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数多の世界で紡ぐ物語~秘されし神の皇は数多な異世界を渡りその崩壊を防ぐ~  作者: 灯赫
4章 新月の夜に捧ぐ聖杯

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26話 コロッセオ帰還

「ふぅ~。終わった~!!」


 華奈は両手を大きく広げて背伸びをすると、真っ白になった床に寝転んだ。

 リリィやメアリーも軽く汗を拭っていた。


「ナギ様はこれからどうされるのですか?」


 正式な管理神に昇格されてミラさんの神々しさは最初に会った時よりも格段に上がっている。

 そして、ミラさんのその姿は純白の部屋にとても馴染んでいた。


「えっと、下に戻ってから置いてきた黒服の男を持って一度コロッセオに戻ろうかなと思うよ」


「そうですか。

 私は、これからは管理業務がございますのでここでお別れとさせてください」


「うん、そうだね。

 まあ、こちらから任せたって言うのもあるからね。

 こちらからもよろしく頼むよ」


「はい!

 誠心誠意お仕事をこなしたいと思います」


 ミラさんの気合いは十分だ。

 これなら心配せずに任せられる。


「それじゃあ、三人とも帰るよ!」


「「はい」」


「あ、ちょっと待って~」


 寝っ転がっていた華奈は急いで起き上がっると、先に部屋の出口に向かう僕たちに追いつく。

 それから、みんなで神域の出口まで移動した。


「それじゃあ、ミラ。

 よろしく頼むね」


「はい。

 精一杯頑張らさせていただきます」


 神域の出口の前で最後の挨拶を交わす。

 ミラさんはこのまま管理業務があるためここでお別れだ。


「じゃ~ね~。ミラちゃん」


「ミラさん、応援していますので頑張ってくださいね」


 華奈とリリィの二人も応援の声を掛けた。

 メアリーはメイドとしているようで一度頭を下げただけで、僕たちの傍で控えている。


「はい、三人もありがとうございます」


 そして、ミラさんは深々と頭を下げる。

 このまま、入り口前で居座るわけにもいかないのでそろそろ下界に帰ることにしようと思う。


「よし、じゃあ行こうか」


 三人に声を掛けると、僕たちはミラさんに見送られて神界を後にした。





「ふぅ。戻ってこれたね」


「うん。そ~だね、凪」


 辺りを見渡せば未だに星の煌めく夜だ。

 神界での時間の流れは多少遅くなっていたのであまり時間は経っていない。


「え~っと、あ、いたいた」


 僕は、少し辺りを見渡すと置きっぱなしにしていた黒服の男を拾い上げる。

 男は未だ気絶している為、動きは無い。


「よし、じゃあ街に戻るか」


 そうして、“アフリト”まで草原を一直線に歩き始めた。


「凪~、この後はコロッセオに戻ってどうするの?」


 歩き始めたところで華奈は今後の話を始める。

 バグ聖杯も回収(凪の<宝物庫>内)出来ている為、この世界でやり残したことは無い。


「あ~っと、取りあえずこの人をどっかしらに突き出してから明日の昼あたりに帰ろっかな~、とは思ってるよ。

 明日はもうちょっと観光もしておきたいし、二人も賭けでお金増やしたけど使い道も無いしね」


「うん、確かに凪に賭けまくってたけど使い道考えてなかった」


「私もです」


 この世界で稼いだお金の殆どは金で出来ている。

 その為、このまま持ち帰っても色々な使い道はあるのだが、大量に持って帰ってしまうとこっちの世界での流通通貨量が減ってしまう事になるので出来るだけ持ち帰る量を減らしておくことが好ましい。


「メアリーもそれでいいかな?」


「はい、問題ないです」


 三人も問題ないようなので明日の予定は街巡りに決まった。

 と、そうこうしている内に門を抜けて街に入った。

 僕は黒服の男を担いでいる為、多かれ少なかれ視線を集めていたのだが……。

 ある人が気づいてしまった。


「あ、ナギさんですか?」


「あ、はい」


 道を歩いていた人がいきなり話しかけてくる。

 名前を知っている限りコロッセオに居た人だろうか?


「優勝、おめでとうございます!

 それが、聖杯を持っていった人ですか!?」


 テンション高めのその人の声は否応無く周りの視線を集める。

 コロッセオ帰りの人が半数を占めていたようで多くの人が集まって来る。


「うん、そうだよ。

 今からどこかしらに突き出そうと思ってね」


「あ! それならコロッセオに向かってもらえればいいと思いますよ。

 観客の半分くらいは戻って来ると思ってまだ客席にいますし、主催者側も聖杯を奪い返すために動いているみたいですよ」


 そんな事を教えてくれたためコロッセオにこのまま向かうことにした。





「「「「「ワァァァァァ!!!!」」」」」


 コロッセオに向かう道すがら。

 どんどん人が集まってきて小規模なパレード状態となっている。

 幸い、進路は開けてくれるのでコロッセオまで問題なく移動できている。

 そのまま集団をどんどん大きくしながらコロッセオの外までたどり着く。


「おお! ナギ様、戻ったのですか!」


 コロッセオの正面入り口の前にそう大きな声が響く。

 そこに居たのはボットルテさんだ。

 数名の騎士を引き連れて伝令役と思われる人に何かを伝えていた所であった。

 そんな中、こちらに気づいて声を掛けてきた。


「先ほどはすいません。

 突然だったもので」


「いやいや、こちらも警備が甘かったようで大変申し訳ない。

 ……それで、そこに担がれているのはもしかして?」


「はい、犯人です」


「おお! それは大変良かった。

 聖杯も無事回収できたのでしょうか?」


「はい。この通り無事です」


 そう言って僕は<アイテムボックス>内から聖杯を取り出すと周りに見せる。

 辺りに居た人々からはおお~!! との声が上がった。


「おお、それはおめでとうございます。

 どうでしょう?

 会場の中ではナギ様をお待ちになっている方もおられますのでそこでも見せていただけないでしょうか?」


「良いですね、早速行きましょう!」


 街に入ってから聞いていた話だったので即答だ。

 僕達は、ボットルテさんの呼んだ騎士に黒服の男を渡すとコロッセオの中に入っていった。


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