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数多の世界で紡ぐ物語~秘されし神の皇は数多な異世界を渡りその崩壊を防ぐ~  作者: 灯赫
3章 【幕間】高天原の神秘の街

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5話 日本の上位神

「失礼します」


 襖を横にスライドさせて華奈と二人で中に入る。


「お待ちしておりました」


 中では三人の男女が正座をして頭を下げていた。

 左から青髪の男性、金髪の女性、黒髪の女性だ。

 それぞれ、髪の色と同じような色をした着物を着ている。

 僕と華奈は取りあえず向かいに座った。


「お久しぶりです。天照大御神、須佐之男命、月読命。

 お迎えありがとうございました」


「いえ、神皇様が来られたという事で当然のことです」


「まあ、そんなに畏まらなくてもいいよ。

 敬られる事は慣れてないし、逆に三年前までは敬う方だったからね」


 神皇という位は高く神からも敬われる存在だ。

 ただ、平民感覚はなかなか抜けないもので何だかくすぐったく感じてしまいそういう態度はあまり好んでいない。


「分かりました、善処いたします」


 まあ、そんな直ぐには変わらないよなとは思う。


「こちらが、妻の華奈です。

 神皇妃という扱いで管理上位神の上、神皇の下位と考えてください」


「凪の妻の華奈です。お願いします」


 長年、神を務めていた威厳を感じているのであろうか、華奈は三人の前でスッと綺麗な正座をして少し緊張している。

 まあ、これは慣れだからしょうがない。


「華奈、紹介しておくけど左から須佐之男命、天照大御神、月読命。

 この世界の日本の上位神だね」


 因みに、須佐之男命と月読命の二人だが、今回なぜ静かなのかというと須佐之男命の方はしゃべりだすとうるさいため今回はしゃべるのを禁止されて静かにしているのと、月読命は元々の性格からあまりしゃべらないからである。

