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3.契約って!?

「えーーーっ!!いつでも!?会えるの!?」


驚きすぎて大声を上げてしまった。転生したらてっきり会えないだろうと思ってた。話すことは出来ても会うことは叶わないだろうと思ってた。


「そうだよ?いつでも会えるんだよ」

「ど、ど、ど、どう、して!?」

「動揺し過ぎっ…っ…」


私の慌てっぷりが面白かったのかユフェルはゲラゲラ笑っていた。私のどこが面白いんだ!!


「だってユフェルは神様なんでしょう!?」


神様とか言いつつ名前を呼び捨てにし、敬う素振りのない私。言っていてどうかと自分でも思う。


「サクは僕の名前を知ってるから。僕もサクの名前を聞いたから。」

「理解ができないぃぃぃい!!もっと分かりやすく!」

「テンション…っ…高すぎ」


またどこかツボに入ったのかユフェルは涙を流しながら笑っていた。


「要は契約したってことだよ」

「契約!?神様と!?」

「そう、僕と」

「いつの間に!?」

「名前を許可した時点で契約は成立したよ」

「ユフェルの名前はみんな知ってるでしょう!?」

「呼ぶことは許可していない」

「…」


なにそれ。たまに出て来る上から目線的な発言好き。もう訳分からんが、大好き。顔タイプ。しゅき。

呼ぶこと許可してないってことは私は特別?特別ってことよね。好き。結婚しよ。いやもうしよ。いや、もう半同棲状態だし、してるんじゃ…?


「サク?」


可愛い。最初キッツそうな顔だなぁとか思ってたけど、なにこのかわいい生き物。神様!?神様に見えん猫だろ。猫神様か?猫神様だ!


「サク!しっかりして!」


きつい顔の癖に話し方可愛すぎ。惚れるしかないじゃない。ギャップ萌えだわ。


「サクゥゥ!帰ってきてええ」


ユフェルが私の肩掴みブンブン振り回す。お陰で頭がガクガク揺れて脳しんとう起こしそうだわ。


「ユフェル…ただいま…おえっ」

「サクゥゥゥ!」

「大丈夫。ちょっと揺られて気持ち悪かっただけ」

「ごめんよ!サク!」


てかこいつ身長高いんだよな。高いのになにこの甘えん坊キャラ。もう最高。ギャップだわ。


「契約してるから会えるの?」

「契約者の魔力を使って具現化するんだけど、」

「神様ってそんなお手頃なの?」

「なわけないだろう!サクが特別なだけ…で…っ!」


特別頂きました。てかまたいつもと違うキャラ。好きすぎる。最後は顔赤くしてそっぽ向くし。もう全部タイプ好き。


「魔力で具現化して会えるほどお手頃って話じゃないの?」

「神様がそう簡単に具現化されてたまるかよ!サクは最強だから、魔力量も半端ない程有り余ってるから僕を呼べるの」

「そっかぁ!私だけかぁ」

「まあ今のとこ僕を呼べるのはサクだけだよ」


私だけ呼べる。私だけの特権。何この特別扱い。いつでもタイプのイケメンを呼び寄せることが可能。もうこの能力だけでいいかもしれない。


「サク?」

「へへっ…ユフェルは私のものだねっ!」


ボッと赤くなるユフェルを見て、考え無しに発言した言葉がとんでもないことだと悟った。


「あ、あのね、変な意味じゃないからね!?」

「え、あ、うん。…そうだよなぁ…自惚れ過ぎだよなぁ…」

「なに?」

「なんでもないよ。僕はサクだけのものだからね?」

「なっ!!!」


もう何この子。私の事キュン死させようとしてくる。さっきからずっと心臓煩いし。もう生きてないのにどうしてこんなに煩いの。もう!!!


「ユフェル」

「なに?」

「もう寝るから!!!」

「一緒に寝る?」

「ふざけないで出てって!」


こんな顔見せられないし、気がつけばもう22時だし。ユフェルを部屋から追い出し、寝る支度をする。明日冷静になったらまた話そう……。







****



真っ白な空間に平屋ぐらいの箱が並ぶ。ここが天国かと思う人もいれば、地獄だという人もいる。ここにいる者を果たして人というのかは知らないが。


乱雑に置かれている箱の中の一つの前に男は立っていた。男は空のような薄い青の髪の毛をひとつに結んでいた。



「アイツ……最近箱から出てこねえな」


前から見ると、ユフェルと同じような黄色い目。ただ黄色と言うよりオレンジ色のような瞳。青空に浮かぶ輝かしい太陽のような瞳。ユフェルが夜を纏った様な姿ならばこの男は反対の朝を纏った姿。きっとユフェルと隣合わせにたったら見事な対だろう。


「チッ…。ゲートが閉じてるじゃねぇか。」


男は入ろうと試みているらしいが、全く動いていない。それでどうやって入ろうとしてるかは分からない。まあ箱に入口がないのだから入れるとは思わないが。


「壊そうにもなあ……はあ、だる。」


男は踵を返した。



「だりぃ……」

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