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ハズレスキル『ガチャ』で追放された俺は、わがまま幼馴染を絶縁し覚醒する ~万能チートスキルをゲットして、目指せ楽々最強スローライフ!~  作者: 木嶋隆太
第二章

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第19話

 

 スライムの案内に従い、俺たちは村まで来ていた。

 ……スライムたちは家という家を持たないようだ。

 

「ここが、村になります」


 案内してきたスライムが言うと、木々の中からスライムが現れた。

 ……それは一体だけではない。

 この場にあったすべての木から、スライムが溶け出るように出てくる。


 彼らは木々に体を絡ませるようにしながら、上半身は人間の形をとっていく。

 そして、こちらを憎むように――いや、オルフェを見ていた。


「家を持たないのか?」

「はい。……もちろん、家を造れればそれに越したことはありませんが、我々は拠点を移動し今ここにきています。木々の内部を溶かし、そこを自分の家にしています」


 俺の問いかけに、スライムが答えた。

 ……と、スライムの一体がこちらへとやってきた。他よりも一回り大きなスライムだ。


「人間、ゴブリン、ウルフ……そして、ワーウルフ。一体どういう理由でおまえたちは共にいて、ここに足を運んだ?」


 威圧するような声だった。

 彼に向けて、スライムが説明した。


「彼らは私が魔物に襲われているところを助けてくれました」

「だが、ワーウルフがいる」


 ……よほど、恨まれているようだな。

 それもそうだな。

 スライム族の首領を騙し討ちされたんだから当然か。

 俺はその威圧的な声を出すスライムに近づき、声をかけた。


「俺たちは南に村を持っている。スライムクイーンがここにいると聞いた。同盟を結びたいと思い、やってきた」

「同盟? ワーウルフと? その顔は見たことがある。オレたちを騙した奴と同じ顔だ!!」


 スライムがそう叫ぶと、他のスライムたちからも敵意が感じられるようになった。

 ……双子の兄だもんな。そりゃあ似ているよな。

 俺はそれでも、彼らの怒りを諭すようにゆっくりと伝える。


「彼らは北のワーウルフとは違う。ここにいるワーウルフは、おまえたちスライム族と同じで北のワーウルフに騙され、そして村から追放されたんだ。……北のワーウルフを恨む気持ちは同じだ」


 俺の言葉に、スライムがちらとオルフェを見た。

 オルフェがそこで一歩を踏み出す。


「ああ、そうだ。彼の言う通り、おまえたちを騙し打ちしたのはオレの兄だ。……オレもおまえたちも、あいつを憎む気持ちは同じはずだ」


 オルフェがそういうと、スライムたちは顔を見合わせる。

 それから、スライムは俺に向けて首を振った。


「今、スライムクイーン様は怪我をしている。会えるような状態ではない」

「……スライムは、ポーションを飲んでも問題ないのか?」

「ああ、問題はないが……それがどうした?」

「それなら、これを使ってくれないか?」


 俺はウエストポーチからコップを取り出し、そこにポーションを製作した。

 それを見て、スライムは僅かに驚いたような顔になったが、すぐにその表情を引き締めなおす。

 俺はポーションを一口だけ飲んでから、スライムに渡す。


「毒は入っていない。それなりに回復効果はあるはずだ」

「……」


 スライムは俺からポーションを受け取って、それから奥へと向かった。

 ……まだ、周囲の木々に絡まるようにいたスライムからは警戒されたままだった。



 〇



 しばらくして、スライムがこちらへと戻ってきた。

 地面に座って休んでいた俺たちは、彼の登場に合わせて立ち上がった。


「スライムクイーン様がお呼びだ」


 面会の許可が下りたようだ。

 それにほっと胸を撫でおろしながら、俺たちは森を移動していく。

 やがて、周りよりもひときわ大きな木にたどりつくと、地面にあった液体がすっと起き上がる。


 そして……女性の姿となった。美しい女性の姿だ。

 まるで髪留めのように、赤い魔石が二つ、髪の部分についているのが印象的だった。


「……スライムというのは、個体ごとに姿が固まっているのか?」

「……確かそうだったと思いますね」

「性別も、あるんだな」

「それは当然です。魔物ですから」


 俺がぼそりとリビアに訊ねていると、その女性がすっとこちらへとやってきた。

 ……その両目は厳しくオルフェを睨んでから、俺たちへと向いた。


「ポ-ション、に関してのみは感謝するわ、ありがとう人間よ」

「……いや、別に気にするな。こちらこそ、面会してくれて助かった」

「それで? あなたたちの望みは何かしら?」

「同盟だ。……北のワーウルフの脅威がある以上、俺たちは互いに手を取り合ったほうがいいだろう」


 これは紛れもない事実だ。

 ……北のワーウルフたちがどれほどの力を持っているか分からない。

 それぞれが個として抵抗していては、命を落とす可能性がある。


 しかし、スライムクイーンの表情は険しかった。


「状況は分かっているわ。けれど、ね。私たちはあなたたちと同盟を結ぶつもりはないの」

「……どうしてだ? 危険な状況だろ」

「それは、私たちは人間も嫌いなのよ」


 ……スライムクイーンはそういって、俺を睨んできた。

 人間が嫌い……か。


「どうして、人間が嫌いなんだ? ……仲間が殺されでもしたのか?」

「ええ、そんなところよ。……そして少なくとも、私はそれ以上の恨みがあるわ」

「……どういうことだ?」

「私が昔、上界で暮らしていたからよ」


 ……スライムクイーンの言葉に、俺は驚いた。




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