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一章:神様から説明を受けたよ

前回のあらすじ

ネロは処刑される寸前、リーンを連れてヒューマンの国から脱出した

 僕たちは村にたどり着くのは到底無理だったので、近くにあったクズ共の馬車を奪い取ってそこで産もうと考えた。

 そこには奴隷になるために出荷されるところだった亜人達がいて、中には医者も居たので助かった。


「オギャアアアア」


「元気な女の子ですよ」


 よかった。赤ちゃんは無事みたいだ。

 人とエルフのの子供だからハーフエルフか。

 あ、額に少し傷がある。

 クソあいつら!


「よかった!本当によかった。エルヴィさん、勇者様ありがとうございます」


「私は娘共々奴隷に堕ちるところでした。こちらこそ感謝がつきません」


 この医者の名前はエルヴィさん。

 猫獣人の男で娘が二人居た。

 名前はバニラとミント。

 アイスみたいな名前だ。


「僕も勇者として当然のことをしただけです。それにリーンさんがいたおかげで、あのクズ共の本性を知れました。赤ちゃん生まれてよかったですね」


 本当に無事に生まれてよかった。

 あのクズ達にはちゃんと処分を考えないと。

 あ、そういえば聞きたいことがあったんだ。


「一つ良いですか?リーンさんやエルヴィさんにバニラとミントは僕が勇者と認識出来てますよね」


「えぇ。ヒューマン達にマオウと呼ばれていたのでわかりました」


「そこです。ヒューマン達はなんで勇者を魔王って呼ぶんですか?」


 まぁ神様にそのことをきちんと聞いていたらこんなことにはなってなかったんだけどね。


「あ、もしかして貴方は異界の勇者様でしたか?通りでわたし達に手を差し伸べてくれるはずです」


「異界の勇者ってのは間違ってないですけど・・・」


「そうでした!なぜヒューマンは勇者を魔王と呼ぶのでしたね。勇者という職業は最初は人間達のためにありました・・・」


 聞けば、二世代前から勇者は亜人の味方をしていたらしい。

 なんでもいつからかヒューマン達は自分たちが人間で、亜人は汚れた獣の混血と蔑むようになったとか。

 そしてそんな味方をした勇者をマオウと読むことにした。

 全くあのクズ共は、リーンさんだって耳が長い以外同じ人だろうにね。


「なるほど。事情はわかりました。しかしこれからどうしたものか」


「避ければわたしの居た村に来ませんか?魔人族の異界の勇者様をお持て成ししたいです。それにエルヴィさんもどうですか?」


 エルヴィさん達は、前に居た村の人達に売られて、取り残されてしまったらしい。

 だから村には帰りたくないと二つ返事で了承していた。


「それはありがたいんだけど・・・」


「え、ネロ様はだめですか!?」


「いや、そうじゃないんだけど、あと様付けはやめてください。リーンさんや皆さんとは対等でいたい」


「はい、わかり・・・わかったわネロさん。それで村へと来ることじゃなかったらどうして歯切れが悪いようなことを」


 誤解をまずとかないと。

 僕は魔人ではない。

 この世界で言うならおそらくヒューマン族だ。

 そんなヒューマン族が村に行ったらどう思われるだろうか。


「僕は神様からの加護で、スキルに【魔人化】と言うモノがあって魔力の分×1秒だけ魔人になれるだけなんだ。だから僕は多分ヒューマンだと思う」


 リーンさんもエルヴィさんもきょとんとする。


「あの・・・それは魔人族だと思うのですけれど?」


 え?どういうことだ?


「リーンさんの言うとおりですね。魔人族はスキルに魔人化があり、それを発動する以外はヒューマンと変わりありません」


 えぇぇぇぇぇ!

 カリス様は加護だって言ってたのに。

 なんか空でてへぺろって声が聞こえた気がした。


「てっきり神様が加護を施してくれたかと思ったんですけどね」


「あ、それはその通りですよ。カリス様の加護を持っている人達が魔人族です。今は一人だけしか居ないらしいですけど」


 なんだよ。神様ぁ~もう少しちゃんと説明してくださいよぉ


”貴方が話をちゃんと聞かないからですよ!”


「わっカリス様!?」


 見ればリーンさんもエルヴィさんも時間が止まったように固まっている。


”ヒューマン達はわたしのことを毛嫌いしてるので、上手く下界と繋がりませんでした”


「なるほど。この念話みたいのはいつでもできるんですか?」


”いいえ。一度これをすると数十年は回線をつなげません。なので今のうちに聞いておきたいことがあればと思って繋げました。私の残した映像も起動してるようですし、どうやらトラブルに巻き込まれたようですね”


 あの国に降りたいと言ったのは僕だから何も言えないけど、今じゃ無くて転生前にしてほしかったなぁ


「あ、じゃあまず、僕がこの世界に呼ばれた理由を聞きたいです。この世界をなんとかするって具体的にはなんですか?」


”あぁ、特に意図はありませんよ。職業:勇者に選ばれたらこの世界に転生させるというだけだったので”


 え、まさか何の意図もなかったんだ。


”私個人としては意図はありました。貴方は私の見立て通り優しい方だと思っていましたが正解でしたね”


 いや僕は優しいのかな?

