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第18話


 これで、新しいスキルが二つも出てくれたので、残りのガチャですべて揃える可能性も高いだろう。

 そんなことを考えながら、俺は影術の効果を確認する。

『影術自分の影を自由自在に操作可能』

 自分の影を?

 文言を見た後、俺は早速発動してみる。

 すると、自分の影を感覚的に操作できるようになった。

「影の操作って……意味あるのでしょうか?」

 リビアが首を傾げている。

 俺も同じようなことを考えながら影を操作していると、あることに気づいた。

 影で物を掴める……か?

 試しに操った影で近くの椅子を持ち上げてみる。

「わっ、凄いですね」

「そうだな。慣れてきたら、戦闘の補助に使えるかもな」

 ただ、物を持ち上げたときに重量も感じる。

 椅子位ならば問題なく持ち上げられるが、例えば家とか持ち上げるのは難しいだろう。

「操作は難しいのですか?」

「……結構、難しいな」

 頭の中で、このように動いてほしいと考えれば動くのだが、自分の手足のように動かせるほどではない。

 また、使用中は魔力を消費しているようだ。

 レベルが上がれば、操作のしやすさも上がるのだろうか? あるいは、より重い物を持てるようになるのかもしれない。

 どちらにせよ、これも便利なスキルではある。

 影術は今後普段から使っていってその操作に慣れる必要があるな。

 まだポイントは残っているし、どんどんガチャを回していこうか。

 三十三回目のガチャによって出たのは影術のみだ。

 四十四回目のガチャでは、暗黒騎士。

 五十五回目でも影術だ。

 虹色スキルなどは出ているのだが、どうしても黒ノ盾が獲得できない。

 うーん。

 せっかく六十六回分のガチャがあったのに、このままでは大した結果にならず、終わってしまうかもしれない。

 そんなことを考えながら、俺は最後のガチャへと向かう。

 銅色、銀色、金色では目新しいスキルはない。

 順調にスキルが強化されるのは嬉しいが、俺は最後の虹色に期待する。

 そろそろ、黒ノ盾も出てくれるだろう。

 そんな祈りとともに、俺は虹色のガチャ結果を確認していく。


 《虹スキル》【黒ノ盾:レベル1】


 出現したのは……黒ノ盾!

 その瞬間、隣で見守ってくれていたリビアが嬉しそうに俺の腕に抱きついた。

「クレスト様! 良かったです! 新しいスキル出ましたねっ」

「ああ、そうだな」

 彼女の感触に意識が向きかけたが、俺はすぐに黒盾の詳細についてを調べていく。

『黒ノ盾眼前に黒の盾を召喚する』

 スキルの効果を見たところ、それほど強さは感じない。

 試しに、黒盾を召喚してみると、眼前に黒い壁のようなものが出現した。

「それが黒ノ盾でしょうか?」

「みたいだな……召喚した後も、操作はできるみたいだな」

 軽く盾を動かしてみる。

 ……まあ、攻撃は防御などに使えなくもないか。

 ただ、これと影術の両方を使用するには、かなり慣れが必要だろう。

 黒ノ盾に触れてみると、硬い。

 まるで石の壁のような頑丈さだ。盾、ということもあり、身を守るために使えそうだ。

 とりあえず、これで今回のガチャは終了だ。

 結局、他の色のガチャでは、新しいスキルは出現していない。

 ということは、もしかしたら今回は虹色のガチャしか追加されていないのかもしれない。

 それは良いのか悪いのかは難しいところだな。

 そして、もう一つ思うのは……俺のスキルには特別なものというものはないのだろうか?

 例えば、エリスが授かった聖女の加護などだ。

 俺が持っているスキルはすべて、他の人でも手に入れられるものだ。

 もちろん、俺のように複数持っているわけがないので、俺が優れているといえばそうなのだが、やはりエリスやミヌのようなスキルが欲しいという気持ちもなくはない。

 まあ、ないものねだりをしても仕方ない。

 今手に入るスキルでどうにかするしかないだろう。

 そんなことを考えながら、俺はガチャの画面を閉じた。

 獲得したスキルたちのレベル上げを行った後、俺はリビアへと視線を向けた。

「とりあえず、ガチャはこんなところだな」

「そうですね。今回のガチャですべて揃って良かったですね」

「確かに、そうだな」

 ガチャを終えたところで、リビアの表情に気づいた。

 心配するような表情に見える。

 どうしてだろうかと思い、すぐにある考えが浮かぶ。

 昨日俺が話していたことが気になっているのかもしれない。

 あのフードの男が持つ力は強大だ。

 俺が新しくスキルを手に入れたことで多少は強くなっていることをリビアも分かってはいるだろうが、それでも心配してくれているのだろう。

 いや、むしろ俺が下手に新しいスキルを手に入れたことで、余計に心配してしまっているのかもしれない。

 俺が多少無茶なことをするかもと考えている、とか。

「リビア、その――」

 別に無謀なことはしない。

 そう伝えようと思ったところで、リビアが口を挟んできた。

「クレスト様。いくらスキルを手に入れたとはいえ、まだまだスキルには慣れていないのですから無茶をしないようにしてくださいね」

 どうやら、俺の予想は当たっていたようだ。

 リビアの言葉に、俺はこくりと頷いた。

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