表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
数多の世界で紡ぐ物語~秘されし神の皇は数多な異世界を渡りその崩壊を防ぐ~  作者: 灯赫
4章 新月の夜に捧ぐ聖杯

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/574

19話 決勝トーナメント最終日⑥

「それじゃあ、始めようぜ……と、言いたいところだが一つ良いか?」


 遂に決勝戦が始まった。

 相手は大陸最強のイスリア帝国、その皇帝であるアルヴァ―ン・イスリアだ。


「何ですか?」


「俺に仕える気は無いか?」


 何かと思えば勧誘だ。

 ただし、僕はこの世界に残るつもりは微塵も無いので考えるまでも無い。


「お断りさせてもらいます」


「ハッハッハッハッ! おお、そうか俺の誘いを断るか!

 面白いじゃないか!

 まあ、いつでも待ってるから気が向いたら来てくれればいいぞ」


「そうですか……まあ、絶対にそんな事は無いですけどね」


「そうか……、まあ、そんな事は置いておいて中々面白い戦いをしてたみたいじゃないか。

 あー。あと、イーズの野郎を倒したんだってな。

 あいつは、中々粘るから俺でも相手にしたくないんだが……イーズを倒した腕、見せてくれよ!

 じゃあ、行くぞ!」


 勧誘に関してはそんなに重要じゃないのか断ったらあっさりと引いてくれた。

 だが、僕がイーズさんを倒したという事で興味を持っているらしくかなり乗り気だ。


 そして、早速アルヴァ―ンさんは腰に差していた剣を引き抜き前に構える。

 その構えからは相当な場数を踏んでいることが伺えた。


 僕も左側に差していた刀、陽華を引き抜くと構えに入る。

 僕とアルヴァ―ンさん。

 両者の視線が交わり、戦闘が始まった。





 最初に動き出したのはアルヴァ―ンさん。

 紅いマントをはためかせ、着ている鎧の重量をものともせずに僕に向かって真っすぐ切りかかって来る。

 僕は陽華を両手でしっかりと握ると刃先を地面に向け四十五度の角度を作り剣を受ける。

 そして、剣を受ける瞬間に角度を微調整し刃を滑らせて受け流す。


「なかなかいい武器だな」


「ありがとうございます」


 アルヴァ―ンさんの切り上げを後ろに下がり回避しながら答えた。

 そして、剣を振り上げたことでアルヴァ―ンさんの視界からほんの一瞬だけ僕の姿が腕に遮られ消える。

 そこを見逃さずに、僕は動き出し刀を下から上に切り上げた。

 が、そう上手くはいかずに半歩後退したアルヴァ―ンさんが剣を滑り込ませて防ぐ。


 ぶつかり合った剣は甲高い音を立てながら火花を散らした。

 僕は刀の角度をずらし、ぶつかり合った状態から脱すると数歩交代する。


「『火は燃ゆる。

 燃え広がる爆炎。

 跳ね散り連鎖する。

 フレイムブラスト』」


 火炎弾がアルヴァ―ンさんの前で生まれ、そこから僕の方に向かって飛ばされる。

 詠唱があったので何の魔法を使うかの予想は付いている。

 そのため、魔法の効果を鑑みて大きく距離をとった。


 ドガン!!  

 バン! バン! バン! バン!


 火炎弾は発動位置から飛翔して、元々僕がいた位置あたりで地面に着弾。

 まあまあな威力の爆発が発生した。

 だが、それだけでは終わらず砂埃の中から小さな火球が飛び出してきて、さらに小規模な爆発が着弾地点の周囲で何発も連鎖して生まれる。


 何度も起こった爆発によって生まれた煙が正面に居たアルヴァ―ンさんの姿を隠した。

 次の動きを十分警戒しながら僕は刀を構えなおす。


 ブワァン!!!!!


 直前に気配を察して右に僕が飛んだ瞬間。

 左側を掠めて何かが通り過ぎていった。

 振り返ると僕の方に剣を突き出し一直線に突っ込んでくるアルヴァ―ンさんの姿が。


 慌てて、今度は左に躱す。

 すれ違った瞬間、アルヴァ―ンさんの体と剣を風が覆っていることに気づいた。

 それから抜けていった方を向けばアルヴァ―ンさんは一度停止している。

 先ほどの突撃は<穿突>と『エアブースト』の合わせ技という線が濃厚。

<穿突>は<迅穿>の剣でおこなうバージョンで効果は直線状に突撃し、剣の切っ先から衝撃波を直線上に発生させると言うもの。

 それに『エアブースト』で突撃の速度を上昇させることで威力の増幅を図ったと思われる。


 アルヴァ―ンさんとの距離は約五メートル。

 ここまでは押されがちであったが反撃に移る。


「『エレメンタルブレイド』」


 僕の周囲に火、水、風、土、光、闇の六属性の剣が出現した。

 サイズは今回、短剣を選んだため長さはそう無い。


「お前も、六属性持ちとはな。

 世界は広いと実感させられるわ!」


 僕の属性付与を見て驚くアルヴァ―ンさん。

 前の試合では八属性攻撃を使ったのだが、見ていなかったのだろう。

 そんなことなど構わずに、僕は短剣を連続して投函する。


 それぞれ、赤、青、緑、茶、黄、紫の軌跡を伴って剣が六方向に飛んでいった。

 その短剣は一本たりともアルヴァ―ンさんの方には向かわずにその周囲の地面に突き刺さる。

 これにはアルヴァ―ンさんも驚いていた。


「どうした、お前がこんな距離で外すはずなかろう」


「まあ、そうですよね。

 ちゃんと意図がありますよ」


 そんなことを言いながらもアルヴァ―ンさんはその場に留まっていた。

 自分には何があっても対処できる。

 そう考えているのではないだろうか?


「六方陣形成、各属性魔力流入。

 穿て! 『エレメンタルバースト』!!」


 僕の言葉と共に六か所に刺さった短剣から光の線を生み出しそれぞれが結合し六方陣を地面に描く。

 そこから短剣に付与された各属性の魔力は魔法陣の方に移動していく。

 そして、魔法は発動され白いエネルギー柱が魔法陣の内部で上空に向けて突き抜けていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