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奇跡の闘病記録  作者: なかさん
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大学病院搬送

大学病院に搬送   


       

8月15日 月曜日   朝8時

 「ちょっと、なりゆきのお腹、変よ!」

 「ほんまや!何でこんなに、膨れてるねん。きのうの点滴500mlの水分よう排出できへんのとちゃうか」

 「早く医大病院連れて行こ、早よ診てもらわんとえらい事に成るんと違うか?」

私はなりゆきを急いで車に乗せ、高槻駅前の大阪医科大学付属病院二階の小児科へ駆け込んだ。

病院に着くなり小児科の先生がなりゆきの症状を見て「これは、いかん!お父さん、なんでここまで放っといいたんですか?兎に角早く!現在意識レベル300や!このままやったら死ぬぞ!ぼく!ぼく!聞こえるか?ぼく!」

このやりとりと、看護婦さんの異常な対応を見た妻は気を失いそうになっていた。

「とにかく、入院の用意や!酸素マスクを早く!小児病棟の空きはあったか?」

「いえ!今、いっぱいです」

「そしたら緊急やからいうて四階の内科を空けてもらってくれ、大至急だ!」

「膀胱洗浄をするから、パイプとバケツ持ってきてくれ、もう膀胱と括約筋が機能していない!レベル200やから、脳からの司令がストップしてるんやなあ....早よせなあかん!!」

「先生、どうなんですか?」このやりとりを聞きながら私はおそるおそる聞いた

「おとうさん、あと1時間遅かったらこの子は確実に死んでました。意識レベル200というのは相当ひどい状態です。しかし今でもまだ何とも言えない状態です。なんとかできるだけの事はしますが・・・」

「本当ですか!!なんとか先生、お願いします。」

「わかってます、お昼から頭部のスキャナーを撮影しますので詳しい判断はそれからです。2時から背中の髄液を採取します、とても痛い処置ですが幸い本人はこの状態だと痛みは感じないでしょう。結果は夕方お知らせしますのでその時は、お父さんお母さん両方揃って聞いて下さい。だいたい6時位になります。」

この言葉を聞いて「なんという事になってしまったんだ」という無念の気持ちと、「じゃあ、昨日の救急病院のあの処置はいったいなんだったんだ」という憤りの気持ちでいっぱいでした。

ただ、まだこの時には「といっても、危機一髪で連れてきたんだからなんとかなるだろう」という期待をこめた気持ちがまだあった事は事実です。

その甘い気持ちは夕方には完全に消し飛んでしまうのですが・・・


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