津波
真夜中の浜辺
恐ろしいほど深く 恐ろしいほど広い海に
追い風と共に吸い込まれそうになる
街で人とすれ違い
言葉を送るも 波の前では冷える風
かつて共に汗と涙を流し戦った友
その目
波に飲まれては 気付くはずもない
私のこの想いよ
地平線に見えるあの微かな光に
どうか届いてはくれぬだろうか
と歌う少女
溺れていることには気付かない
荷物を乗せた帆船
大海原を勇敢に航海するも
消息不明
笑い声がきこえる
波の中から高らかと
そうきこえる、風の音
これをたまたま見てくれた人も、自分も、何ら変わりないのかも知れませんね。
そんな世界になったと思います。