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ハズレスキル『ガチャ』で追放された俺は、わがまま幼馴染を絶縁し覚醒する ~万能チートスキルをゲットして、目指せ楽々最強スローライフ!~  作者: 木嶋隆太
第二章

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第11話


 外に出たところで、軽く体を伸ばす。


 そうしながら、俺は自分のステータスを確認していた。


 クレスト


 力191(+9)

 耐久力157(+6)

 器用151(+6)

 俊敏180(+7)

 魔力220(+11)


 この地方に来てから、ゴブリンたちとの戦いなど色々あった。

 そのため、ステータスは全体的に高くなっていた。果たして、これで勝てるのだろうか?


 出来れば勝ちたいものだ。

 ステータスを確認していた俺の方にゴブリンクイーンがやってきた。


「……無理をなさらないでくださいね」

「分かってるよ。言っておくけど、命が惜しくなったら俺は棄権するからな?」


 ……まあ、ワーウルフキングも俺の名づけの力が欲しいみたいだから殺すまではいかないだろうが。


「はい、あなたは外部の者です。そのくらいは、覚悟しております」


 ゴブリンクイーンがにこりと微笑む。

 ワーウルフキングの準備も整ったようだ。

 

 俺たちを円状に囲むようにして、ゴブリンとワーウルフたちが離れていく。

 俺は腰に差していた剣を抜き、ワーウルフキングもまた同じく剣を抜いた。


「準備はできているなクレスト」

「ああ、いつでもいいぞ」


 ワーウルフキングがちらと視線を右に向けた。

 そちらには、この場の審判を務めるワーウルフがいた。

 その隣にはダクルトもいる。


 まあ、ワーウルフ一人に審判をやらせたら、不正されるかもしれないからな。

 その牽制、といったところだろう。


「それでは両者――始め!」


 ワーウルフがそう叫んだ瞬間。ワーウルフキングの体が沈む。

 そして、次の瞬間に、ぐんっと加速した。

 速い。まるで爆発でもしたかのような圧倒的な加速。


 一瞬で俺の眼前に現れたワーウルフキングが、その引き締まった筋肉をふるわせるように剣を振り下ろしてきた。

 その一撃を、俺は寸前でかわした。ぎりぎりまで引きつけ、迎え打つかのように見せかけての回避に、ワーウルフキングは完全に引っかかっていた。


 ……動きが良く見える。ワーウルフキングのステータスは恐らくは俺よりも低いのだろう。

 だから、ワーウルフキングの動きはすべて見切れた。


「そ、そんな――! キングの攻撃が当たらないなんて!」

「き、キングよりも素早いなんて! こんなの、あの人以来じゃないか!!」


 ワーウルフキングの攻撃が当たらないのがよっぽど予想外だったようだ。

 周囲のワーウルフたちが絶望的な声を上げる中、ゴブリンたちは勢いづいていた。


「クレスト! 頑張れー! 何とか見切れているぞ!」

「やるんだ、やるんだ! そこでパンチだ! おい、クレスト! 頑張れ!」

「クレスト様、頑張ってください!」


 ……ゴブリンたちの声援を力に変えながら、俺はワーウルフキングの攻撃をかわす。


「うぉぉ!!」


 ワーウルフキングが雄たけびをあげながら、剣を振り上げる。

 振り返りざまの素早い一撃……予想外の動きだったが、俺はそれをかわし、彼の側面へと回る。


 そして、剣を振りぬいた。

 ワーウルフキングの剣に打ち当て、彼は短い悲鳴とともに剣を手放す。


 宙を舞う剣。それを追うようにワーウルフキングが腕を伸ばす。

 その喉元へと、俺は剣を突き付けた。

 ワーウルフキングの動きが止まるのに合わせ、彼の剣が地面に突き刺さった。


「……降参だ」


 ワーウルフキングが短い声を発した瞬間、周囲にいたワーウルフたちがざわついた。

 そして、ワーウルフキングは俺をじっと見てから、その場で正座した。


「……殺せ。生き恥をさらすつもりなどない。その代わり、こいつらの面倒を見てくれ」

「……」


 え、ええ……。

 ワーウルフキングは覚悟を決めたような目でこちらを見てくる。

 しかし……ワーウルフキングの様子を見てか、ワーウルフたちが声を荒らげた。


「き、キング! こ、ここでこいつらを殺しましょう!」

「何を言っている! オレは決闘に負けたんだ! このケジメはオレ一人でつける!」

「追放されたあなたについてきたのは、あなたこそ正当な後継者だと思ったからだ! オレたちの王はあなたただ一人だ!」


 ワーウルフたちが次々に叫ぶ中、ワーウルフキングが立ち上がり声を張り上げた。


「黙れ!! おまえたち! オレの決闘にケチをつけるつもりか!」


 ワーウルフキングが怒鳴りつけると、ワーウルフたちは静まり返った。

 ……ワーウルフキングにとって、決闘というのはかなり神聖なものなのかもしれない。


 ワーウルフたちはワーウルフキングの覚悟に胸をうたれたようだ。

 涙を流しながらも、皆がワーウルフキングを受け入れていた。

 ワーウルフキングは再び正座し、こちらを見てきた。


「すまなかったクレスト。……最後におまえのような強者と戦えたこと、誇りに思う」

「……」


 ワーウルフキングがじっとこちらを見てきたので、俺は剣を振り上げる。

 そして――その剣を鞘へとしまった。


「……クレスト、何のつもりだ」

「勝者は俺だ。ワーウルフキングに命じるのは、生きて俺たちとともに同盟を結んでもらうこと、ただそれだけだ」

「クレスト。人間にとって決闘というのはくだらないものなのかもしれない。だが、ワーウルフにとっては、とても大事なことなんだ」

「ならばおまえは、自分の大切な部下を見捨て、先に死ぬというのか? 仲間を思って決闘を選んだおまえが、まさか仲間を捨てるというのか?」

「それは――」

 

 ワーウルフキングが俺の言葉を否定しようとしたので、それに先んじて言葉を放った。


「ふざけるなよ! 俺は人間だ! おまえたちの決闘に対しての誇りは理解した! だが、俺たち人間は知恵を持つ生き物だ! その誇りは、無駄に命を散らせないことだ! そして、この場での勝者は俺だ! ならば俺に従え! 俺の望みは、ワーウルフとゴブリンの同盟だ! 無駄に誰かの命を奪うつもりなどない!! これに文句がある奴は出て来い! ここで俺が相手をしてやる!」


 周囲を見る。

 そもそも、彼のように慕われている者を殺す意味がまるでない。

 見せしめ? だとすれば、ここにいるワーウルフたちは俺に憎しみを持ってぶつかってくるはずだ。


 そんな面倒で危険なことなどしたくはない。

 俺の宣言を聞いて、ゴブリンだけではなく、ワーウルフまでも注目していた。


 その時だった。

 ワーウルフキングが俺の前にやってきて、膝をついた。


「……クレスト。いや、我が首領よ」

「……はい?」




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