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ハズレスキル『ガチャ』で追放された俺は、わがまま幼馴染を絶縁し覚醒する ~万能チートスキルをゲットして、目指せ楽々最強スローライフ!~  作者: 木嶋隆太
第二章

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第31話





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 ワーウルフは白目で牙をむき出しに、唾液をだらだらとたらしながらとびかかってくる。

 振りぬかれた剣にあわせ、剣を合わせる。

 その力の向きを変えるように横へと流した瞬間、ワーウルフは剣を捨て、噛みついてきた。


 マジかよ……っ。

 完全に獣と化した攻撃だ。鋭い牙に剣を当て、眼前まで迫ったワーウルフを押さえる。


「……臭いんだ、よ!」


 声を荒らげながら、蹴り返す。

 吹き飛んだワーウルフを追いかけ、その足を切り裂く。

 ワーウルフはそれでも両腕で地面を叩きつけ、飛んできた。


 ――なんて執念だ。

 鋭く伸びた爪が俺の眼前へと迫る。俺は即座に身をかがめ、攻撃をかわす。頭上を通過しようとしたワーウルフに、回るように剣を振りあげ、切り裂いた。


 ……ワーウルフは血をだらだらと流し、それでようやく動かなくなった。

 ちらと、オルフェとリビアを見る。二人も苦戦はしているようだったが、ちょうど二体を倒したところだった。


 息はあるようだ。

 足は切り裂き、ポーションで治療でもしなければ動けないだろう。

 それでも、まだ意識のあったワーウルフたちは唸り、声を響かせる。


 ……下手な魔物よりも、野生にあふれている。

 一体、何がどうなっているんだ?


「……さっきの魔石が原因なのは分かるが、これではまるで魔物じゃないか」


 理性を戻させる方法もわからない。

 鑑定を使っても、ワーウルフの体内までは把握できない。

 あの魔石を使う瞬間を見ることができれば、分かったかもしれないのだが。


「そう、ですね。……ワーウルフたちが皆あの魔石を使用できるのなら、非常に危険ですね」


 実際に交戦した俺たちがそれはよくわかっている。

 仮に、北のワーウルフたちの数が同じであれば、あの魔石を使われた時点で俺たちが一気に不利になる。

 ……スライム族と同盟を結べなかった、とか言っている場合ではない。


「……オルフェ。あの魔石について、何も分からないか?」

「……ああ、すまない」

「いや、謝る必要はない。分からないのなら、あれを使われても戦えるように立ち回るしかない」


 それとも、スライム族はあの魔石について知っているのか? とにかく、もう一度話をするべきだな。


「どうするんだ?」

「スライム族の村に行き、あの魔石についての話をする。それで、」


 俺はまだわめいていたワーウルフをちらと見る。

 ……彼らには知性があった。だから、殺したくはなかった。


 だが――放置していればどうなるか分からない。

 それに、この傷だらけの状態で放置していたとしても、ただ悪戯に痛みを長引かせるだけだろう。

 俺は腰に戻した剣の柄へと手を伸ばす。


「……殺したほうが、いいか?」

「……だと、思いますね。クレスト様が難しいのであれば、私が――」

「いや、ここはオレにやらせてくれ。こうなったのはすべてオレの責任だ」


 ……俺は唇をぎゅっと噛んだ。

 それを他者に任せるつもりはない。


「いや、俺がやる」


 俺は柄を一度強く握りしめ、それから剣を抜いた。

 一瞬で三人の首を落とし、俺は小さく息を吐く。

 ……魔物を殺すとのはまた別だ。


 先ほどまで話をしていたこともあり、俺は彼らを人間だと認識してしまっていた。


「クレスト様、そう気にする必要はありません」

「いや、気にさせてくれ。俺はただの人殺しになりたくない」


 殺すことにためらいを持たなくなれば、完全に狂ってしまうだろう。

 俺は死体をちらと見て、ワーウルフが持っていた一本のぼろい剣を持ち上げ、村に向けて歩き出す。


「村へと急いで戻り、全員に状況の共有を行う」

「はい、わかりましたクレスト様」

「ああ、急ごう」


 二人が俺の後ろへとついてきた。

 

「……とりあえず、逃がさなくてよかったな。あのままでは、オレたちの正体が敵に知れ渡っていただろうしな」


 オルフェの言うことも一理はある。ただ、どっちにしろ時間の問題だ。


「そうだな。ただ、拠点の位置はおおよそはバレることになっただろう」

「……どういうことだ?」

「北のワーウルフたちの正確な目的は分からないが、オルフェたちワーウルフの村がある場所をおおよそ理解していたようだからな。そして、わざと怪我をしたワーウルフを逃がした。……つまり、この辺りに派遣したワーウルフが戻ってこないとなれば、この辺りに強者がいるという判断になるだろう?」

「……そうかっ! つまり、逆算的にオレたちの位置が分かってしまうのか!」

「そういうことだ。あとは相手がどれだけの判断をするかだ。この辺りに、ワーウルフがいるのを確定として軍を動かすのか……それとも、先にスライム族へと攻め込むのか……」


 相手がどれほどの情報を持っているかが分からない。

 スライム族がどこにいるかを分かっていないのなら、先にこちらへと攻め込んでくるだろう。

 ただ、何が起きても対応できるように準備をしておく必要がある。

 俺は一度息を吐いて言葉を区切る。


「とにかく、急いで村に戻ろう。村に戻り、みんなにこの魔石の情報を共有する」

「……ですが、これほどの戦力差があるとなれば、皆に恐怖が伝染してしまうのではないでしょうか?」

「ああそうだな。だから、これを持ってきたんだ」


 俺が先ほど拾った剣を傾けると、リビアは不思議そうに首を傾げた。

 ……村に戻る道中、オルフェの表情は終始険しかった。

 本人は、出来る限り落ち着けるようにしたのだろう。けれど、それでも彼の感情は抑えきれていなかった。


 まあ……北のワーウルフに関して一番責任を感じているのはオルフェだろうからな。

 そんなに彼が背負う必要はないのだがな。




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