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あるネットゲームで少女と出会った話  作者: 雲隠れ
1章 燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや
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巨岩の咆哮

ボス部屋に入る。


まず目に入るのが崖かと思うほど大きな岩だ。そしてそれは崖ではない。

なぜなら動いているからだ。


その巨体を揺らし、手を上に持ち上げ威嚇して入る。

巨大蜘蛛も大きかったが、このゴーレムはそれ以上だ。そしてその掲げ揚げた手を地面に振り下ろす。

ストンプと呼ばれるその攻撃で地面に大きな振動が生まれる。


近くであんなものを喰らえば一撃だろう。たとえ直撃を避けたとしても近くにいるだけで

ダメージは免れ得ない。欲を言うと遠距離から強力な武器や魔法で攻撃をしたいが、

僕らのパーティにはそういう攻撃のオプションはない。


スパイスの人「じゃぁみんなで突っ込もうね(笑 ヒーラーさん、みんなの蘇生よろしくねー。」


そういうと勇者スパイスはゴーレムに向かって駆け出した。

それに続いて星矢や仮面の人もそれぞれの武器を手にゴーレムへ向けて進む。

魔法使いは自身のペットの鳥を呼び出し、ゴーレムへと向かわせる。

僕も仕方なしに恐怖心を抑えて炎の魔法を詠唱し、渾身の一撃を携えてゴーレムへと向き合う。


敵も遥か怪物。

パーティメンバー渾身の一撃を全て受けきってなお、そのHPは三分の二ほど残っている。

そして自分の番だとでも言わんばかりに大きな方向をあげストンプを繰り出す。

吹き飛ぶパーティメンバー、範囲外に出ていた魔法使いと友人二人がヒールを行い早急に体制を立て直す。

二撃目を喰らわせるべく近寄る僕らに対して、体を大きく回転させたゴーレムが渾身の一撃を仮面の人に叩き込む。

仮面の人は斧の反対に持った大ぶりの盾でその一撃を食い止めるも、HPの全てを持って行かれ瀕死である。

一旦は後衛に下がり、包帯とヒールでの治療に移る。


その隙を見てスパイスの人、星矢、僕がそれぞれにできる最高の一撃をお見舞いする。

ようやくゴーレムのHPも三分の一近くになり、あと一息だ。

治療が終わり復帰した仮面の人を盾に、それぞれがゴーレムに最後の一撃をお見舞いするべく機会を伺う。


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そしてその瞬間は訪れた。


魔法使いのペットの鳥がゴーレムの注意を逸らし、ゴーレムが横を向いたその時に

全員の一撃を順番に打ち込んでいく。この時ばかりは魔法使いと友人も参加し、まさに全体での攻撃だ。物理的なミナデイン。


最後の咆哮を上げて崩れ伏す岩の塊。

最後の一撃は切なくはなくて、爽快だった。


お約束の通り、メンバーそれぞれに宝箱の鍵が配られ報酬部屋へと扉が開いた。

それぞれの宝箱を早い者勝ちで選ぶと一斉に開ける。

最初のダンジョンの何倍にもなるゴールドと、少しのハーブ、そして当たりはスパイスの人に出た。

この当たりは売れば少しいいお金になるとのことで、販売したらそれぞれに分配してくれるとのこと。

僕たちはまた一つのことを成し遂げたのだ。


--------------------------------------------------------------------------------------


約二時間の戦いを終え、ダンジョンから出るとゲームの世界の空も夜だった。

そのまま始まりの村に戻り広場へと向かう。

その際それぞれの馬に乗って帰ったのだが、自分と友人にはまだ馬がない。

友人は魔法使いに、僕は仮面の人の馬に乗せてもらって村へと帰った。

馬での移動は歩きに比べると早く、人も乗せれて便利だ。

購入を真剣に検討しつつ、馬の背に揺られていると広場へと到着していた。


今日の簡単な感想を言い合い、それぞれの活動へと戻っていくメンバー。

2回のダンジョンを重ねたことで大分仲間意識が強まり、ギルドメンバーとしての意識が芽生えている。これが吊り橋効果か。

魔法使いは飽きもせずにギルドメンバーを増やすべく、ナンパに繰り出した。


僕「そういえば、このギルドのマスターは誰なんですか?」

スパイスさん「あれー?聞いてなかったの。魔法使いちゃんだよ。」


あいつギルドマスターなのかよ。

てっきり、偉そうだし星矢か包容力的にスパイスさんだと思ったわー、ないわー。



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星球大賞2
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