表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/171

第13話

 ガチャを回そうと思ったが、さすがに空腹だった。

 ひとまず、夕食の準備を始める。

 ……今日は塩がある。途中で倒したファングカウの肉に串を突き刺す。

 

 これは俺が鍛冶術で作った串だ。

 それから塩をふりかけ、肉を火の近くに置いた。

 肉が焼けるのを料理術で見極めながら、ガチャの準備を始めた。


 頼む。いいスキル出てくれよ……っ。

 今の俺がさらに上に上がるには、虹色ではなく金、銀色の玉が重要になってくる。

 十一回ガチャへと指を伸ばし、タッチする。


 宝箱が虹色に光った。

 ……そうか。

 いや、虹色は虹色で嬉しいんだけどな。それから出現した玉は、銅色3つ、銀色4つ、金色1つ、虹色3つだった。


 ……な、なんだと? 虹色が3つか!?

 ……つまり、虹色に宝箱が輝いたら、虹色の玉は2つ以上確定ってことなのだろうか?

 

 俺はこのガチャの恐ろしいところに気づき始めていた。

 ……虹色は確定で一つ手に入るが、今回のように金色が異常に少ないみたいなこともありえるのだ。

 下手をすれば、銅色10、虹色1みたいなことだってあるかもしれないのだ。


 恐らくだが、銅色が出ないということはないと思う。たぶん一番出やすい確率だろうからな。

 銅色1、虹色1あたりは絶対確定している。そして、この宝箱の演出次第では虹が1~3で上下する。……下手したら、もっと虹は出るかもしれないが、まあ今のところは1~3だ。


 そうなると、残りは8つ程度になる。……銅色が3つ程度はいつも出ているため、残り6枠。

 ……銀色、金色は生活を向上するうえでは絶対に欲しいスキルがいくつも出ている。


 中々、厳しいガチャだよな。

 嘆いても仕方ない。最悪の確率をひかないことを祈るだけだ。

 まずは、銅色からだ。


 力強化 レベル1

 魔力強化 レベル1

 俊敏強化 レベル1


 ……まあ、これに関しては別にな。

 次からが重要になってくる。

 銀色4つ……これで何が出てくるかだな。


 採取術 レベル1

 剣術 レベル1

 地図化術 レベル1

 釣り術 レベル1


 ……採取術、地図化術に関しては見たことがないな。

 どのようなスキルなんだろうか? 早速鑑定だな。


 採取術

 物を採取した場合に、質を向上させる。


 ……なるほどな。つまり、今畑で育てている植物などの質を向上させ、ポーションや料理の材料にしたときにさらに良いものが作れるようになるということか。

 やはり銀色の玉は優秀なものが多いな。


 次は地図化術だな。


 地図化術

 これまでに移動した範囲を地図にすることができる。また、木材を消費し、紙の作成、紙に自分の知る範囲の地図を描きだすことができる。


 ……お、おお! これは今後の探索に使えるなっ。

 早速眼前に地図を表示する。……おお、すでにこれまでに移動してきた範囲がすべて地図になっていた。

 南の洞穴を中心に、川が海のほうまで流れている。


 川の上流のほうは、まだ歩いていないな。大木が見える範囲でしか北側の探索もしていない。


 現在の自分の位置も表示されるので、これで迷子になることはほぼないだろう。


 早速近くの木を用いて、紙を生成、そこに地図を書き写してみる。

 ……おお、紙の材質がかなりいい。採取術の効果も反映されているのだろうか?


 表立って大活躍するわけではないが、あれば便利なスキルを二つも手に入れてしまったな。

 ほっと胸を撫でおろしながら、俺は次の金色に期待する。


 期待して金色の玉を見守る。


 付与魔法 レベル1


 ……は、初めての魔法だなっ。

 付与魔法。確か……武器とかに、属性を付与させることができる魔法だったよな?


