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第22話



 それじゃあ最後は、アサシンだな。


「アサシンのスキルは確か気配探知とかができるようになるんでしたっけ?」

「そうだな。あとは、気配遮断、って書かれてるな」


 あまり表立ってのスキルではないのは確かだ。

 俺は早速、アサシンを発動する。

 自分自身にアサシン状態の付与を行った瞬間だった。


 リビアが驚いたように目を見開いた。


「く、クレスト様?」


 慎重にといった感じでこちらに手を伸ばしてきた。そして、ぴとりと手を触れる。

 そうして、ようやく彼女はほっとしたように息を吐いた。

 突然のリビアの変化に、俺は驚いた。


「どうしたんだ?」

「……そ、その。目の前で突然消えたように見えてしまって。い、いやその見えているんですけど、あまり意識できないといいますか」

「……なるほど」


 目の前で発動しても、ここまでの効果か。

 アサシン状態は3分ほどで切れた。自分でも解除などはできるようだ。


 アサシンは二つも出たことによって現在のレベルは2だ。


 レベルが上がれば、効果時間が長く、効果が高くなるのだろうか? 魔力消費量は、問題ない程度なので、効果時間が延びるだけならばこのままでもいいのだが。


「リビア、もうちょっと実験してみたい。次は目を閉じてみてくれないか?」

「分かりました」


 リビアは目を閉じた。それを確認した段階で、


「ああ、大丈夫だ」

「あ、あのクレスト様!? い、いいですか?」


 ……もしかして、声も聞こえていないのか?

 想像していた以上に、このスキルはやばいのかもしれない。

 とりあえず、しばらく様子を見ていると、リビアはすっと目を開いた。


 その両目が大きく見開かれた。

 リビアはきょろきょろと周囲を見ていく。

 俺は忍び足術をしないまま、足音を立てるように動いてみた。


 すると、木を踏んだときにする軋むような音ははっきりとなった。

 声は聞こえていないが、この音は聞こえるのか。

 リビアはそれにびくんと肩を上げた。


「……く、クレスト様。そちらにいらっしゃるのですか?」


 ゆっくりとした足取りでこちらへと近づいてくるリビア。

 俺は忍び足術を発動し、リビアから逃げるように動いてみた。

 リビアが伸ばした手は、俺が先ほどまでいた場所へと伸びたが、触れることはない。


 また彼女はきょろきょろと周囲を見ている。不安そうに眉を下げている顔がとても可愛らしい。

 ……とはいえ、いつまでもそれを見ているのもリビアに悪い。

 俺は彼女に近づき、とん、と肩へと触れた。


「ひっ!?」


 触れたのは分かったようだ。ばっと反射的に振り返ってきた。

 そこで、ようやくリビアは俺を認識できたようだ。その表情が安堵の色に染まる。


「く、クレスト様。そちらにいらっしゃったのですね」

「まあな。……まったく見えていなかったのか?」

「は、はい。これで、音までしないとなれば、もう手の施しようがありませんね」

「確かに、そうみたいだな」


 でも、驚いていたリビアの顔。可愛かったな。

 また今度やってみたいものだ。


「クレスト様、どうされたのですか?」

「いや、リビア結構驚いていたからさ」

「……もう、からかわないでくれますか」


 ふん、とリビアはそっぽを向いてしまう。

 しまった、怒らせてしまったようだ。


「悪いって」

「もう知りません」


 リビアの顔を覗きこもうとするが、ぷいっと彼女は俺がいない方に顔を向けてしまう。

 困った。完全に怒ってしまっている。


「本当に悪かったって。機嫌直してくれ」

「それなら、私のことを抱きしめて、頭を撫でてくれたら許してあげるかもしれませんね?」


 リビアがぶすーっとしたままそう言った。

 そうするしかないのか? 

 リビアはようやく顔をこちらに向けてくれた。期待するような様子で、しかしまだ少し怒っています、といったような表情だ。


 毎晩のように一緒に寝ているとはいえ、改めて言われて正面から向かい合うとなると少し照れ臭い。


 ちょっと恥ずかしいけど、やらないと機嫌を直してくれそうにない。

 俺は彼女の体をぎゅっと抱きしめた。少し俺の手が震えているのは自覚している。


「クレスト様。緊張されているのですか?」

「別に、そんなことはないぞ」

「ふふ、可愛いですね」


 そういうと、リビアは頬にちゅっとキスをしてきた。

 完全に不意打ちだった。顔が熱くなる。きっと真っ赤になっているだろう。

 見れば、リビアも僅かに頬を赤らめ、しかししてやったり、といった顔でこちらを見てくる。


「ふふ、驚いた顔されてますね」

「……そりゃあな」

「これで、許してあげますね」


 さっきの仕返し、ってことか。

 

「それでは、これでだいたいスキルの確認も終わりましたし、今日も一緒に寝ましょうか?」

「……そうだな」


 リビアに手を握られ、誘われるままに俺はベッドへと向かった。




《銅スキル》【力強化:レベル7】【耐久力強化:レベル5(3/5)】【器用強化:レベル5(2/5)】【俊敏強化:レベル5(3/5)】【魔力強化:レベル6】


《銀スキル》【剣術:レベル4(2/4)】【短剣術:レベル2(1/2)】【採掘術:レベル2(1/4)】【釣り術:レベル3】【開墾術:レベル2(1/2)】【格闘術:レベル3】【料理術:レベル2】【鍛冶術:レベル3】【仕立て術:レベル2(1/2)】【飼育術:レベル2】【地図化術:レベル3】【採取術:レベル2】【槍術:レベル2】【感知術:レベル2(1/2)】【建築術:レベル2(1/2)】【魔物進化術:レベル2】【回復術:レベル2】【忍び足術:レベル1】【鍵術:レベル1】



《金スキル》【土魔法:レベル4(2/4)】【火魔法:レベル5(3/5)】【水魔法:レベル4(1/4)】【風魔法:レベル3(1/3)】【付与魔法:レベル3】【光魔法:レベル2】【罠魔法:レベル2】



《虹スキル》【鑑定:レベル3(MAX)】【栽培:レベル3(MAX)】【薬師:レベル3(MAX)】【召喚士:レベル3(MAX)】【魔物指南:(MAX)】【魔物使役:レベル3(MAX)】【アサシン:レベル2】


《余りスキル》【鑑定:レベル1】【薬師:レベル1】【召喚士:レベル1×2】


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― 新着の感想 ―
[一言] スライムみたいな魔物ならではを絡めた恋愛ならまだしもゴブリンクイーンの束縛とか何?それに生臭い。 もっと気持ち全面に押しだすようなのなら気にならないけど… 婚約者のせいで女性が苦手なキャラの…
[気になる点] 以前、再生術?って、ガチャで書いてますが。鑑定結果無し、クレストのスキル一覧からも抜けています。 ガチャで出なかった事にしたのでしょうか…?
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