第1話 あなたは転生するようだ
所々おかしいところがあると思いますが気にしないで下さい。
息抜き作品ですので完結するかは不明。
あなたは横断歩道を歩いていた。
信号もある横断歩道だ。交通量はそこそこと言ったところ。あなたがよく通る道にある。
信号機の色は青色、つまり歩行マークの緑色と白色が発光していた。
しかし、周りの悲鳴を聞き、横を振り向いたあなたの目に映ったのはよく見る二tトラックだった。
ただ、走ってる姿を正面から見るのは初めてだ。
あれ、さっきまで何もなかったはずなのにと思うと同時にもう1つのことをあなたは思った。
───転生トラックじゃないか、と。
その場には人間だったものが残った。
トラックはそのまま逃走。警察は捜査するも捕まえることは出来なかった。二、三日もすればニュースは止み、お茶の間から忘れさられる程度の事故だった。
「突然ですが、貴方はお亡くなりになりました」
ふと気付けばどこを見ても真っ白な空間に立っていた。
唯一の色彩は目の前の人だけだ。
この世のものとは思えない美貌。誰が見ても美しいと感じるだろう。ただ、そこに居るだけで空気が変わるような存在だ。
あぁ、美しい。
「……ありがとうございます」
おや、と貴方は思った。
声には出してないはずだ。なのに返事が返ってきた。
一体何故だろうと思い、今初めて目の前の存在に問いかける。貴方は一体、と。
「あぁ、失礼しました。私は神です」
人の心が読めるんですよ、そう付け加えた。
そこであなたは最初言葉を思い出す。確か、あなたはお亡くなりになりました、とか。
なので訊ねることにする。
私は死んだのか、と。
「えぇ、そうです。残念ながらあなたは死んでしまいました」
それを聞いたあなたは、もう一度この状況を確認した。
そして、あなたは知りたいことがあったので訊くことにした。
これはもしや、転生というやつか、と。
あなたはこの手の物語が好きだった。時間を見つけては読んだ。ただ、ひたすら読んだ。
主人公が神からチートを授かり、異世界へと旅立ち、そこで力を思うがままに振るって活躍する姿。勇者と呼ばれる正義の味方だったり、まったり仲間と旅をしたり、領主になって技術革新したり、時には悪役だったりと、そんな様々な姿を見ては、純粋に楽しんだ。
あなたはとても期待していた。今度は自分がそうなるのか、と。
「残念ですが……違います」
返ってきた答えは無情だった。あなたは目の前が真っ暗になった。
「なりませんよ! それに、なるならは真っ白です!」
ちっ、とあなたは舌打ちをした。転生しない時点で嫌な予感がしたので逃げようと思ったが、逃げられないらしい。
まぁ、確かに周りは真っ白だが……。目を瞑るだけだ。
「話を聴いて下さい」
ピシャリと言われてしまった。
心を読めるというのは厄介なものだ。
それで、とあなたは現実逃避を諦め、微かな希望を胸に抱きながら耳を傾けようとする。
その口から転生という言葉が出てくることに。
「確かにそういう転生があるのは否定しませんが……」
ならなにをどうする気だ。そうあなたは訊ねる。
「いや、転生ではありますよ?」
あなたは少し喜ぶべきか悩んだ。まだ、どうなるのか分からない。
「あなたはトラック運転手に転生してもらいます!!」
は? あなたは思わずそんな声を出してしまった。
なんで次の人生もあの世界で労働せねばならんのだ、と激しく思った。そのまま口に出した。
「いやいや、ただのトラック運転手じゃないですよ?」
普通のトラック以外にどんなトラックがあるんだ。
武器の密輸でも担当するトラックか?
あなたは機嫌が悪くなるのを自覚した。
しかし、そんなの構わず目の前の神と名乗る存在は続ける。この存在が段々と胡散臭く感じるようになって来た。
いや、今更か?
「なんと、転生トラックの運転手です!」
は……?