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数多の世界で紡ぐ物語~秘されし神の皇は数多な異世界を渡りその崩壊を防ぐ~  作者: 灯赫
3章 【幕間】高天原の神秘の街

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2話 結婚式

 突然告げられた結婚式。

 僕は現在、控室でタキシードに着替え終わった所だ。

 にしても、クルスさんもリリィも城の人達も三日前に帰還した時にはそんな事も素振りも見せていなかったのに準備が既に済んでいるとは驚きである。


 時刻は大体、三時頃だろうか。

 窓から見える太陽はやや傾いているようだ。

 下に見える中庭を見ると既に会場は綺麗に飾り付けられているが現在でもメイドや執事がせわしなく行き交っている。

 結婚式の開始は僕のLランク冒険者としての通り名【黄昏の焔(サンセット)】からとって黄昏時……つまり夕方にとり行われるとの事だ。


 コンコン


「ナギ様、奥様方の準備が整いました」


 窓の外を眺めていると廊下に面するドアがノックされてメイドから二人の準備が整ったとの報告が来る。

 僕は分かったと返事を返すとそのままドアに向かった。





「華奈~、リリィ~、入るよ」


 先ほど報告に来たメイドに二人の控室まで案内してもらった。

 一応、廊下で一度、中に声を掛けた。


「あ! ナギ様が来たみたいです!」


「凪~、入っていいよ」


 扉の中からはリリィの嬉しそうな声が聞こえてきた。

 それと共に、華奈から入室の許可が出たため、声を掛けながら部屋に入った。


 部屋に入った瞬間、僕は二人のドレス姿に目線を奪われ体の全機能が停止したかのように錯覚した。

 体の動きを停止させる麻痺の状態異常に陥ったのじゃないかと思う程だった。

 二人は真っ白いウエディングドレスに身を包んでいた。

 また、それぞれ華奈は桜色、リリィは水色の宝石が所々に散りばめられそれに合わせてウエディングドレスの生地の色も所々白だけではなく桜色、水色の物も使われていた。

 そして、最後に二人の頭の上で輝くのはそれぞれの色をした大きめの宝石で装飾されたティアラである。

 ドレスに合わせて作られている為、とてもしっくり来ると思うと共に、何か見覚えのあるデザインかと思ったら僕の《慈愛》の紋章をモチーフとしたものであるという事に思い当たり少しうれしくなった。


「……」


「凪? どうかな?」


「ナギ様? どうですか?」


 僕が部屋に入ってきて直ぐに止まったのを見て不安になったのだろうか少し浮かない顔をしながら二人は感想を聞いてくる。

 僕はそのことに少し反省しながら笑顔を見せて感想を言った。


「二人とも、予想以上にすごくて動きが止まっちゃったよ。

 心配しなくてもいいよ、二人ともすごく綺麗だよ」


「やった! あ、凪もとってもかっこいいよ」


「ありがとうございます! ナギ様もかっこいいです」


 僕の答えを聞いてさっきの顔はどこに行ったのやら嬉しかったようで満面の笑みを浮かべた。

 それと一緒に僕の方の感想もくれた。

 そして、取りあえず座ろうと二人に両腕を引っ張られて中にあったイスに三人で座った。


「にしてもそのティアラ、びっくりしたよ。

 僕の紋章がモチーフ?」


「はい! 私がデザイナーの人に頼みました。

 とっても大事なものですから」


「うん。ありがとう、リリィ」


「ナギ様の為ですから気にしないでください」


「うん、そうするよ」


「それで、リリィちゃんはいつごろから結婚式を計画してたの?」


「えっと……ナギ様に指輪を貰って結婚した当日です。

 その日にお父様と話し合って魔王討伐が終わったらと」


「え! そんな前からだったの!」


「はい。おかげでナギ様と華奈ちゃんにぴったりの服を用意できました」


「そうだったんだ~、リリィちゃんありがとう」


「はい! やった甲斐がありました」


 僕たちは話をしながら呼ばれるのを待った。

 時々、窓から中庭を見るとどんどん人が増えていくようでった。


 それからしばらくして窓の外から話し声や笑い声などが聞こえるようになってくる。

 もうそろそろ呼ばれるだろうかと思っていた所でちょうど扉がノックされてメイドが式を始めるので案内するということだった。




 そうして、僕たちは中庭に面するド扉の前に着いた。

 ここに移動してくるまでにメイドから聞いた説明によると、最初に僕が入場。

 そのあと、リリィと華奈が入場してきて参列者の前で宣誓する。

 それで、式は終了となり、その後は場内のホールで披露宴を行うそうだ。


「ナギ様、会場の方へお願いします」


 その言葉に従って僕はメイドによって開けられている扉を抜けて中庭にある特設会場に歩みだした。

 扉を出てすぐ、足元にはレッドカーペットが敷かれており向かう先にはクルスさんが中央で立っていた。


「此度の新郎、ナギの入場だ!」


 クルスさんは入って来た僕に一度目を合わせると今回参列している貴族に向かって僕の名前を紹介する。

 それに合わせてレッドカーペットをゆっくりと進みだす。

 カーペットの左右には今回呼ばれた王国内の貴族、また他国の貴族、そして大規模な商会の会長など国の重役が参列している。

 イスが並べられているが全員立ち上がって拍手を行っていた。

 予想以上の人数に内心驚きつつも、僕は無事にクルスさんの所までたどり着くとクルスさんと来場者にそれぞれ一礼してからクルスさんの横に控えた。


「では続いて新婦の入場だ!

 我が次女のリリィだ!

 併せて、ナギの一人目の妻でもある華奈も入場する!」


 その声と共に全員の視線が入場ドアに集まる。

 そうして、ゆっくりと開いていくドアの中から二人が一緒に歩いてくる。

 拍手に包まれレッドカーペットを歩く二人には最高の笑顔が浮かんでいた。

 拍手をしながら、僕はクルスさんの横で二人がたどり着くのを待つ。

 夕日を浴びた二人のドレスは一歩進むごとに散りばめられた宝石がキラキラと輝きとてもきれいなものだった。

 二人とも綺麗だな~と考えている内にも二人の歩みは進み間もなくして僕の所までたどり着いた。


「それでは、此度、この三人の結婚式を執り行う。

 皆の者。よく集まってくれた。

 今日はこの三人を目一杯祝って欲しい!

 それでは新郎、新婦前へ」


 その言葉と共に僕たち三人はクルスさんの前で向かい合って立つ。

 今回、クルスさんは神父役となっている。


「では、指輪の交換だ。

 始めにナギから二人へ」


 僕は、このために外していた二人の指輪を取り出すと、差し出された二人の手にそれぞれ指輪をはめていく。

 そうして、それを終えると一歩下がった。


「続けて二人からナギへ」


 そう言われ、僕は手を二人の方に差し出した。

 二人は手を上下に重ね合わせるとリリィが主体となって僕の手に指輪をはめてくれた。

 そうして、クルスさんは終わり、僕たちの視線が自身に向いたことを確認すると誓いの言葉の方に移る。


「では、ナギよ。リリィ、華奈の二人を妻として、汝健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」


 僕は、この言葉を聞きながら二人と過ごした時を一度振り返る。

 そうして、一度大きく深呼吸をした。


「はい! 誓います!」


「続いて、リリィ、華奈よ。ナギを夫として、汝ら健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」


「「はい! 誓います!」」


「宜しい。ではナギ、華奈、リリィの結婚をドゥルヒブルフ王国国王クルス・ドゥルヒブルフ・フィアルによって認め、これを宣言する!」



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