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ハズレスキル『ガチャ』で追放された俺は、わがまま幼馴染を絶縁し覚醒する ~万能チートスキルをゲットして、目指せ楽々最強スローライフ!~  作者: 木嶋隆太
第二章

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第39話

書籍一巻発売中です! 是非とも買ってくださると嬉しいです!


 ワーウルフの報せを聞いた俺は、すぐにルフナに乗って走り出した。

 ゴブリアとワーウルフは、俺の召喚士のスキルを使用して、少しでも離れたらすぐに召喚して同行させた。


 スライムの村についたのはすぐだった。

 酷い状況だった。

 恐らくは強化されたのだろうワーウルフたち相手にかなり苦戦しているようだった。

 近くの物陰に隠れて様子をうかがう。


「く、クレストさん、何をしているんですか!?」

「今は絶好の挟み撃ちができるチャンスだ。少し静かにしてくれ」

「は、挟み撃ちって……数は向こうが圧倒的に多いですよ? 俺たちはたかが四人じゃないですか」

「あそこに仲間はいるだろ?」

「どうやってですか!」

「こうやってだ」


 俺は、すぐに召喚を行い、比較的傷の浅い魔物たちを俺のもとに集める。

 驚いた様子のゴブリンとワーウルフたちは俺に気付いた。

 皆が声を上げそうになったので、俺は人差し指を口にあてる。


「静かに。全員ポーションを今すぐに飲め。そのあとすぐに、奴らの背後に全員を召喚する。そこから奇襲を仕掛けてくれ」

「しょ、召喚ですか?」

「ああ。さっき俺が呼び戻したみたいにな。三秒だ。準備してくれ」


 俺が時間を指定すると、皆が慌てた様子でポーチからポーションを取り出して飲んだ。

 魔物たちの数は十五名ほどだ。だが、復活した彼らの目にはやる気が溢れている。


「行くぞ!」


 俺が彼らを召喚すると同時、駆け出した。

 ゴブリン、ワーウルフたちがワーウルフへと迫る。突如背後から現れた彼らに、北のワーウルフたちは驚いたようだ。

 そして、そちらの混乱に注目が集まる前に、俺が暴れる。


「怯むな! まだ、戦いは終わっていない! 立て、剣を握れ! 俺に続け!」


 剣を振り下ろし、北のワーウルフを切りさいた。驚いたように、襲い掛かってきた北のワーウルフ。

 その一撃をかわし、力いっぱいに剣を振りぬいた。


 北のワーウルフが倒れ、その体を踏みつけるように次のワーウルフへとびかかる。

 次々に仕留めていく。

 その中で俺は、倒れていたオルフェと首を掴まれたリビアを見つけた。


 瞬間、怒りが沸き上がった。リビアを傷つけようとしていた彼に対してだ。

 まるで体内で熱が溢れたように、体は熱くなり怒りとともに剣を振り下ろしていた。


 ワーウルフ……恐らく、彼がワーウルフキングだ。彼は俺の剣を受けとめた。

 だが、俺はさらに力を籠め、その体を吹き飛ばした。

 

 解放されたリビアを抱きかかえると、彼女は頬をそめこちらを見ていた。


「……クレスト様。来てくれると思っていました」

「ポーションを飲んで休んで周りの援護に向かってくれ」

「はい」


 リビアはすぐにポーションを口に運ぶと、近くの戦闘へと向かった。

 俺は体を起こしていたオルフェを見る。彼もまた、ポーションを取り出して口に運んでいる。


「大丈夫か?」

「……すまない。オレでは、奴には……勝てなかった」


 悔しいだろう。彼は自分の手で、この戦いにけりをつけたかったはずだ。


「後は俺がやる。オルフェも周りの援護に向かってくれ」

「……ああ、わかった」


 といっても、奇襲に成功したおかげで……こちらが圧倒的に優勢になっていた。

 体を起こしたワーウルフキングがこちらへと近づいてきた。


「なぜ、人間がこの森にいる?」

「まあ、色々とあってな。さて、ここからは俺が相手になろう」

「……力はあるようだが、たかが人間だろう」


 彼は魔石を取り出し、口へと運ぶ。ワーウルフキングの瞳が鋭くとがり、大地を蹴りつけた。

 一瞬でこちらへと距離を詰めてきた。

 けれど、見切れるほどだ。それに合わせ、剣を振りぬく。力はほぼ互角。


 だが、俺のほうが剣の腕は一段上だ。

 彼の剣の力を流すように振り、ワーウルフキングがよろめいたのに合わせ、剣を振り下ろす。


 腕を斬りつけると、ワーウルフキングの表情が険しくなる。それでも彼は、痛みをかき消すように吠えた後、こちらに剣を振りぬいた。


 しゃがんでかわす。隙だらけの体を切り上げた。

 後退するようによろめいたワーウルフキング。彼は足を沈めるように力を込め、こちらを睨みつける。

 

「邪魔を、するな……っ!!」


 ワーウルフキングが剣を振り下ろしてきた。だが、そこに俺はもういない。

 彼の背後をとった俺は、剣を振り下ろした。

 腕が飛ぶ。ワーウルフキングが驚愕したような目とがちりと合う。


 一方的な状況に周囲からはどよめきが沸き起こる。仲間の歓声、そして……敵の悲鳴交じりの声が響き渡り、俺はその体を蹴り飛ばした。


 背中から大きく倒れたワーウルフキングの喉元に剣を突き付けた。


「降伏するんだ。もうそちらに勝ち目はないだろう」

「……」


 ワーウルフキングは斬られた片腕から流れる血を押さえるように、もう片方の無事な腕を当てていた。

 気づけば、周囲の喧騒も収まっていた。

 北のワーウルフたちは倒れ、意識を失い、あるいはすでに押さえつけられた者たちであふれていた。


 誰が見ても明らかな状況で、抵抗するだけ無駄だろう。

 それでも、ワーウルフキングは体を動かそうとしたので、その部位を斬りつけた。


「く、はは……圧倒的だな」


 ワーウルフキングは笑い、そのまま力なく倒れた。

 

「殺せ。オレはもう戦う気力はない」


 ワーウルフキングがそういって……俺は小さく息を吐いた。

 剣を納め、彼の顔をちらと見る。


「……俺は降伏している相手の命までもとるつもりはない」

「そうか。だが、それで全員が納得するわけではないだろう。オレは多くの者を殺したんだ」

「……」


 ワーウルフキングがそういって、こちらを見てくる。

 彼の言葉の通りだ。傷だらけのスライムたちは、今も憎悪のこもった目とともに、こちらへとやってきていた。

 その代表が、スライムクイーンだ。


「クレスト……私にとって、彼は大事な仲間を殺した相手だわ。北のワーウルフたちもそうよ。すべて、すべて……敵だわ」


 彼女の憎悪のこもった視線に、俺は唇を噛みながら小さく頷く。


「……だが、無駄に殺す必要はない。さらに北には見えている敵だけでもヴァンパイアがいる。仲間にできるのなら――」

「未来のことなんて知らないわ。私たち生き残ったスライムたちは、北のワーウルフたちを殺すために生きてきたわ。あなたに止められようとも、私たちは暴れてでも、彼らを殺すわ……ッ」

「……」


 クイーンの言葉に合わせるように、他のスライムたちも集まってくる。

 ……退けないものがある。

 それがはっきりと伝わってきた。

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