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ハズレスキル『ガチャ』で追放された俺は、わがまま幼馴染を絶縁し覚醒する ~万能チートスキルをゲットして、目指せ楽々最強スローライフ!~  作者: 木嶋隆太
第4章

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第40話


 ここは襲われていないようだ。

 これなら、馬などを貸してもらうこともできるかもしれない。

 ただ、向こうはかなり警戒している様子だ。

 それは、仕方がないだろう。

 俺はちらとエリスへ視線を向ける。

 彼女はこくりと頷いてから、一歩前へと歩み出る。

 そのまま、門の前まで向かうと、声が聞こえた。

『おまえたちは何者だ!? 何の用があってこの城へと来た!?』

 怒りに近い声とともに問いかけられる。

 門の向こう側から、その声は聞こえている。

 あれは魔道具だ。貴族の家などでは一般的に使われているものだ。

 恐らく、向こう側からこちらを見るための魔道具などもあるのだろう。

 とにかく、門兵はエリスを知らないようだ。

 ……まあいくら公爵家だからといって、すべての人間がエリスを見たことがあるわけではないしな。

「エリス・リフェールドですわ。リフェールド家の者として、こちらに用事があって来ましたわ」

『り、リフェールド? ちょ、ちょっと待ってください』

 そこで言葉は区切られ、音は消える。

 慌てたような様子から、今急いで確認をしているのだろう。

 それからしばらく待っていると、再び声が聞こえた。

『エリス・リフェールド様。なぜここに来たのでしょうか?』

 別の落ち着いた人の声だ。

「わたくしは、国の命令によってクレストを連れ戻すため、単身下界へと下りていましたわ。ただいま、クレストを連れ戻したため、上界へと戻ってきたのですが……何やらおかしなことになっていると思い、親しい間柄であるビットール家にて、情報を得ようと思い、こちらに来ましたわ」

 ……そういう設定だ。

 ただし、これは少し賭けの部分もある。

 エリスは完全に独断で下界へと下りたため、例えば国から反逆者として指名手配されていないとも限らない。

 だから、クレストを連れ戻すためという言葉は嘘として言われるかもしれないのだ。

 だが、エリスは恐らく大丈夫だとも言っていた。

 エリスの父であるノルゴアーク様が、正直に話をしているわけがない。

 何かしら、エリスが下界に下りたそれっぽい理由をつけているに違いない、と。

 確かに、納得してしまう部分もある。

 ノルゴアーク様は自分が不利にならないように立ち回るのがとても上手だからな。

『お、おお……! そうでしたか! クレスト様を捜索しにいっているとは噂程度ではありましたが、お聞きしていました。まさか、本当に連れ戻されるとは……さすが、エリス様です』

 そんな嬉しそうな声が返ってきて、エリスの嘘が通用したことが分かった。

 これで、大丈夫だろう。

 俺も近づき、声をかける。

「先ほど話題に上がりました、クレストです」

『おお、あなたがクレスト様ですか』

「はい。それでですが、これより急いで王都に向かう必要があります。私たちと背後の亜人たちが乗れるだけの馬車の手配をお願いできませんか?」

 俺がそういうと、向こうの様子が多少変わったのが分かった。

 恐らくは、亜人という言葉に反応したのだろう。

『……つかぬことをお聞きしますが、背後にいる亜人たちは、何者でしょうか?』

「私が下界にいる間に仲間にした者たちです」

『……今、上界にて暴れまわっている亜人たちがいるという話でしたが、彼らとは関係ないのでしょうか?』

「関係、ありません。むしろ、その暴れまわっている亜人たちを止めるために必要な仲間です」

 これで駄目ならば、諦めるしかない。

 しばらくの沈黙。

 時間にして三十秒程度が経過したとき、言葉が返ってきた。

『かしこまりました。すぐに、馬車の手配をしましょう。ですが、今皆が亜人たちに対して恐れています。亜人たちには外で待ってもらってもよろしいでしょうか?』

「……分かりました」

 それは、仕方ないだろう。

 俺も別に馬車を用意してもらえるのなら中に入らなくとも構わないとも思っていたしな。

 そう考えていると、門がゆっくりと開いた。

『城主として、挨拶をしたいのでエリス様とクレスト様は中に入ってきていただけますか?』

「分かりました。亜人の皆に事情を伝えてから向かいます」

『……分かりました』

 やはり、亜人に対しては思うところがあるようで少し迷いの残ったような声が返ってきた。

 エリスが門の前で待機し、俺は一度オルフェたちのもとへと向かう。

 それから、頭を下げた。

「今、城内の人たちは亜人に対して過敏になっているみたいなんだ。……すまないが、亜人は中に入れられないそうだ」

「そうか。まあ、オレたちは別に構わないさ。野宿には慣れているしな」

 オルフェの言葉に、スフィーも頷いている。

 二人と、その奥からこちらの会話を聞いていた皆にも頭を再度下げる。

「皆、ごめんな。挨拶だけ済ましたらすぐに戻ってくるよ。とりあえず、建築術を使える人たちで休める場所を用意しておいてくれ」

 俺はそれだけ指示を出してから、エリスの元へと戻る。

 二人並ぶようにして、俺たちは城内へと入っていった。

 門をくぐるとすぐに、扉はしまった。

 これからどうしようかと思っていると、すぐに曲がり角から男性がやってくる。

 恐らくは兵士だろう。軽装ではあったが、戦闘に向いた服装をしている。

 視線があってすぐに、兵士は微笑を浮かべ、こちらへと歩いてくる。

 俺たちの前で足を止めると、深々と頭を下げてきた。

「お待たせしてしまい申し訳ございません。エリス様、クレスト様。これより、城主の元へとご案内いたします」

 兵士はそういって道を示すように手を向けたあと、歩き出した。

 俺もエリスとともにその後をついていく。

 城内は、普通の街のようになっていた。

 ……まあ、城内では普通に生活を送る必要もあるだろうしな。

 その中で、一つ目についたものがあった。

 亜人の奴隷だ。彼らはちょうど重労働を強いられていたようで、重たそうな荷物を運んでいる。

 服装も、あまり良いものではない。肌なども汚れが目立つため、過酷な環境にいるのは間違いないだろう。

 上界ではごくごくありふれた景色だ。

 亜人の一部は奴隷となり、それ以外の不必要な者たちは下界へと追放される。

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