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携帯電話の海

作者: 豊田零

あぁ、今日もうるさい


朝の8時

起きて1番最初におもうことだ

音なんて慣れてしまうと思っていたが

舐めていた

これでは爽やかな朝などというものは夢の遠くの話ではないか

身支度をしながらテレビを付ける

時計を見ると朝の9時

そろそろかと思った瞬間

突如うるさくなった

急いで防音カーテンを閉めた

かなり聞こえなくなったがまだうるさい

パソコンをつけて仕事を始める

仕事と言っても株価を眺めるだけだが



俺もその口だが会社の違法性に嫌気がさし会社をやめてこうして株や仮想通貨、自営業を始める人がとても多くなった現代

所謂ブラック企業の問題はその昔より非常に膨らみ

会社ではなく人生を辞める人があとを耐えない

そんな人は皆この場所に来てその身を投げる


ここに住み始めてもう3年たつが

毎日人生を終える人が来るこの穴には

とてつもない量の死体と

その人達が持っていた携帯電話やスマホが詰まっていた

ああ、死にたくなるのも納得だ

未だにその携帯電話やスマホには

会社からの出勤命令だろう電話がかかってくるのだ

その音は朝の8時~9時過ぎまでなり続ける


携帯電話の海が

怒ってる


休憩の片手間に

今日もその穴を眺めてる

今日も空から降ってくる

今日もまた

音が増えた


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