 ヒューマン達に報復したいと考えてるんだけど。


”あー言葉が足りなかったですね。弱いモノイジメみたいな、理不尽に対して怒れる方です。それはつまり優しいと言うことです”


 うーん神様の基準がわからない。

 こっちは報復とかも考えないと人を優しいと思うんだけど。


”それは聖人君子です。この世界には職業:聖人なんてのもありますよ”


 へぇ。どうせ協会とかそこら辺だろう。

 異世界物ライトノベルあるあるだ。


「まぁわかりました。要するに亜人達をヒューマンに受け入れさせる。また、ヒューマンから守るのが僕の使命ってことでいいんですか?」


”自由に生きていいんですよ。私の意図を理解してくれているようならよかったです。受け入れさせるのは無理でしょうが、ヒューマン側につかないでくれたらありがたいな程度でした”


 まぁ正直、あの国では亜人が受け入れられるのは無理だね。

 一体どうしたものか・・・。


「あ、もひとつ。僕って種族は魔人なんですか?」


”えぇ。私の加護と言ったと思いましたが・・・”


「それは聞きましたけど、もしかしてこの世界にいるも一人の魔人も異世界人です?」


”いいえ。貴方のように異世界から転生したモノは貴方一人です。ほとんどの人間は転生ではなく転移でこの世界に来ました”


 異世界召喚ってやつか?


”異世界召喚とは別ですね。もう一人この世界には神がいます。名はジョオカで、彼が無効で適当な場所にこの世界とのパイプを百年ごとに繋げています。それに巻き込まれたモノは総じて職業が魔王です”


 あ、やっぱ魔王って居るんだ。


”この前開いたのは2年前なので、貴方が生きている間に出会うかもしれないのは二年前に転移してきたの全員日本人で、男性四人と女性二人です。別に勇者と魔王が敵対するというなモノはありませんが、敵対する可能性もありますがお気を付け下さい。何せ彼らはヒューマンの帝国という国で良い待遇を受けていますので”


 魔王が計六人って。

 でもできれば対峙したくないな。

 同郷ってこともあるし。


「魔王って勇者みたいにステータスが高いとかあるんです?」


”あれ?言いませんでしたっけ?職業:勇者はレベル100になるとスキル上限解放を取得します。つまり勇者のメリットはレベル制限がないと言うこと以外はそれといったモノはありません。逆に魔王のメリットは上限解放がない代わりに、相手のレベルと自分のレベルを同じにする、【平等化】と言うモノがあります”


 え、なにそれ。レベルを上げるんじゃ無くて魔王との闘いはスキルが物を言うのか。

 結果的にレベルを上げることが重要なんだけどさ。

 てかじゃあ身体強化とかそう言ったのは一体・・・


”魔人化以外の貴方のステータスとスキルは貴方の才能です。スキルはこの世界でしか使えませんけど、ステータスはそう言った覚えがあるのでは?”


 たしかに買いたいエロゲーが高くて食費削って、何日も絶食したけど生きてたな。

 体力って以外とあったんだな。

 あのマスカレーダの奴を吹き飛ばす・・・ん?まてよ?あれは身体強化で吹き飛ばしたんだった


「あの・・・この世界の平均のステータスってどのくらいなんですか?」


”平均のステータスは一桁が基本ですね。希に二桁がいますね”


 あ、じゃあ身体強化使わなくても別にマスカレーダくらい倒せたんだ。

 三桁だしね。


”これで聞きたいことは以上でしょうか?”


「いえ。特には・・・」


”それでは機会があればまた10年後お会いしましょう”


「そうですね。色々ありがとうございました」


”いえいえ。では異世界生活楽しんでください”


 そして時間は動き出した。


「今、カリス様から大体聞きました。どうやら魔人はカリス様が加護を残してくれたことで間違いないようです」


「今カリス様と話をしていたのですか!?」


「はい?」


 そりゃ驚くか。神様と話をしていたら。


「せめて感謝を伝えたかったです。神様の使いのネロ様がいなければこの子は死んでいましたし」


「大袈裟な。そういえばその子名前は何にするんです?」


「ルーンにします。生まれる前からこの子にはルーンと名付けると決めていました」


 ルーン。リーンさんに似て美人になるんだよ。


「良い名前ですね。じゃあその子のためにもここよりは環境のいいリーンさんの村に行きましょうか」


「はい!」


 そして僕たちは馬車の中に入り込む。

 御者はバニラ、ミント姉妹だ。

 まぁ僕は運転できないししょうがないでしょう。

 僕たちは馬車でリーンさんの村へと向かった。

一読ありがとうございます。

久々の更新です!

王道展開?を楽しんでいただけたなら幸いです

これからもよろしくお願いします!

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