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ハズレスキル『ガチャ』で追放された俺は、わがまま幼馴染を絶縁し覚醒する ~万能チートスキルをゲットして、目指せ楽々最強スローライフ!~  作者: 木嶋隆太
第二章

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第9話

別作品になりますが、「不遇職『鍛冶師』だけど最強です ~気づけば何でも作れるようになっていた男ののんびりスローライフ~」の一巻が発売しました! 気になった方は是非とも手に取っていただけると嬉しいです! 下の画像をクリックで公式サイトにいけます!



 夕食は、村の中央で大きな鍋を囲って料理を食べる。

 鍋自体は俺が作ったものだ。


 料理はゴブリンたちが担当してくれている。

 木々を集めたときに、ジャイアントシザースを倒したようで、今日はその鍋だ。カニスープは……滅茶苦茶おいしかった。


「どうですか?」


 俺の隣にいたゴブリンクイーンが小首を傾げながらたずねてきた

 可愛らしい仕草に少しドキリとしながらも、相手は魔物。

 そんな感情を抑え込んで、笑顔を返した。


「……ああ、うまいな」


 そういうと、ほっとしたようにゴブリンクイーンが息を吐く。


「お口にあったようで良かったです。ゴブリンの味覚と、人間の味覚が同じでほっとしました」


 確かにそうだな。

 ゴブリンの中には人間を捕食するものもいるから、もっと味覚にずれがあるのだと思っていた。 

 ここのゴブリンたちは皆ユニークモンスターといわれるような種族だからな。


 進化というのは、人間に近い存在になる、ということなのかもしれない。

 ……まあ、人間よりも明らかに力は上なんだけど。


「そういえば、火や水はゴブリンたちが用意したのか?」

「はい。ゴブリンも魔法系スキルを所持している者がいますからね」

「……なるほどなぁ」


 今まで戦っていたゴブリンたちは知能もなく、魔法も使ってこなかった。

 ……場合によってはそういう個体と戦うこともあるかもしれないな。

 気を付けないとな。


 夕食が終わると、ゴブリンたちはぞろぞろと立ち上がる。

 これから風呂の時間のようだ。

 風呂の準備も、魔法系スキルを所持しているものの担当だ。

 基本的には、桶に湯を張り、体を洗っていく、ようだ。


 彼らが用意したお湯を使って、みんなが体を洗っていく。

 俺も自分で水魔法と火魔法を使い、自分の分のお湯を用意した。


 ……ゴブリンたちはあまり男女での羞恥というのがないようだ。 

 ……あまり、男女という感覚はないようだ。みんな一緒になって、自由に洗っていた。


 ただし、ゴブリンクイーンだけは感性が違うようで、誰にも見えない場所で洗う、ということのようだ。


「クレスト、水魔法とかも使えるんだな!」


 俺が自分の分を用意していたからか、そう声をかけられた。


「まあな」

「ひゃー、クレストは本当に色々出来て羨ましいぜ!」


 ……色々できるまでに色々あったんだけどな。

 引きつり笑いを返しながら、俺も体を洗い終えた。

 あとは、就寝となるようだ。俺は軽く背中を伸ばしながら、自宅へと向かう。


 と、ダクルトがこちらに気付いた。


「クレスト、寝るのか?」

「ああ、今日はもう休もうと思う」

「わかった。夜は心配しないでくれ。ゴブリンたちできちんと見張りを立てるからな」

「わかった」


 ダクルトの言葉にそう頷いてから、俺は自分の家へと向かった。



 〇



 俺の家には、合計二つのスペースがある。

 まずは、メインの俺の部屋だ。玄関入ってすぐになる。その隣に、ゴブリアの部屋がある。

 家の入口近くにはルフナの小屋もある。ルフナには、別に家の中で休んでもらってもいいのだが、ルフナは小屋がお気に入りらしい。


 小屋の中にクッションを造ってやると、ルフナは気持ちよさそうに体を丸めていた。


 俺もベッドでごろりと横になり、天井を見つめていた。

 ゴブリン族、か。

 それにワーウルフという種族もいるのか。


 下界という場所は、上界で教えてもらったこと以上に俺の知らない情報で溢れていた。

 ここで生きていくのなら、うまく魔物たちとやっていく必要があるようだった。


 そんなことを考えていた時だった。

 玄関がゆっくりと開いた。

 ……かんぬきをかけわすれていたな。


 それにしても、この家に一体誰が訪れたのだろうか?

 ……敵ならば、小屋にいたルフナが反応しているはずだ。

 ということは、ゴブリンの誰かか?


 ベッドから体を起こす。

 月明りを頼りにそちらを見ると、そこには美しい黒髪を揺らすゴブリンクイーンがいた。


「あっ、す、すみません……起こしてしまいましたか」

「……いや、まだ寝てなかったんだが。どうしたんだ?」

「そ、その……何のお礼もできていませんでしたので……何か、お礼を、と思いまして」


 ……その薄着でか?

 彼女は下着のような薄い服装だった。

 ……どう考えても、あれなお礼をしようとしていたのだろう。


「お礼は必要ないって言っただろ? 俺にとっては、ここで生活させてもらえるだけで十分なんだ」

「……ですが、その」


 ゴブリンクイーンは俺のほうへとやってきて、ぎゅっと手を握ってきた。

 恥ずかしそうに顔を赤くしながら、彼女は俺の手を……自分の胸元へと持っていった。

 柔らかい感触に、思わず口元が緩みそうになる。控えめだが、確かに柔らかい、人間そのものだった。


「……私のような貧相な体では。体は魔物ですけど、人間とそう変わらないと思いますよ?」

「そ、そういう話じゃなくて……な」


 俺はゴブリンクイーンからそっと手を離した。

 ……不安そうに、彼女の瞳が揺れる。

 ……ゴブリンクイーンはこの村の女王だ。

 女王として、皆を守りたい。そして、俺がそれなりに力を持っているから、篭絡したい、と考えているのだろう。


 立派な心掛けだな、と思った。


「俺は……下界で生きていくつもりだ。そして、ゴブリンたちのことは……嫌いじゃない。だから、そんなに体を張らなくていいんだぞ?」

「は、張っていませんよ」

「……震えているじゃないか」


 俺が指摘すると、ゴブリンクイーンはびくり、と肩をあげた。

 ……まったく。

 俺は彼女の肩を軽く叩いてから、ベッドで横になった。


「俺は、王にはならないけど……ここでおまえのことを支えるくらいはするつもりだ」

「……クレスト様」

「ほら、あんまり薄着のままだと風邪ひくぞ。これでも着て、部屋に戻りな」


 俺は仕立て術を発動し、彼女に服を渡した。

 それを受け取ったゴブリンクイーンはぎゅっと服を抱きしめた。


「……ありがとうございますクレスト様。この恩は、必ずいつかお返ししますね」


 にこりと微笑んで、ゴブリンクイーンは部屋を去っていった。




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