 付与魔法

 武器、防具に能力を付与できる。ただし、付与できる能力は装備品によって決まっている。


 ……なるほどな。

 とりあえず、明日の狩りで色々と試してみるかな。

 

 最後は虹色の玉となる。

 三つ……まあ、どれもピックアップされているスキルが出るんだろう。

 スキルレベルがあがるのは嬉しいが、現状銀色の玉が優秀なことが多いからな。

 

 もうちょっとそちらに枠を割いてほしいと思わないでもなかった。

 俺の気持ちなんて知らないとばかりに虹色の玉が光輝いた。


 鑑定 レベル1

 栽培 レベル1

 薬師 レベル1


 ……おお、全部ばらけたか。

 とりあえず、被ったスキルなどはすべて強化に使っていく。

 ……自動で強化してくれてもいいんだけどな。


 それとも、強化以外に使い道とかあるんだろうか?

 俺はまず、今日一日の成果を確かめるため基礎ステータスを確認する。


 力70(+2)

 耐久力60(+1)

 器用55(+1)

 俊敏67(+2)

 魔力70(+1)


 ……実はこのステータスに関して、俺は色々と検証していた。

 まず、数値を細かく見ていた。

 そして、今回()内が+2になったことで、俺の推測はほぼ確証したと思っている。


 まずこのステータスの意味から考えていた。

 ()内の数字が反映されて、左側の数字なのか。

 それとも、()内の数字を足した数字が、本当のステータスなのか……。


 結果は後者だった。

 それは次の検証と合わせて説明したほうが分かりやすい。


 銅色のステータス強化系スキルがパーセント強化なんじゃないかと俺は思い始めていた。

 現在の俺の俊敏強化はレベル3だ。ただ、それは今回のガチャで出て、強化されたからだ。

 それまでの俺の俊敏強化はレベル2。だが、レベル3に強化した瞬間、()内の数字が+1から+2に変化した。


 ……これで、67という数値が基本の数字ということと、レベル=パーセント強化ということが分かった。

 例えば、俺の実際のステータスが63の場合、レベル3の俊敏強化だと1.89という数字になる。


 これだと()内の数字は+2にならない。だが、67の場合、3パーセントは2.01。ギリギリではあるが、()内の数字は+2となる。

 

 この検証が偶然できたのは、ラッキーだったな。

 最悪ステータスとスキルを調整してどこかでやろうと思っていたからな。

 もしも、神様の天才的な発想によってこの数字が決められていたら、もう俺には分からない。


 別にそんなに頭が良いわけでもないので、これ以上の複雑な算出方法だったら諦める。

 俺はそれから、自分のスキルを確認する。

 

 力強化 レベル4

 魔力強化 レベル2(あと1つでレベルアップ)

 俊敏強化 レベル3

 器用強化 レベル2

 耐久力強化 レベル2


 剣術 レベル3

 短剣術 レベル2

 採掘術 レベル1

 釣り術 レベル2

 開墾術 レベル1

 格闘術 レベル1

 鍛冶術 レベル1

 料理術 レベル1

 仕立て術 レベル1

 飼育術 レベル1

 地図化術 レベル1

 採取術 レベル1


 土魔法 レベル3

 火魔法 レベル2

 水魔法 レベル2

 風魔法 レベル2

 付与魔法 レベル1


 鑑定 レベル3(MAX)

 栽培 レベル2

 薬師 レベル2(あと1つでレベルアップ)


 この中で気になるものがあるとすれば、鑑定のスキルレベルだ。

 ……虹色のスキルは、すべてレベル3がマックスなのだろうか? 初めての入手、そして最大までの強化で必要な個数は4つでいいのだろうか?

 ……わりとレベルマックスは狙いやすい気もする。


 逆に言えば、期間が決まっているから、ということなのだろうか?

 ただ、こうなると、今後虹色が本当に外れ枠になりかねないという不安がある。

 

 次に鑑定が出てしまった時、その使い道が別にあるのだろうか?

 そんなことを考えながら、俺は食事をする。

 ……塩と肉汁が絡み合い、これまでに想像したことのない旨味があった。


 塩……! こんなに変わるとは!

 あっという間に食べてしまった。

 ステーキ一枚では足りないので、さらに食べる。


 ……はぁ、本当にここでの生活はこの肉が頼りだ。

 チユチユ草と一緒に食べる。葉物の野菜で食べられるのは現状これくらいだからな。

 いずれ、別の野菜も見つけ、栽培で増やしていきたいものだな。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] このガチャ、ゴミしか出ない
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