊張感を持ってほしい。

 俺は昼のうちに確認しておいた隠し部屋へと入った。

 リビアたちがベッドを動かし、その通路を隠す。


 俺は床板を少しずらして、頭だけを出す。

 面会予定のテーブルと椅子が僅かに見える。


「それでは、私とスフィーさんはあくまで後ろで控えていますから。話すのはオルフェさんに任せますね」

「……ああ、わかっている」


 オルフェとリビアの会話もしっかりと聞き取れる。準備万端だな。

 オルフェの声はどこか緊張している様子だ。

 ……まあ、あとはもうオルフェを信じるしかないな。


 しばらくして、部屋がノックされた。


「何だ?」

「ヴァンパイアのヴァンニャ様です。お通ししてもよろしいでしょうか?」

「構わない。入れろ」


 オルフェもすっかり威圧感のある声だ。さすがに指導の成果が出ているようだな。

 部屋の扉が開くと、ヴァンニャが室内へと入ってきた。

 顔までは見えない。ただ、あまり身長はなさそうに見える。


「久しぶりじゃの、ヴェールド。少し見ない間に随分と村が変化しておるの」


 声は幼く、可愛らしい。ヴァンパイアは女性のようだ。


「南を制圧した。そこに家を造るためのスキルを持っている奴らがいたからな。造らせた」


 村が変化していれば、恐らくそこに触れてくるだろうと思っていた。

 話の流れも誘導しやすいという意味もあって、村の改造も行っていたのだ。

 今のところは、想定通りだ。


 ヴァンニャが席に座り、その対面にオルフェも腰掛ける。

 二人の体の側面が見えるような位置で、俺もじっと様子を確認していた。


「それにしても、まさかここまで発展しているとは思わなかったんじゃよ。なかなか良い仲間がおるようで……とにかく、手を貸したのは間違いではなかったようじゃな」

「当たり前だろう」


 オルフェは一応返事をしていたが、ヴァンニャの発言に少し疑問は残る。

 手を貸したのは間違いではない? ヴァンニャは何を考えているのだろうか。

 彼女はくすくす、と余裕たっぷりに笑うばかりだ。


「なんだ?」


 オルフェが威圧するような声を放つと、ヴァンニャは僅かに頭を下げた。


「すまんのじゃ。前よりも良く話をしてくれると思ったからの。おぬしもなかなかおしゃべりだったのじゃな」

「……前までは色々と問題が多かったからな。ひとまずは片付いたから多少余裕が出ただけだ」


 オルフェはうまくヴァンニャの指摘をかわしてくれた。

 かなりアドリブ力も上がっているようだ。

 

「それで、そちらの女二人はなんじゃ?」


 ヴァンニャが言ったのはリビアとスフィーのことだろう。


「スライム、ゴブリンたちをまとめるリーダーのようなものだな。オレについてきたいという奴をこうして仲間に引き入れた。敵はまだまだ多い、戦力は多い方がいいだろう」


 俺が作った台本通りにオルフェが言うと、ヴァンパイアもこくこくと納得した様子で動いた。


「なるほどのぉ。確かに村を見てきたのじゃが、様々な種族がそれなりの数いるんじゃし、一人でまとめるのは大変じゃもんな」


 ヴァンパイアも特に疑問は抱いていないようだな。

 そこですっと、リビアが動いた。


「初めましてヴァンニャ様。私はゴブリンの代表者である、ゴブリンクイーンです」

「私はスフィー。スライムクイーンよ。よろしく」

「うむ。わしはヴァンニャじゃよ。改めて、よろしくの」


 二人が挨拶をすると、ヴァンニャも友好的に返した。

 

「それで? オレたちはこれからどうするんだ?」


 今回の目的は、ヴァンニャが何を考えているのかを調べること。

 オルフェの問いに対して、ヴァンニャの足が僅かに動いた。


「どうするも何も、魔石と引き換えにおぬしたちにはわしらの下についてもらうと話したじゃろう? ワーウルフ、スライム、ゴブリン。これだけいればわしらの戦力もそれなりに上がるからの」

「確かに、そうだな」


 ヴァンニャの発言は想定の一つにあった通りだ。

 これに対しての回答はすでに用意している。

 オルフェは言葉を区切り、それからテーブルを叩いた。


 耳を抑えたくなるほどの音が響き、めきっとテーブルが悲鳴を上げる。

 そして、


「それを断る、と言ったら?」


 威圧するようなオルフェの声が響いた。この場の空気を支配するような圧力が、彼の言葉に合わせオルフェから放たれる。


 何度も練習した通りの会話。

 ……それに対して、恐らくヴァンニャもまた威圧してくるだろう。

 ヴァンパイアたちが何を考えているのか。ここですべてを把握する必要がある。

 俺がヴァンニャの発言に耳を澄ませていると、


「こ、ここここ断る!? だ、駄目じゃ! せっかく力貸したんじゃぞ!?」


 とても、情けない声が響いた。

 な、なに?

 予想もしていなかった反応だ。

 ヴァンニャの焦ったような口調。

 急に威厳が感じられなくなったぞ?



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― 新着の感想 ―
[良い点] 下っ端のニオイがプンプンするぜぇ! [気になる点] ……こちらのレベルが上がってるせいなのか、味方になると弱くなる系なのか……。 [一言] 待て次号!(すでにたくさん出てる)
[良い点] 見下してくる相手かと思いきや、意外にも可愛らしくて草
[一言] とたんに漂い出したメスガキ臭…こぉれはわからせなきゃ(使命感)
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