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第1節 勇者召喚(1)

グロ描写入ります

あ、お気軽にブクマ等よろしくお願いしますね!

「おぉ、あなた方が!!」


目を開けるとそこは見知らぬ天井。今度こそ見知らぬ天井だった。

激しい光が、それこそ閃光手榴弾、又はポ○ゴンフラッシュのそれと同等くらいのはずだったのに、目に痛みは残っていない。

まぁ実際にどちらも見たわけではないから分からないけど、それくらいだろう。



「ここは......?」


クラスの誰かが言った。

声的には女子だったと思うが、無論俺に女子との絡みがあるわけでもなし、誰の声かなど分かるわけもなかった。


「ここはアイマール大神殿でございます。勇者様」


ふむ、わからん。

まぁ神殿の名前なんてパルテノン神殿くらいしか分からないのだが。


黒羽はぐるりこの空間を見る。


馬鹿でっかい柱が左右対象に並んでいて、後ろには出口、前にはいかにもな女神像と、古代の神かよ!ってツッコミを入れたくなるようなローブを着込んだ爺さんがいた。

あと柱の影に、何やら剣を持った兵士が隠れている気がする。

一瞬しか見えなかったから判断出来ないが。こちらの視線に気付いて姿を隠したのだ。


はぁ......やばい雰囲気と、面倒なことが起こる気しかしない。

最後の勇者様というワードについては触れないでおこう。


「すいません、勇者とは何なのでしょう?」


一人の爽やかな雰囲気の男性が手を挙げたあと尋ねた。

この男は黒羽のクラスメイトであり、カースト最上位グループのリーダー格である、天ヶ崎隼人(あまがさきはやと)だ。

別に隼人本人から直接虐められたことは無いが、影で笑ってるような陰湿なやつというのが、黒羽の中での印象だ。

実際に隼人は、黒羽に対する虐めに対しては傍観を決め込んでいた。



まぁそんなことは今は置いておくとして、お前さ人の話聞いてた?

触れないでおこうって俺言ったよね?

言ってないか。

どうせ、なんて言われるかなんて想像に難しくないだろ?

わざわざ聞かないでほしいというものだ。


「そうですな!ではこの世界の現状と、私たちの願いについてお話させていただきましょう」


そう言って意気揚々と神官?は語り出した。

ストーリースキップとかあれば是非とも使わせていただきたい。

説明書は読まない、メインストーリーも読まない。

ゲームは絵とシステムさえよければ楽しめる!というのが、俺のプレイスタイルなのだ。


「____という事なのです」


では、長々と皆様に説明するのもなんなので、要点を掻い摘んで、この私、八咫黒羽が説明いたしましょう。


誰に説明するのかって?んなの知るか!

こういう時はこういうものなんだよ!



まず、魔王が復活した!

復活した魔王は軍を差し向けて、周辺の国々を滅ぼした。

それに怒って大国と呼ばれる国々が魔王軍に対して、軍を派遣した。

もちろん魔王軍によって軍は壊滅。

このままではこの世界は魔王の物になってしまう。

そんな時にとある学者が、過去に魔王が復活した時は、勇者と呼ばれる異世界人達が魔王を封印したと言った。

何とかして勇者召喚の儀式のことを突き止め、召喚を行ったのだそうだ。

そして神官たちの願いとは、無論魔王を倒してほしい、ということだった。

テンプレ乙!!



ハハハ、乾いた笑いしか出ない。

勇者召喚?

阿呆か。

なんで知らない赤の他人のために命懸けて戦わなきゃならんのだ!

さっさと元の世界に返せ!!って野次が飛んだ時は便乗して叫んだものだ。

だが、ある一言を気に俺たちは野次を飛ばすのをやめた。


『異世界から召喚された勇者には特殊な力が与えられる』


召喚してくれてありがとうございますっ!とまでは流石にならないが、まぁ悪くはないのでは程度には思えるようになった。

手のひらくるっくるである。


人間1度は憧れたことがあるのではないのだろうか。

自分だけの特別な力で英雄になりたい。

つまり英雄願望というやつだ。

強くてニューゲームとやらだ。

特にそれが強いやつは厨二病と呼ばれる病気になるわけだが......


あああああ!!!!黒歴史を思い出してしまったぁぁぁ!!!

壊れそうになる精神を何とか維持しつつ、記憶に鍵を掛ける。


ふぅ〜......危ない危ない。

黒の聖域ダークネスサンクチュアリによって闇堕ちさせられた伝説の勇者であった頃の記憶が蘇りそうになったぜ!


若干の黒歴史を暴露しつつ、黒羽は冷静を取り戻したのだった。




閑話休題。

黒羽は意識を現実世界に戻す。


「話は分かりました。ですが、僕達にも生活というものがありまして、元の世界に戻ることは出来ないのでしょうか?」


天ヶ崎が神官相手に交渉をしている最中であった。

というか、勝手に連れてきて、勝手に世界を救ってくれだ?

こんなので頷くのなんてよっぽどのお人好し(バカ)しかいないのではないのだろうか?

というか、流石にそこまでのやつはこの世界にはいないだろう。

特殊能力で舞い上がって、俺だけのハーレムを異世界で!みたいな馬鹿はいるかもしれないが。


つまり小説の中のキャラクターは、所詮創造物だということだ。

現実を見ろ!

うむ、異世界だ。

アハハ......これもうわかんねぇな。


深いため息をつきながら、二人の話に耳を傾ける。


「それは確かにそうでしょうな......ですが、私達は勝手にここに連れてきた訳では無いのです。誰かの願いを叶えるという形で皆さんをここに呼んだのですよ。誰か別の場所に行きたいと望んだものはありませんかな?」


ンンン???

心当たりしかないのだが。

あ、そう言えば、頭の中に『受諾』って聞こえたような。

おっと、まさかクラス全員が異世界召喚されたのって俺のせいか?


アハハハハ!!

ざまぁ!!!

今まで散々虐めてきた天罰なんじゃねーのか?

どうだ?大切な学園生活をカースト最下位の俺に潰された気分は!!




ふぅ〜。頭の中で散々煽って少しスッキリしたので、一度クールダウンしよう。

もちろん声には出さない。

間違いなく殺されるからだ。


さてさて、これからは俺が原因だと言うことはバレないようにするのが第一目標だな。

話し掛けられたりしないから、相当のことが無い限りボロは出さないが。



「はぁ......分かりました。ですが、巻き込まれただけの人達はどうするのですか?ここにいる殆どの人は巻き込まれただけということになりますよね?」


「それはそうですね。私共も初めての勇者召喚だったため、このようなことになるとは思いもよりませんでした」


「さっきから黙って聞いてれば、思いもよりませんでした、だぁ〜?いい加減にしろよ、てめぇ!!早く元の世界に返せよ!!」


天ヶ崎と神官が話していると、ついに単細胞ヤンキーである東條がキレたのか、そう叫んだ。


さすが単細胞、俺たちの身分を理解していないようだな。


東條はスタスタと神官の方に歩いていくと、神官の胸ぐらを掴んだ。


「ほら、俺の拳が火を噴く前に、早く元の世界に返せよ!!」


「はぁ......致し方ありませんね」


神官は手を東條の胸に当てると、次の瞬間東條に穴が空いた。

なんの比喩でもなく穴が空いたのだ。


「ガハッ......なんだ......これ?」


東條は自分の穴の空いた胸を触った後、その場でバタンと音を立てて倒れた。

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