 そのため、基本的応対は天照大御神が行っている。


「ご結婚されたのですか、おめでとうございます。

 華奈様ですか。よろしくお願いします。

 それで、今回はこちらに住むことになったという事でよろしいですか?」


「ええ。神社でも話した通り神秘管理部と当たってしまいましたからこちらに来ない訳にはいかず。

 今回は、ここに挨拶と物件探しに来ました」


「そうでしたか、それじゃあもう目的は全部達成しましたね」


「え? えっと、物件探しがまだなんですけども……」


「ああ、それですか。今居る館の後ろにある館を使ってください、お風呂、トイレ、キッチンなど揃っていますのでお使いください」


「えっと……いいんですか?」


「はい。元々、神皇様がお泊りになるように作らせていたものですから」


「あ、そうだったんですか。

 ……取りあえず、内装を見せてもらってからでいいですか?」


「はい、どうぞ。ご案内いたします」


 神皇用と聞いて流石に華美すぎるのも住んでいられないと思い中を一度、見せてもらうことにした。

 横の華奈をチラッと見るが一度頷いてくれたのでいいという事だった。


 そうして、立ち上がった天照大御神の後ろに華奈と一緒に付いて行くことになった。

 なお、須佐之男命と月読命は部屋に残るようだ。

 部屋を出た後に中からア~と気の抜けた声が聞こえたが空耳だと思うことにした。


 部屋を出てからもっと建物の奥に進み縁側の廊下に出た。

 そこから庭の奥に見えたのは木製の二階建ての家。

 多分、目的の建物はあれだ。


「あの奥の木製の家です」


 予想通りだ。

 にしても、金閣寺とかそんな感じに派手じゃなくって良かった。


「一応、向こうには庭を歩いてしか行けないようになっています。

 この館にも来客があることもあるので間違って行かないようにとの配慮ですが大丈夫でしょうか」


「見た目も、離れてるのも大丈夫ですよ」


「ありがとうございます。

 では、向こうに行きますので履物を履いていただくようお願いします」


 すると、庭を装束姿の男性が小走りに来た。

 何事か! と思ったが、玄関で脱いだ僕と華奈の靴を目の前に綺麗に並べると一礼して小走りに去っていった。

 恐らく、天照大御神が事前に呼んでいたのだろうとは思う。


「それじゃあ、行きましょうか」


 僕と華奈が靴を履き終えると、いつの間にか下駄に履き替えた天照大御神が待っていた。

 歩き始めたのでそれについて行く。


 辿り着いた、玄関では天照大御神がカギを使ってドアを開けると先に入るように促してくれる。

 玄関の中に入ると外見とは大きく違って中は洋風の作りになっていた。

 びっくりして入った所で止まっていると後ろから華奈が僕を押して入って来た。


「うわ~。キレイ!」


「まだ、そんなに使ったことはありませんので」


 後ろから入って来た天照大御神が説明を入れる。


「外見は和風なのに中は洋式なんですね」


「そうですね。その方が使い勝手がいいので。

 外から見えていた縁側辺りは和風の作りになっていますよ」


 どうやら和式と洋式どちらもあるようだ。

 少し玄関が混んでいるので靴を脱いで上がる。


「それじゃあ、ご案内しますね」


 僕たちが靴を脱ぎ終えると、天照大御神を先頭に家のツアーが始まる。

 まず、始めに回ったのは一階でここにはキッチン、トイレ、お風呂、リビング、和室、小部屋が一部屋という造りになっていた。

 最初にリビングだ。

 リビングは先ほどまでいた屋敷と反対側の位置にあって窓があった。

 外には小さな池がありまた色々な植物が植えられている。

 中は、テレビが置かれていて、その前には低めのテーブルとソファーが囲むように置かれている。

 その後ろでは、ダイニングテーブルとイスが四脚あった。

 そして、その横にはアイランドキッチンが造設されていて最新の家電なども置かれている。

 華奈は、その設備を見て目をキラキラさせていた。

 次に、廊下を挟んで向かい側にあった襖から入った和室だ。

 ここは外から見えた縁側のある部屋で向かいには先ほどまでいた館が見える。

 壁には、水墨画の掛け軸が掛けられていた。

 続いて見た小部屋は倉庫として使う物だそうで、棚が作られている。

 最後に見たお風呂は、全面が板張りになっていて、檜風呂があった。

 洗い場も、三人分ありかなり広々とした造りだった。

 また、奥には階段があってそれを上がると二階にある露天風呂に直接行けるようになっていた。


 一階を見終わった後は二階だ。

 二階は、部屋が七部屋ある。

 それぞれ、ベッドとクローゼット、机と本棚が備え付けられていて個室になっていた。

 部屋は、廊下の左右に三部屋ずつ。

 そして、突き当りに一部屋でそこだけ部屋が広くなっていて、キングサイズのベットが置かれていた。

 更には、クローゼットが個室化していた。

 そして、ぐるっと家を一周すると再び一階の玄関に戻ってきた。


「ふ~。これで一周だね」


「にしても、いい家だね」


「そうだね~」


「気に入って貰えて何よりです。

 それで、次は地下に行きますよ」


「え! 地下があるんですか!」


「ええ。地下は工房になっています」


 どうやら、二階だけでは無く下にも一階あるようだ。

 天照大御神に連れられて地下に行くのだが階段は二階に行く階段のすぐそばに作られていた。

 一度通ったはずだが見逃していたようだ。

 階段を下った所は円形のホールがあり、三つのドアがあった。

 その先は、栽培部屋、工房、鍛冶部屋だった。

 栽培部屋は、薬草を栽培する用、工房は魔道具や薬の調合などをする用、鍛冶部屋は武器防具を作る用の設備が整っていた。

 こっちの設備は“花園”にもあるのだが家にあるっていうのはいちいち転移する必要が無いので正直ありがたい。

 因みに、ここは空間魔法を使って作ったため部屋の増設が可能なようだ。


 そうして、また一階に戻ると今度はリビングに移動してダイニングテーブルに座る。


「この家はどうでしたでしょうか」


「はい、完璧ですね。

 近いうちにこっちに越してきます」


「それは良かったです。

 それではそのように準備しておきます」


「お願いします」


「それじゃあ一度向こうの屋敷に戻りましょう」




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