全力投球
雷鳴の後、大きな土埃が舞っている。
徐々にその土埃が晴れてくると、そこにはえぐれた地面がその姿を晒している。
ムラマサ「カレー君!!」
中衛の仲間達から悲痛な声が響く。
団長「許さないぞ!!よくも僕の大切なギルドメンバーをッッッ!」
団長「アイシクルスピアッッ!!」
氷の魔法使いたる団長の最強の魔法、魔法耐性の弱い魔物であれば直ちに凍りつき、身動きすら取ることが叶わなくなり、砕かれるのを待つばかりとなる恐るべき氷結魔法だ。
しかし相手は魔法を極め、その上、魔族の力をも手にした存在である。
ダメージは通る、むしろここまでの攻撃で一番のダメージを与えている。しかし、黒呪文術師はその歩みを止めずに、むしろ笑った。
黒呪文術師「SDJNKMNGJMNGJJKJN!」
先程の雷撃すら無詠唱で唱えた黒呪文術師が詠唱をしている。その事にすべてのプレイヤーが警戒のレベルを上げる。
スパイスさん「させるかーーーっ!!」
女神の加護を受け、変身をしたスパイスさんがその弓に太陽の矢をつがえ、強力な一撃を放つ。
光を帯びたその矢は的確に詠唱を続けていた黒呪文術師の手を射抜く。
黒呪文術師「GYAAAAA!!」
初めて苦悶の表情を浮かべ、黒呪文術師の詠唱が中断される。
スパイスさん「今のがとっておきだよ!!さぁみんな決めるんだ!!」
莫大な魔力を込めた詠唱を中断され、重傷を負った黒呪文術師。今この隙に倒し切らなくては!!
僕「ファイアボルト!ファイアボルト!」
助っ人2「ファイアソード!!」
ムラマサ「強撃!!」
助っ人1「最強撃!!」
団長「アイシクルスピア!!」
それぞれの最強の一撃を叩き込む。
無慈悲なその猛攻を黒呪文術師すべて受けきる。
あたりには既にウィスプはいない、すべて黒呪文術師が回復のために吸収している。
そして少しのHPを残して、奴は立ち上がった。
そして残った手を差し出し、すべてを出し尽くした者達に無慈悲な鉄槌を浴びせようとした。
カレー「まだまだぁああああ!!!」
友人に回復を受けたカレー君が、その背後から渾身の一撃を叩き込む。
カレー「強撃!!」
最後に残ったわずかな生命力が終わる。
その場に崩れ落ち、自体を残さず黒い砂へと姿を変える黒呪文術師。
僕達は勝利した。
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見事、勝利報酬として莫大な懸賞金のゴールドと、お目当の古代魔法の材料をゲットした。
ゴールドは参加メンバーで等分に分けた。
助っ人さん達にも改めてお礼を言った。彼らがいなくては、明らかにダメージソース不足でこの勝利はなかった。
僕「本当にありがとうございます!お陰で目的を無事に達成できました!」
助っ人1「応、俺らも儲かったし。また何かあれば呼んでくれ。」
助っ人2「いやー、たまには全力での戦いもいいねー!雷撃の時は焦ったけどね(笑」
そして彼らと別れた後はギルメンへのお礼だ。
本当に頼りになる仲間に恵まれた。
僕「団長を始め、みんな本当にありがとう!これでだいぶ前進したよ!」
団長「これでとうとう、この世界で最強の魔法使いが誰かが明らかになったぞ!」
スパイスさん「お、団長ちゃん。そんなこと言うなら次はソロで退治してきてね(^^)」
団長「・・・、ソロ?」
スパイスさん「うん、ソロ。最強なんでしょ?」
団長「やったらぁぁぁああ!!」
悪い大人がいた、子供を煽ってる。
その後団長が別の黒呪文術師に吹き飛ばされるのは別の話だ。
ムラマサ「カレー君は、、、残念だったね。」
僕「ええ、、、惜しい人を亡くしました。」
友人「本当に、、、。」
カレー「いや、生きてますし。ていうかトドメ俺でしたよね?」
僕「カレー君の次回作にご期待ください!」
カレー「打ち切らないでーっ!」
助っ人さんの大楯と魔法シールドがカレー君の負傷を致命傷で留め、友人の包帯ぐるぐる巻きとヒールにより最後の勇姿になったことを後から聞いた。
やはり大規模戦闘において後衛は命綱だ。
改めて友人にもお礼を考えないとな。
ムラマサ「ところでー。」
僕「?」
ムラマサ「鉱山どうするの?」
僕「あ。」
完全に忘れてた。




