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数多の世界で紡ぐ物語~秘されし神の皇は数多な異世界を渡りその崩壊を防ぐ~  作者: 灯赫
2章 召喚勇者と邪神の怨み

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40話 魔王対策会議

 邪神の策略によって王国と帝国の戦場だった場所の地下で休眠していた蟻型の魔王が再び活動を開始。

 王国軍は陣地を畳んで“リッテ”に後退するとともに勇者を出動させることになった。

 一方で気絶していた帝国兵たちは目覚めた者から順に地面から湧き出す巨大な蟻を見て散り散りに逃げていく。


 魔王活性化の魔法が発動してから約半日。

 王国軍は“リッテ”の外で陣地を張り直した。

 その間に戦地を確認していたが、そこでは大量のアリたちによって守られている巨大な穴が出来ていた。

 その中からは蟻が今も出てきているので巣につながっていると見て間違いない。


 そして、現在はこの場にいる要職と勇者たちを集めた緊急の魔王対策会議が開催される。

 会議は王子ルスス、王女リリィと軍隊長格六名、そして魔王討伐メンバーの勇者たちが参加した。


「それでは、緊急の魔王対策緊急会議を開始します。

 事の発端は今日、昼間の帝国との戦闘中の事。

 邪神の使徒となっていた帝国の兵士が休眠していた魔王を活性化させたことです」


 ルススさんが司会となって会議が始まった。


「じゃあ、リリィ。

 詳細の説明を」


「はい、では戦況の説明を含めてお話させていただきます」


 とりあえずは現状の確認から。

 帝国軍との会敵は昼頃のこと。

 僕が六人の精霊を召喚して左翼、右翼、中央に二人ずつ派遣。

 それぞれ圧倒的な力によってほぼすべての兵士を気絶、指揮官の首を落とした。

 ここまででおよそ十分。

 その後に、中央にて集合し帝国皇子ロイアを捕虜として確保。

 陣地に帰還しようとしたところで帝国軍方面から攻撃を受け確認した所、帝国軍内で数名の兵士が立ち上がっていた。

 その帝国兵たちが、直後に呪文を唱えて地面に魔法陣を組み上げ高速で魔法を発動。

 精霊のうち一人がそれを魔王活性化の魔法だと断定。

 大量の蟻が湧き出してきたために僕は撤退を選択した。


「以上が現在までの流れとなります」


「うん、ありがとうリリィ。

 このまま、次の作戦についてもお願いして良いかな」


「はい、じゃあ続いてこれから先の予定。

 の、提案となります」


 一度、ルススさんによる話の転換を挟んで再びリリィが話し始めた。


 リリィの提案する作戦は魔王と帝国の二面作戦。

 まず魔王について。

 こちらは予定通り、勇者たちが対応に当たる。

 ただ、蟻の数も多いため<世界耐性>の無い眷属蟻を倒すために一般の冒険者を緊急で招集。

 そちらを二つに分け、片方は地上の蟻の討伐。

 もう半分は勇者に同行して巣の内部の蟻の討伐をおこなう。


 それと並行する帝国への対応。

 こちらは僕たちが対応する。

 具体策に関しては、今のところ帝都に乗り込もうかと思っている。


「以上です」


 そうして、話を終えたリリィは着席した。

 と、そこで藤堂が手を上げた。


「勇者様、どうされましたか?」


 ルススさんが尋ね、藤堂が声を上げた。


「えっと、魔王の討伐はいつ頃の開始を考えていますか?」


 それに答えるのはリリィだ。


「まず、今から一週間ギルドで依頼を出して冒険者を集める予定です。

 そして、八日目に冒険者を招集して説明と合流。

 準備が整い次第出発の予定です」


「王女殿下、ありがとうございます。

 その内容で問題は無いです」


 その後も続々と出されてくる質問に担当者が答えていき約一時間が経った。

 質問が止まり、計画が少し修正されたのちに採決を取って全会一致で可決となる。

 そして、最後にもう一度計画の再確認をした後に解散となった。


 僕たちは会議をおこなったテントを最後に出ると、月明かり照らす陣地の中を自分たちに割り当てられたテントに帰還した。


「凪、遂にだね」


「邪神が尻尾を見せたし魔王も出てきたし。

 ここからが正念場だな」


「けど、凪?

 邪神の所在地は分かってるの?」


 当然の疑問だ。

 ただ、それに関しては既にノイマンの調査済み。

 けっこう予想外の結果が返ってきている。


「ノイマンによると帝城の中にいるみたいだよ。

 まあ、軍の兵士に眷属を紛れ込ませたぐらいだからね」


「城に入ってるんですか!」


「だから、さっきの会議では帝都に侵攻とか言っといたけど帝城に直接侵入しようかと思ってるからそのつもりでね」


 その後、二人とさらにノイマンを加えて帝国へ出発する時期を相談して決定した。



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