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数多の世界で紡ぐ物語~秘されし神の皇は数多な異世界を渡りその崩壊を防ぐ~  作者: 灯赫
4章 新月の夜に捧ぐ聖杯

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27話 宝石魔法

「会場に居る人々よ! 朗報だ!

 優勝者であるナギが聖杯を持って帰還した!」


「「「「「お、オォォォォォ!!!!!」」」」」


 会場に入るとすぐにゴッホルテさんがマイクを持ち僕の帰還を宣言した。

 その時、各々時間を潰していた観客たちは一瞬、反応できずにいたがゴッホルテさんの横で聖杯を掲げる僕を見ると状況を理解して歓声を上げた。


 それから、少し挨拶などをして大会は終了となった。





「これで、今回の目的も無事達成だね」


「うん、聖杯を回収できたからね」


 四人は既に<箱庭>に戻ってきており、かなり遅い食事をしながら話をしていた。

 夕食は、そんなに時間を掛ける気が無かったので取りあえずラーメンを茹でて食べている。


「明日、街を散策してから帰る、ってことで良いんですか?」


「うん、お金も使っておきたいしね。

 メアリーも明日はメイドはしなくていいよ」


「あ、ありがとうございます」


 ラーメンを吟味していたメアリーはいきなり声を掛けたため肩をビクッとさせて驚いてしまったようだった。


「まあ、今日は遅いし食事が終わったらシャワーを浴びて寝よう」


「うん」

「はい」

「分かりました」





 そして、翌朝。

 四人は街に出てきていた。


「よし、じゃ~行こ~!」


 華奈を先頭にして僕たちは街の散策に乗り出した。

 優勝をしたことで顔がある程度知られているという事もあり、今日は周囲からの認識を外している。

 度合いとしては、あれ? なんか見たことあるんだけど誰だったかな? 位である。

 まだ、聖杯争奪戦の翌日という事もあり人は多いが開催中のここ数日間程の多さではない。

 一応、はぐれない様にだけ注意している。


「それで、華奈。

 どこに行くの?」


「う~ん。……あ、あのカフェに入ろ!

 そこで、それからは考えようよ!」


 華奈が指さす先の街角にはカフェが開店していた。

 女性客が多く入店しており、ケーキを食べながら談笑しているのが目に入る。


「二人ともどうする?」


「入りましょう! ナギ様」


「メアリーは?」


「えっと……はい。私も入りたいです」


 メアリーは弟子兼メイドになってから、メイドとしての心意気であろうか自分の意見を控えるようになってしまったため、本音を聞き出すのに少しの間、しっかりと目を合わせておくことが必要になった。

 これをすれば、耐えられないのか本音を出してくれるのだ。


「うん、じゃあ入ろうか」


 そうして、僕たちはカフェに入店した。





 案内された席は、街の大通り沿いの窓際の四人席。

 うまい具合に日差しが入って来ていて心地よい席だ。

 注文は入店時に行ったのでケーキと紅茶はすぐに届いた。


「さて、このままゆっくりお茶をするとして……この後どうしようか?」


「お金を出来るだけ使うんでしょ~。

 だったら、アクセサリー見に行かない?」


「華奈ちゃん、良いですね。

 それならお金も使い切れますね」


「うん、僕もそれで良いよ。

 メアリーもそれで良いよね?」


「はい」


「じゃあもう少しゆっくりしてから行こうか」





 本日二度目の鐘が鳴った。

 朝の九時から三時間ごとに鐘は鳴るため今は十二時だ。

 僕たちは先ほどカフェを後にしてアクセサリーショップを目指して街を歩いている。

 聞いたところ、アクセサリーショップは街にいくつか有るみたいなのだがコロッセオの北側にある貴族街のアクセサリーショップがデザインや質が良いらしいのでそこに向かっている。


「あ、あれじゃない?」


 先頭を歩く華奈が目的の店を発見した。

 目的の店は、通り沿いの前面がガラス張りになっている二階建ての建物で入り口横にはネックレスの絵が掛かっていた。

 この世界はある程度魔法が普及されたいるため、ガラスの生成など一部近代的な文化も見受けられるのである。


「いらっしゃいませ」


 店舗に入ると元気のいい声で挨拶が掛かる。

 そのまま、僕達四人は入店する。


「何かお探しですか?」


「あ、取りあえずどんなのがあるか見るんで大丈夫です」


「分かりました。

 何かございましたらお申し付けください」


 そう言って、店員さんは下がっていった。

 取りあえず、目の前にあったショーケースから見始める。

 中には大小さまざまな宝石が嵌った指輪が多数並べられていた。

 指輪に関しては二人には既に贈っているので必要というわけでは無い。

 また、二人の反応を見てもそんなに欲しそうでは無かったので購入はしない。


 次に見たケースの中には大小様々な大きさをした色とりどりの宝石が並べられていた。


「こっちは宝石ですね」


「うん、そうだね。

 この宝石を使ってアクセサリーに加工するのも良いと思うよ」


 “花園”では鍛冶用のスペースもあり、彫金も出来る。

 そう言う風なのも良いなと思う。


「ねえ、凪~」


 と、既にデザインを考え始めていた所で華奈から声が掛かった。


「ねえ、宝石でさ~、あれ出来る?」


「あれって?」


「宝石魔法。

 アニメとかで宝石投げてー、魔法が発動したりとか、魔力タンクとか」


「う~ん、出来るっちゃ出来るね」


 有名アニメの中に宝石に魔法を付与しておいていざという時に投げたりして使うというものがあった。

 華奈は、それを再現したいとの事だ。


「宝石自体は魔力の伝導率が良いから、何種類か方法は思いつくんだけど~。

 まあ、分かりやすいのだと宝石自体に付与スキルとして似たようなのを付与するか、想像魔法でそう言う魔法を作り出すかだね。

 後は、魔力タンクの方は魔石じゃないと難しいかな。

 出来ないことは無いけど、どんどん漏れ出していっちゃうね」


「ふ~ん、そうなんだ」


「華奈はやってみるの?」


「うん、取りあえずお試しでやってみる!」


 と、いう事で僕たちは大量の宝石(宝石魔法用+装飾品加工用)を購入し大量にあったお金の殆どを消費して店を後にした。


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